世界中で多くの人が利用しているSNS。Twitter、Instagramなど さまざまなSNSがありますが、これらは学生クリエイターのみなさんにとって、自身の作品を発信する便利なツールにもなるのです。その特徴や活用方法はSNSによって全然違います。実際にSNSで作品を発信している学生クリエイターの実例とともに、その活用方法をご紹介します。
編集・執筆 / Ayako Yamada, AYUPY GOTO
目次
- 1. SNS、活用してますか?
- 2. 学生クリエイター的 各SNSの特徴
- 3. 学生クリエイターのSNS別活用実例
- 4. 最後に
1. SNS、活用してますか?
SNSを利用しているという人は多いかと思いますが、SNSを自身の作品を発表する場として活用している、という人は、まだ多くないのではないでしょうか。ポートフォリオサイトを作るよりも気軽に作品を投稿することができ、多くの人に見てもらい、評価してもらえるSNSは、学生クリエイターにとってまたとない作品発信の場です。ハッシュタグなどを活用することで、投稿した作品はより多くの人の目に触れられます。投稿を見た人から「いいね」やコメントをもらえると、第三者から自身の作品がどう見えているのか知ることができますし、制作のモチベーションにもなります。とても身近で気軽に始めることができるSNS。この機会にぜひ作品発信の場として活用してみましょう!
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2. 学生クリエイター的、各SNSの特徴
学生クリエイターが作品発信の場としてよく使用しているSNSは、Twitter・Instagram・Tumblr・Pixiv などがあります。今回はこの4つに加えて、Artstation というサービスもあわせてご紹介します。これらのSNSにはどのような特徴があり、どう使い分ければ良いのでしょうか。
今回紹介するSNSの中でもっとも利用者数の多い「Twitter」。文字メインのコミュニケーションサービスですが、画像や動画の投稿も多くみられます。投稿が「リツイート」されることで、フォロワー以外にも投稿が広まる拡散力の高さが特徴です。拡散された投稿は、幅広い層の多くの人の目に触れる機会があります。日常的に気軽に利用している人が多く、ほかのSNSと比べてラフな投稿に向いていると言えます。投稿はタイムライン上で時系列順に表示されるため、ほかの投稿に埋もれてしまわないように、コンスタントに投稿することが効果的です。また、画像がタイムライン上に表示される際に見切れてしまうこともあるため、縦横比に注意が必要です。関連する投稿をまとめられるモーメント機能もあります。
▼ POINT
□ 拡散力が高く、幅広い層に届く。
□ ラフな投稿に向いている。
□ コンスタントに投稿することが効果的。
□ タイムライン表示の縦横比に注意。
画像メインのコミュニケーションサービスである「Instagram」は、若年層を中心に利用者が増加しています。ひとつの投稿で、複数枚の画像や動画を載せることができます。一番の特徴は、プロフィールページで投稿が正方形のサムネイルで一覧表示されること。その際に、投稿の全体の雰囲気や世界観が統一されているとが重要です。画像のクオリティには、とことんこだわりましょう。フォーマットを統一することも効果的です。Twitterと比べて拡散力の弱い「Instagram」では、ハッシュタグをつけることで、フォロワー以外の人にも作品を見てもらえます。ハッシュタグは複数つけることができるので、投稿する際は必ずいくつかキーワードを探してつけるようにしましょう。
▼ POINT
□ プロフィールページでの見え方に気を配る。
□ 一覧表示のフォーマットを統一すると効果的。
□ 画像のクオリティにこだわる。
□ ハッシュタグを必ずつける。
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● Tumblr
「Tumblr」は画像や動画、音声など多様なコンテンツを投稿できるブログサービスです。「Tumblr」が他のSNSと大きく異なる点は、ページデザインを自由にカスタマイズできる、ということです。デザインテーマもたくさん用意されているので、自分好みのデザインに簡単にカスタマイズできます。フォローや投稿へのコメント・お気に入り・シェア機能などはありますが、TwitterやInstagramと比べるとユーザー間の交流はあまり活発ではありません。そのため「Tumblr」では、ユーザーは他人から見られていることを意識することなく、好きな作品をお気に入りやシェアすることができ、情報収集のツールとしても便利です。Twitterなどコミュニケーション中心のサービスを使いながら、「Tumblr」を作品集として利用している人も多いようです。
▼ POINT
□ デザインテーマが豊富で、カスタマイズしやすい。
□ 作品集としての利用が多い。
□ 情報収集のツールとしても便利。
□ Twitter・Instagramとの併用が多い。
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● Pixiv
「Pixiv」はイラストコミュニケーションサービスの代表的存在で、イラストのほか、漫画や短いアニメーション(うごイラ)、小説なども投稿できます。投稿には「いいね!」やコメントがつき、コミュニケーションをとることができます。ひとつの投稿に100枚以上の画像を載せることができ、他のSNSと比べて漫画の投稿に適しています。投稿者だけでなく閲覧者もタグを共同編集できることが特徴で、様々なタグで作品の交流が行われています。このほかランキング機能もあり、ランキング上位に入るとより多くの人に作品を見てもらえます。「Pixiv」では「BOOTH」や「pixivFACTORY」「pixivFANBOX」といった、Pixivアカウントと連携して利用できる、クリエイターのニーズに合わせた周辺サービスが充実しています。
▼ POINT
□ イラスト投稿サービスの代表的存在。
□ 漫画の投稿に適している。
□ タグで作品の交流が行われる。
□ アカウント連携のクリエイター支援サービスが充実。
● Artstation
「Artstation」は世界中のクリエイターが作品を投稿しているイラストコミュニケーションサービスで、Pixivに近いサービスと言えます。海外のユーザーが多く、投稿されている作品は2D・3DのCG作品が中心です。日本ではPixivほど広まってはいませんが、海外志向の強いクリエイターや、CG系のクリエイターには利用している人も多いです。国内外の有名アーティストも作品を投稿していて、レベルの高い作品がたくさんあります。海外から感想をもらえたり、中には海外から仕事のお誘いが来たりすることもあるようなので、キャプションは英語で書くことが望ましいです。特にCG作品を制作している人は、ぜひ「Artstation」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
▼ POINT
□ 海外ユーザーが多い。
□ CG作品中心に投稿されている。
□ 海外から仕事の依頼が来ることも!
