プロダクトデザイナーとインダストリアルデザイナーの違いって何?|仕事百科

プロダクト

雑貨や工業製品など、形の凝ったデザインや機能美を兼ね備えたデザインが好きな方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。それらの製品をデザインする職業に「プロダクトデザイナー」と「インダストリアルデザイナー」があります。今回は、似ているようでちょっと違う「プロダクトデザイナー」と「インダストリアルデザイナー」の仕事内容や、基本となる仕事の考え方についてご紹介します。
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE,AYUPY GOTO

目次

  • 1. プロダクトとインダストリアル
  • 2. プロダクトデザイナーとは
  • 3. インダストリアルデザイナーとは
  • 4. 両者に大切な考え方
  • 5. 最後に

1. プロダクトとインダストリアル

プロダクトという言葉は、広義において製作物全体を意味し、インダストリアルは、工業製品を意味する言葉です。そのため、インダストリアルデザインはプロダクトデザインの中に含まれていると考えられるようです。
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プロダクトデザイナーは工業製品や機械製品だけでなく、家具や自転車、バッグやボールペンなどの身近なものまで幅広くデザインします。インダストリアルデザイナーは、工業製品や機械製品が専門のデザイナーと考えることができます。インダストリアルデザイナーからさらに専門分野になるとメカニカルデザイナーという職種があり、工業製品の設計を行います。
このように厳密に考えると違いのある二つの職業ですが、同じような意味合いで使われる場面も多くあり、二つをまとめてプロダクトデザイナー(インダストリアルデザイナー)と表記されることもあります。
次に、それぞれの仕事内容についてくわしく見ていきましょう。

2. プロダクトデザイナーとは

デザインを平面か立体物かで考えた際、グラフィックプロダクトに大きく分類できます。そこで、立体物にあたるのがプロダクトデザインです。プロダクトデザイナーの仕事は、自動車、食器、電子機器、家具、文具といった製品のデザインをすることです。

<プロダクト製品が生産される流れ>
①メーカーと打ち合わせながら、商品のコンセプトを考える
②複数のラフスケッチを起こし、スケッチ案を検討する
③採用されたスケッチ案をもとにレンダリングし、模型を製作する
※レンダリング…ラフスケッチを、3DCGソフトなどによって画像に起こす作業のこと。
④レンダリング画像と模型でメーカーに提案する
⑤メーカーによる修正があった場合、デザインの再提案をする

プロダクトデザイナーはただ形のデザインを行うだけでなく、“ユーザーがどのように使うのか”という商品企画の部分から売り方まで、製品を取り巻くもの・ことに関するすべてを提案します。そのため、描写力に加えて大量に速く描くスケッチ力、コンセプトから形に展開する思考力、そしてデザインを提案するプレゼン力も求められます。 さらに3DCGソフトやCADなどの操作スキル、模型制作スキルも身につけなければなりません。
また、大量生産の工業製品を中心にデザインするインダストリアルデザインに対し、プロダクトデザインは工芸製品や一点ものなどのアートに近い作品も含まれます。プロダクトデザイナー志望の学生の主な就職先は、メーカーのデザイン部門や、デザイン事務所となります。

3. インダストリアルデザイナーとは

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インダストリアルデザイナーは、大量生産が可能な工業製品の製品開発にデザインとして携わる職業です。工業デザイナーとも呼ばれます。ユーザー視点で、機能面に優れ安全性が高く、かつ美しい工業製品をデザインします。
生産される流れはプロダクト製品と大きな相違はありませんが、デザインに取り掛かる前に生産や機能などの決まりごとがまとまった仕様書を理解する必要があります。インダストリアルデザインの現場では、製品の機能や生産コストがデザインに大きく影響するためです。仕様書を踏まえ、かつ製品のコンセプトに沿ったデザインを考えなければなりません。
メーカーの担当者だけでなく、技術者や販売責任者とも密にコミュニケーションをとりながら試作品を制作し、各方面から機能面・安全面・生産コストなどのチェックを終えて、生産に入ります。
インダストリアルデザイナーを志望する場合は、製品メーカーの商品開発部に就職することが多いです。インダストリアルデザインを行う個人事務所もありますが、数はかなり少ないようです。

4. 両者に大切な考え方

プロダクトデザイナーとインダストリアルデザイナーは、両者共にユーザビリティの考え方がとても重要です。ユーザビリティとは、ユーザーによるその製品の使いやすさのことを指します。
製品開発プロジェクトは、製品を企画する際にその製品がユーザーにどのような影響・利益をもたらすのか、その製品でユーザーはどのような体験ができるのかということを考えます。デザイナーはそれを汲み取り、ユーザーと同じ目線で使い勝手を考えた上でデザインをしなければなりません。ユーザーがストレスなく使える製品を生産することに、大きな役割を担っているのです。

5. 最後に

プロダクトデザイナーやインダストリアルデザイナーは、商品を製作する技術者や販売するメーカーとコミュニケーションを繰り返しとりながらデザインを請け負います。そんな力に信頼を置き、近年ではプロダクトデザイナーがプロジェクト全体のディレクションを行うことも少なくないようです。
デザインスキルや描写力、立体物をつくるスキルにコミュニケーションスキル……一流のプロダクトをつくるには多くのスキルが必要ですが、優れた作品は多くの人に長く愛用されます。苦労して世に出した製品に結果が出たとき、大きなやりがいを得る仕事といえるでしょう。

 

(2016.4.7)
Yoshiko Inoue

著者紹介

井上佳子Yoshiko Inoue

女子美術大学卒業。 ビビビット社で、全国のデザイン・美術の学校へ行く仕事をしています。青い迷彩柄のPCケースが目印なので、見かけたらお声がけください! 昔の少女漫画とハロプロが好きです。
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