ゲームもWebサービスも本質は同じ。「お客さま」のことを考え抜く力が、自分の可能性を広げていく

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グリー特集

GREE creators special interview! 第2弾は、グリー株式会社で新領域事業におけるインターネットサービスのデザイナーとして働く北島さんにお話を伺いました!学生時代、Webサービスやアプリのデザイン経験が全くなかったという北島さんは、なぜグリーへの就職を選んだのか。ゲーム会社のイメージが強いグリーが手掛ける新領域事業での、デザイナーの仕事はどんなものがあるのでしょう。北島さんのご活躍と、グリーでのお仕事に密着しました。編集・執筆 / AYUPY GOTO

北島 知也
きたじま ともや

Designer

グリー株式会社 2013年4月入社
京都工芸繊維大学大学院 デザイン科学専攻 修了

グリーはゲームだけじゃない。
新領域事業を渡り歩くデザイナーが目指すのは
「ないものをつくる」こと。

― グリーの新領域事業で、デザイナーとしてご活躍されていると伺いましたが、一体どのようなお仕事をされているのでしょうか。

北島さん:私は現在、「Lespas(レスパス)」という月額9,800円(税抜)で、ヨガやピラティスといった自分が行きたいレッスンに、いつでもどこでも好きなだけ通えるサービスと、「smartsitter(スマートシッター)」という、経験豊富な保育のプロによる託児をスマートフォンで手軽に予約・派遣依頼できる、ベビーシッターとご家庭のマッチングサービスの、デザイナーとして働いています。どちらもグリーの新領域事業として立ち上がったサービスです。

グリーはゲーム会社のイメージが強いかもしれませんが、実はヘルスケア領域や住まい領域など、まだインターネット化が進んでいない領域で、さまざまなサービスを展開しています。
現在はこれらサービスに必要なクリエイティブデザインを担当するだけでなく、新機能を考えてワイヤーフレームを作成するなど、サービス企画/設計にも携わっています。

具体的な制作物をあげると、

①Webサイト・アプリのUX設計、UIデザイン
②ロゴ・メインビジュアル・名刺など、サービスのブランディングに必要なクリエイティブの制作
③バナー・LP・フライヤー・パンフレットのなどプロモーションに必要なクリエイティブの制作


といった感じです。

北島さんが携わってきたお仕事

月額9,800円(税抜)で好きなレッスンに通い放題「Lespas(レスパス)

㈰Lespasのアートディレクション(写真は公式アプリ)

頼れる子育てパートナーとご家庭をつなぐ、ベビーシッターサービス「smartsitter(スマートシッター)

スマートシッター

自分の武器を探し続けた学生生活。
がむしゃらに身につけた基礎力が
どんな領域でも生き残れる力になる。

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― Web・冊子・ロゴなど作れるものが幅広いですね!北島さんは学生時代、どのような活動をしていたのでしょうか?

北島さん:学生時代は建築・プロダクトデザイン・グラフィックデザインと、デザイン全般を幅広く学んできましたが、Webデザインに触れたことはありませんでした。
もともと高校の時に”理系で絵が描ける人は建築業界がいい”という話を嘘か本当か聞いていて(笑)、理系かつ物作りができる「京都工芸繊維大学」に進学したので、1年生の時は建築を学んでいました。でも、2年生になるタイミングで自分の得意なことを勉強したいと思い、プロダクトデザインにコース変更したのですが、4年生になって就職を考えた時に、今のままだと勝てるものがないと思い、大学院に進学したいと思ったんです。

だけど受験の結果は不合格。そのタイミングで「そもそもプロダクトデザインも向いてないのでは?」と考え始め、卒制を提出せずに1年留年してグラフィックデザイン専攻に転向しました。その1年間は再受験に向けて必死でグラフィックデザインの勉強をしました。それまでの私はデザインとアートの境目も曖昧で、グラフィックデザインもアートの一部だと思っていたのですが、実際は全然違っていて。平面デザインで勝負したほうが良いものが作れると確信してからは、主にパンフレットやポスターなど印刷物の制作を行うようになり、1年後になんとか合格。当時は自分の武器を探すのに必死だったので、大学院では教授からデザイン制作の仕事をもらい、とにかくグラフィックデザイン制作に熱中しました。

― Webデザインとは無縁だった北島さんが、なぜグリーに応募したのですか? また、どうして内定をもらえたのでしょうか?