□ キャプションは英語で書く。
3. 学生クリエイターのSNS別活用実例
ここまで各SNSの特徴をお話ししてきましたが、実際にはどのように作品を発信したら良いのでしょうか?今回は、SNSをうまく活用している学生クリエイター9名の実例を、その作品とともにご紹介します!
【SNS別 活用実例】
■ Twitter ▶︎
よしだ さん / あらたかな さん / Zgraph さん
■ Instagram ▶︎
細川成美 さん / miyagi takumi さん / 高田 颯平 さん
■ Tumblr ▶︎
キンチャン・ジョニー さん
■ Pixiv ▶︎
相原ふう さん
■ Artstation ▶︎
Takuto Mizuno さん
● よしだ さん (多摩美術大学) @five1996
「足の小指用ヘルメット」「穴を増やしたけん玉」など、身近なものごとにアイデアを加えたユニークなイラストやプロダクトを発信しています。脱力感があってかわいらしく、クスッと笑えるよしださんの投稿は、Twitterで多くの人にシェアされています。
足の小指をぶつけると痛いので、小指用のヘルメットを作りました。 pic.twitter.com/NMDIzPIfjq
— よしだ (@five1996) 2018年5月19日
リュウグウノオツカイ pic.twitter.com/to4I0kWrpv
— よしだ (@five1996) 2018年6月15日
● あらたかな さん (筑波大学) @ARTAKANA
毎日1枚タイポグラフィの作品を投稿している、あらたかなさん。サイズを正方形に揃え、日付とタイトルとともに投稿することでシリーズ感が出ています。「日本語カリグラフィ」「アンビグラム」など自身のテーマごとに作品をまとめたモーメントの活用法も参考になります。
7/20 除湿機
モダンひげ pic.twitter.com/s6jhBtdx3v— あらたかな (@ARTAKANA) 2018年7月20日
2/3 鬼は外 / 福は内
節分 pic.twitter.com/32dbkbnVmA— あらたかな (@ARTAKANA) 2018年2月3日
● Zgraph さん (東京造形大学 有志7人) @Zgra_phic
東京造形大学グラフィックデザイン専攻の有志7人が曜日替わりで投稿しています。ひとりで毎日1枚はハードルが高くても、友達と一緒にひとり週1枚づつなら続けられそうですね。毎日投稿を続けることで、アカウントのフォロワーも増えやすいです。
2018.6.23 もゑな #graphicdesign #typography
キライ pic.twitter.com/xdpbwhrw5Z— Zgraph (@Zgra_phic) 2018年6月23日
2018.06.28 risa#graphicsdesign #photography pic.twitter.com/TNHMlYTj8z
— Zgraph (@Zgra_phic) 2018年6月28日
● 細川成美 さん (多摩美術大学) @narumi_hosokawa
作品写真のほかに、メイキング動画も多く投稿している、美少女画作家の細川さん。繊細な筆づかいで描く様子に、思わず魅入ってしまいます。制作の様子を公開することで、作品への興味がいっそう湧いてきますね。
● miyagi takumi さん (京都造形芸術大学) @bbng20
スタイリッシュなグラフィックからラフな線が魅力的なイラストレーションまで、様々なジャンルの作品を投稿しています。ハッシュタグを活用することで、作品のカテゴリ分けもできますね。英語のハッシュタグを使用すると、海外のユーザーからも反応がもらいやすくなります。
● 高田 颯平 さん (愛知県立芸術大学) @sohei_takata_
グラフィック作品を中心に投稿しています。正方形の画面にグレーの背景、その上に作品を影をつけて配置する、というフォーマットで統一しているのが特徴です。フォーマットを統一しておくと、プロフィールページで投稿が並んだ際にとてもスッキリしていて見やすいですね。
Tumblr
● キンチャン・ジョニー さん (多摩美術大学) kingchangjohnny.net
ビビットで色彩豊かな写真作品を投稿しているキンチャン・ジョニーさん。テンプレートはシンプルなデザインで、作品の色彩が引き立てられています。トップページの作品群から、作品の個性が伝わってきますね。Tumblrでは、「写真」「コラージュ」「インスタレーション」など、作品ジャンルごとに整理して更新することができます。
Pixiv
● 相原ふう さん ID:950283
イラストレーションのほか、漫画やアニメーションも投稿している相原さん。レトロな色彩や世界観が魅力的です。Pixivと連携したショップサービスBOOTHでオリジナルグッズの販売もしていて、参考になります。
Artstation
● Takuto Mizuno さん takutomizuno
3DCGによる作品を数多く投稿しています。Artstationは海外のユーザーが多いので、キャプションも英語で書いていてさすがですね!機械から人物、動物、ドラゴンまで様々なモチーフ・質感のイラストを描かれているので、スキルがよくわかります。
4. 最後に
授業課題や自主制作の作品を、講評や学内展示だけで終わらせてしまうのはもったいない!今回ご紹介した各SNSの特徴と、学生クリエイターの皆さんの魅力的なアカウントを参考に、SNSで作品を発信してみましょう。思いがけない反応が待っているかもしれません。第三者から評価してもらうことで、気づくことや得られることはたくさんありますよ。ぜひ挑戦してみてくださいね!
