知っておかなきゃ恥ずかしい?デザイナーも使う印刷・デザイン業界用語

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デザイン業界、IT業界、印刷業界……など、各業界にはその業界の仕事現場で使われる、「業界用語」が存在します。前回は、IT・WEBの領域の業界用語に触れましたが、今回はデザイン事務所や印刷会社で働く、グラッフィクデザイナーが知っておいた方がいいデザイン業界用語をご紹介していきたい思います。グラフィックデザイナーが仕事をする現場では、デザイン用語はもちろん、印刷、製本、紙など、多くの分野の用語が使われます。そして、専門的分野の人たちが集まる現場だからこそ、知らないと仕事にならないこともあります。まだまだ学生だからと思っている人も、春から新卒デザイナーとして働く人も、知って損はない、デザイン業界用語を勉強しておきましょう。
編集・執筆 / ARAAKEMAYU, AYUPY GOTO

●デザイナーの業界用語とは?

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グラフィックデザイナーは一つのものをデザインするとき、クライアント、社内のデザイナー・ディレクター営業担当者、印刷・製本会社などと打ち合わせをして、制作を進めていきます。そして、その打ち合わせごとに、専門的な業界用語が使われます。そのため、一つの分野だけでなく、平行に数多くのデザイン業界用語を把握しておかなければなりません。デザインの現場に立ったとき、その言葉が何を意味しているのかわからない……!なんてことにならないように、制作スキルだけでなく知識も身につけていきましょう。

●グラフィックデザイナーの業界用語を覚えておこう!

今回はデザイン編、校正編、印刷編、紙の知識編と、デザイナーとして最低限知っておかなければならない業界用語をご紹介します。

デザイン編

・ラフ
画面のレイアウトイメージを簡単な下書きとして描いたもの。原寸サイズ用紙に手描きしたものや、デジタルデータでワイヤーフレームに近いラフ、デジタルデータで最終形に近いラフなど、ラフの定義はデザイナーによって様々ともいえます。

・カンプ
広告や印刷などの制作において、制作物の仕上がりを具体的に示すために、プリンタで出力したものをいいます。また、印刷に回せる最終カンプは校了紙とも呼ばれます。

・サムネイル
画像や印刷物ページなどを表示する際に、視認性を高めるために縮小させた見本のことをいいます。

・アウトライン化
Adobe Illustratorの機能の一つで、文字データを図形化することを指します。アウトライン化には、文字を画像データとして自由に変形させることができるのと、他の人がデータを開いたときの文字化けを防ぐ役割もあります。アウトライン化はデザインを学ぶ学生さんにとって必須の知識です。

・台割
冊子などの複数ページのものを制作する際に、割り振りを決める行為を台割といいます。また、何ページにどういうページ内容がくるかなどを表にする台割表もあります。冊子や本などを制作するとき、とても重要な役割を果たします。

・白ヌキ
色ベタ上にある、白い文字や図形等の色表示。白ヌキの他に白ヌキ文字、白ヌキケイともいいます。

・スミ
印刷の色指定で黒を表します。

・アタリ画像
レイアウトやデザインの際に、一時的に使用する画像のことを指します。

・角版(かくはん)
写真やイラストを正方形または長方形のまま、使用することを指します。

校正編

・校正
印刷物等の字句や内容、体裁、色彩の誤りや不具合を、原稿と比べながらあらかじめ修正すること。

・下版
校正が終わって完成した版を、次の印刷工程(製版)にまわすことを下版といいます。

・色校正
カラーの印刷物の仕上がりを事前に確認する作業のことをいいます。データで見たときと印刷したときでは色味が違ってくるため、試し刷りをして再度確認する必要があります。

・念校
初校、再校とは別に、赤字が多かったページや大幅なレイアウト変更をしたページだけを、「念のために」もう一回校正紙を出して校正すること。

・再校
校正後に修正したところをもう一度確認、最終チェックすること。

・責了
修正個所が少なく校正原稿をこれ以上確認しなくてもよいと判断した場合など、修正と校了の責任を印刷会社が持つことを前提に、発注者が校了とすること。

・校了
校正が無事に終わり、本刷の許可がでること。そのときの校正刷りを「校了紙」といいます。

印刷編

・オフセット印刷
オフセット印刷は、インキを版(はんこ)からブランケットを介して被印刷体(印刷用紙など)に印刷します。チラシや雑誌、カタログなど大量印刷に適しています。

・オンデマンド印刷
オンデマンド印刷は高細密のトナーによるレーザープリントのことをいいます。少数の印刷物や種類が多数ある印刷物に適しています。

・オーバープリント
製版指定の一種。 印刷物をつくるときに、色を重ねて印刷することを指します。

・裏抜け
表側に印刷したインキが、印刷用紙の裏側に染み透ることいいます。

・トンボ
印刷物を作成する際に、仕上がりサイズに断裁するための位置や多色刷りの見当合わせのため、版下の天地・左右の中央と四隅などに付ける目印のことをいいます。コーナートンボ、裁ちトンボと言うこともあります。

・裁ち落とし
印刷物を制作する上では、写真やイラスト、網、パターンなどの図版をページいっぱいに配置したいとき、断裁のズレによる余分な白地が出ないようにするために、ページの仕上がり線より3ミリ程度、はみ出させて配置することをいいます。

紙の知識編

・印刷物規格サイズ
 
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・原紙のサイズ
……原紙とは、仕上がり寸法に裁つ前の、紙の大きさです。
 
菊版ー636×939
もともとは、新聞用紙として、米国から輸入した紙の通称でした。新聞の「聞(きく)」にちなんで菊印として売り出したからとも、商標のダリアの花が菊に似ていたからともいわれています。菊判はA列本判よりひとまわり大きいため、A列本判の代わりに使用することもあります。
 
四六判ー788×1,091
明治時代にイギリスから輸入した「クラウン判」が大八つ判と呼ばれ、それから4寸×6寸のページが32面取れるので、明治後半頃から大八つ判から四六判と呼ばれるようになりました。
 
ハトロン版ー900×1,200
「ハトロン紙」と言う名称の包装紙の一種が、3尺×4尺(909×1212)であったため、現在の900×1200のサイズをハトロン判と呼んでいます。

・連量/厚さ
ある規定の寸法に仕上げられた紙1,000枚のことを1連(1R)と呼びます(板紙の場合、100枚で1ボード連・1BR)。連量とは1連の紙の重量のことをいい、単位はkgで表示します。連量は紙の厚みを知るための目安ともなります。

・流れ目
紙は、抄紙機(紙を抄く機械)でパルプを一定方向に流しながら製造されるため、進行方向に繊維が揃いやすく縦目(T目)、横目(Y目)といった「紙の流れ目」ができます。印刷物に合わせて、紙の流れ目を合わせなければなりません。

●さいごに

是非この機会に、“業界用語”のおさらいをしてみてください。デザインの現場に入ると、ここでは触れなかった用語がさらに飛び交うことでしょう。学生のうちに少しでも勉強しておくと、社会人になったときにすぐに現場で活躍できる人材になれます。疑問に思ったらすぐに意味を調べる癖をつけましょう!

(2017.2.23)
araakemayu

著者紹介

荒明真柚araakemayu

武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科在学。グラフィックデザイン、パンフレットや本のエディトリアルデザインを主に勉強しています。最近はラジオを聴くのにはまっています!
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