北島さん:グリーはゲーム会社というイメージが強かったのですが、募集要項に「プラットフォームのデザイン・サービスデザインに携われる」といった内容が記載されていて、そこで初めて「サービスデザイン」という仕事を知ったんです。自然と興味がわいてとりあえず応募してみたのがきっかけです。

選考では、基礎的なデザインスキルや知識を見てもらえたことが、大きかったと思っています。紙とWeb、媒体は違っても「お客さまのことを考えて作る」のは同じです。ターゲットは誰で、どういったコンセプトを持ち、アウトプットまでもっていくのか。その基礎的なプロセスや考え方は、ものづくりの本質だと考えています。Webでも紙でも、最終的にサービスを使う人のことを考えて作れる力があるかどうかが重要です。


学生時代に意識して身につけようとしていたスキルは、綺麗で整理され、スッと頭に入ってくる見た目を作る「絵作り」の能力と、前述した「お客さまのことを考え抜く」能力です。これらがデザインにおける基礎力だと考えています。

この基礎力があれば、たとえ学生時代にWebサービスの制作経験がなくても、入社してからいくらでもキャッチアップすることは可能です。学生時代は基礎的な技術を学び、どういうものを作りたいかを考え、オリジナリティも持って、受け手のことを考えながら制作できる力を身に付けることが1番大切だと思います。

北島さんの就活ポートフォリオ|京都工芸繊維大学オープンキャンパス デザイン制作

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― 入社したばかりの頃はどのようなお仕事を担当されましたか。

北島さん:ゲーム・サービス・プラットフォームのプロモーションを横断的に担当する「コミュニケーションデザインチーム」で、バナーやWebサイトなどのクリエイティブ制作を行っていました。
最初の仕事は、ECサービスで販売する商品のブランドロゴや背景といった素材を組み合わせて作る、バナー制作です。そこで初めてWebで使用されるデザイン制作を行ったのですが、色や文字の選択・構図など、本当に最初は何もわからなくて。効果的なものはどれだろうと、わからないなりに必死に考えて作って上司に見てもらい、フィードバックをもらってまた修正して……をひたすら繰り返しました。ワイヤーフレーム制作を通じてWebサイト設計などの知識も身につけていきました。この1年で、いろんな先輩方からWeb制作の基礎を叩き込んでいただきました。

― どういったタイミングで、新領域のデザイン業務に携わるようになったのでしょうか。

北島さん:働き始めて1年ほどたった頃から、既存サービスのプロモーションではなく、0→1をやりたい気持ちが強くなってきたのが大きな理由です。ちょうどそのタイミングで、社内で新規事業の公募が行われることになり、面白そうだと思って応募したんです。それがまさかの予選通過で、取締役の前田さんがメンターとなって、事業計画の練り方や損益計算書の作成まで多くのアドバイスをいただきながら一緒に事業プランをブラッシュアップしていきました。残念ながら事業化には至らなかったのですが、がむしゃらにやった結果、社長賞をもらえて、それがきっかけとなり、新領域事業に異動することになりました。

新領域事業ではディレクター的な立場で働くことになり、そこで最初に関わったのは、ファストデリバリー系の事業です。次にホテルの直前予約サービスを担当しました。iOSアプリが先行してデザイン制作されていたので、未着手だったAndroidアプリの最適化や、Webサイト、キャンペーン広告の制作、UI・アイコンの調整など、クリエイティブ面はすべて任せてもらえました。フロントエンドエンジニアが一人もいなかったので、まったくの未経験でしたが、HTML、CSSのことをWebで検索しながら勉強して、コーディングも私がやりました(笑)この時の経験が、今Webサイトを制作する際に、どういうデザインだったらコーディングが楽か、うまくいくかなどを考えながら作ることに生きているので、本当に良い機会だったと思います。仕事の中で、今できなくても学べそうなことがあったら、とりあえず手をあげてみる。これは私が大切にしていることの一つです。

そんなこんなで依頼された仕事は断らずに全て引き受けていたら、次第に他の新規サービスからも仕事の依頼が来るようになり、結果2年間で3つの新規事業に関わりました。一見大変そうに思われるかもしれませんが、いろんな仕事を担当することで、自分の表現の幅や視野が広がるので、私はむしろラッキーだと思っています。グリーは本人の意思を大事にする会社なので、こういう働き方がしたいとか、サービスのデザインがやりたいなど希望があれば任せてもらえるチャンスはたくさんあると思います。

北島さんが携わってきたお仕事

ハコニワの公式サイトPC版デザイン

㈪ハコニワの公式サイトPC版デザイン

2013年|入社して初めて担当したWebサイトのデザイン

まずは、UIデザインのプロフェッショナルに。
面白い!と思うことに飛び込んでいくことで
勝負できる世界が広がる。

― さまざまな新規事業に挑戦してこられたと思いますが、それぞれの仕事を通じて感じた魅力を教えてください。

北島さん:自分ではあまり「挑戦した」と思っていなくて、「面白いから飛び込んだ」という感覚に近いです。新しい環境に身をおくと確実に成長できるから、とにかく楽しいんですよね。ベンチャー企業は環境の変化も激しいので、困難なことも多いです。でも、一つ一つをしっかり打ち返していくことで確実に強くなれます。また、新領域事業のクリエイティブ制作に携わると、経営者目線でサービスを考える力なども自然と身につくので、デザイン以外の能力も伸ばしたい方にとっては良い環境だと思います。このサービスが世の中から見て、どういう立ち位置で、どのような価値があるのか、常に考えられるクリエイターでありたいです。

もちろん、自分の制作したものに対するお客様の声を聞けた時は、非常にやりがいを感じます。最近、スマートシッターのクリエイティブ制作において、実際のお客さまにインタビューをさせていただく機会があったのですが、数あるシッティングサービスの中からなぜスマートシッターを選んだのか、という質問に対して「ホームページが綺麗で、誠実な印象を受けたためです」と言ってもらえたんです。自分のデザインがきっかけとなり、サービスを選んでいただけたという実感が湧き、本当にうれしかったです。

― 約3年間グリーで働いてきたわけですが、自身からみて成長できたと思いますか。

北島さん:つい最近感じたところで言うと、今までは「こういうデザインを作ってください」「ワイヤーフレームを作ってください」と、指示された仕事に全力で取り組んでいたのですが、最近は上司に言われる前に自身で気づき、やるべき仕事を見つけて手を動かせるようになりました。自身からプロジェクトの進行方法を決め、チームメンバーに働きかけができるようになったのは本当に最近のことなんですが、そのプラスアルファが自然にできるようになったのは大きな変化だと思います。

北島さんがロゴを制作する際に使ったノート

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― 何故そのように成長できたのでしょうか。

北島さん:任される裁量の大きさだと思います。プロジェクトの中で責任ある仕事をやらなきゃいけなくなった時に初めて、自分の立ち位置や事業の見え方が大きく変わるんですよね。デザイナーという立場だけでなく事業を動かしている一人として、ひとつ上のレイヤーから物事を見ることができるようになりました。「これは自分が動かないと仕事がまわんないぞ」というプレッシャーもあるのですが、圧倒的にワクワクする気持ちの方が勝ります。

― 北島さんからみて、どういった人がグリーで活躍できると思いますか。

北島さん:グリーは会社規模は大きいですが、中はベンチャーそのものです。環境の変化も激しいけれど、むしろその状況を楽しみながら、全てにぶつかっていける人が活躍できるんだと思います。
でも人間なので、やりたくない仕事もありますよね。例えば私の場合、ルーティンワークは嫌いです(笑)。でも、嫌いだと思っていた仕事でも、それぞれの仕事に深みや魅力はあるので、一つ一つを探ってみる姿勢が大切です。選り好みするというのはそれだけ世界も狭まるので、食わず嫌いをせずに飛び込めるかどうかで成長スピードも変わってくると思います。

― 今後、北島さんがグリーで挑戦したいことを教えてください。

北島さん:デザインにとらわれず、もっと裁量を持って事業を動かせる人になりたいです。ただ、今は目の前の、UIデザイン分野をもっとしっかり勉強して、その分野のなかで認められるプロフェッショナルな存在にならなければと思っています。ものづくりが大好きで、“自分がデザインしたプロダクトで誰かを幸せにする”のが私のやりたいことなので、クリエイターとしての原点の気持ちを大切にし続けながら、これからも新しいことに挑戦し続けます。

― デザイナーでありながらも、ビジネス・チーム・サービス・プラン……と、視野を広げて幅広い仕事に挑戦している北島さんの姿勢には、学ぶものが沢山ありました。何よりもわくわくとした表情で取り組まれている姿が印象的で忘れられません。グリーの今後の新規事業展開と、北島さんのご活躍がたのしみですね!インタビューありがとうございました!

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エントリーはこちらから グリー株式会社 コーポレートサイト

(2016.4.8)

著者

後藤あゆみ

はたらくビビビット編集長。 フリーランスで“『ツクル』を仕事にしたい未来の子供たちのために。”を、コンセプトとして活動。クリエイター支援、スタートアップ支援を行っています。おばあちゃんになるまでに美術館をつくるのが夢です 。

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