ワークスタイルの旅。vol.01-2 CRAZY,Inc.|内定者インタビュー編

ワークスタイルの旅

特集

「ワークスタイルの旅。」vol.1-2は、CRAZY,inc 2015年度デザイナー職内定者の平津さんのインタビューです。2016年4月から入社予定の平津さんは、現在は多摩美術大学の4年生。今もCRAZYさんでインターンとして働いているそうです。一体何に挑戦したいと思い、CRAZYさんで働くことを選択されたのでしょうか。お話を伺ってきました。
編集・執筆 / AYUPY GOTO

今回お話を伺った方

平津 優ひらつ ゆう

株式会社CRAZY 2015年度内定者 アートディレクター
多摩美術大学 テキスタイル学科専攻

日本の伝統工芸に携わる職人を尊敬する思いから、
伝統工芸をデザインに取り入れ、私らしいアプローチに挑戦。

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― いつからものづくりに興味を持ちはじめたのでしょうか?

平津さん:父が建設会社を営んでおり、自宅の隣に建設工場があったことで、小さい頃から大工さんや職人さんたちに囲まれて育ってきました。ものづくりにこだわりを持ち、楽しそうに働く職人さんたちを見て、私も将来はもの作りの仕事がしたいと思うようになっていました。

小学校の頃から絵をひたすら描いていて、高校生になったタイミングで進路について考えはじめたのですが、油絵のような自己表現をしたいのか、いろんな人たちに使ってもらえるデザインをしたいのかと考えはじめた時に、私は漠然とデザインがしたいと思ったんですよね。自分のつくった雑貨や家具をいろんな人たちに使ってもらえたり、インテリアのブランドを立ち上げれたら幸せだと思って、そこで美大に進学することを決意したんです。

― 何故、テキスタイルデザインを選んだのでしょうか?

平津さん:それも私の育った環境から影響しているのですが、日本ならではの伝統的な物づくりに幼い頃から接してきたこともあって、日本ならではのモノづくりや、伝統工芸に興味があり、そういったことに携わるクリエイターさんや職人さんを尊敬していたんです。伝統的な柄や伝統工芸品にすごく魅力を感じていて、そういった観点から伝統工芸などの要素を取り入れたデザインをアプローチしていけたらいいなって思ったんです。そこで、伝統的な織りや染めを学べる環境を探して、テキスタイルデザインを選びました。

― 大学生活はどのように過ごされていましたか?

平津さん:私は一年浪人して多摩美に入学できたのですが、そこで大きな心情変化がありました。入学が決まった時は、浪人したことによって身に付いた画力やデザイン力にかなり自信を持っていたのですが、入学して同期のつくる物を見て、レベルの高さに驚いたんですよね。今まで自分はできるほうだと思っていたのですが、同期の実力の高さを目の当たりにしたことで「自分はそんなに出来るほうじゃないんだ」と気づいて、今まで持っていた高いプライドが崩れたんです。挫折ともいいますかね。でも、ずっと落ち込んでるわけにもいかないし、悔しいという気持ちと楽しいという気持ちが合わさって、がむしゃらに課題に打ち込んでいました。

2年生になったタイミングで、私はこれがつくりたいんだといえる自分の路線を確立できてきました。著名なデザイナーが作るものにはオリジナリティがあって、その人らしいイメージが詰まっていて、作品を見るだけで誰がつくったかわかるじゃないですか。その雰囲気づくりが2年生では確立できたと思います。私は小さい頃から日本の伝統的なものづくりが好きだったので、日本らしいモチーフを大事にして作品をつくるようにしていました。作品をどつくっていくなかで、自分はこういう路線でやっていきたいというのが決まっていったと思います。路線や自分の表現方法を確立することで自信にも繋がりますし、前向きに頑張れました。

3年生になった時には、自分が今後どういうデザインをしていきたいか、すごく考える時期でしたね。私の学科は芸祭の時に、有志で“テキスタイルパフォーマンス”というパフォーマンスショーをやるのが恒例になっていまして、毎年すごく大きなイベントとして開催して、2000~3000人ほどのお客さんがきてくれるんです。私はそのイベント運営で広報を担当したのですが、資金の調達や、どうしたら“テキスタイル”という世間一般的に伝わっていない言葉を浸透できるかを考えたり、協賛してくれる方とのコミュニケーションをとるような仕事をしていました。みんなで一つのイベントをつくったり、自分たちのつくったものを見て喜んでくれるお客さんの表情を間近で見れたりと、テキスタイルパフォーマンスは、自分にとってとても基調な時間でした。そういった経験から、表現した作品を通してお客さんの表情がかわっていく、イメージやメッセージがダイレクトに伝わるデザインをつくっていきたいと思うようになりました。そこから「人と近い距離でデザインのできる仕事をする」という目標だけを持って、就活に挑みました。

― 自分のつくった物のを見て、人が喜ぶ姿が見れるのは基調ですよね。

平井さんが大学でつくられている作品

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平津さんが制作された作品:白樺 |白樺の木をイメージしたテキスタイル

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平津さんが制作された作品:夢中 |蠟纈染め、滲み染めで金魚をモチーフに制作しました。

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平津さんが制作された作品:夢中 |「夢中」アップ、江戸刺繍を施してあります。

“お客さんと近い距離でデザインの仕事がしたい”
その思いから繋がった、CRAZY WEDDING

― 就職活動はどのように行ったのでしょうか。

平津さん:大学4年生になる直前、春休み頃にまわりでも就活する人が増えてきました。私も自分の中で決めた「人と近い距離でデザインのできる仕事をする」という考えにマッチする会社はないかと探していました。最初は広告系の会社を見ていて、ブランディングデザインの仕事を通して、私が今までやってきた伝統工芸品の魅力を伝えていくことはできないかと考えていました。ですが、どれだけ調べてもピンとくる会社に出会えず、別の業界も覗いてみようと思いました。そこでウェディングやオーダーメイド系の仕事が目について、お客さん一人一人のためにプラン考えて、演出やデザインをつくることができ、お客さんとの距離も近いので、やりたいことが出来るのではないかと思ったんですよね。そこでウエディング会社や、オーダーメイド会社を調べるようになりました。

― そうなのですね。CRAZYさんには何処で出会ったのでしょうか?

平津さん:たまたまインターネットで「オーダーメイド ウェディング」と検索した時に、一番上に出てきたのがクレイジーウェディングだったんです。その時、ホームページを見た瞬間に「ここで働きたい!」という気持ちがすごく強くなったんですよね。即応募しました。

― なるほど。サイトを見て働きたいと思えた大きな理由ってなんでしょうか?

平津さん:サイトを見た時に、明らかに他の会社とは違う圧倒的な世界観があり、「一組一組の結婚式にそれぞれのコンセプトがある」というのが、私のやりたいことに凄くあっていると思ったんです。今までやってきた大学のテキスタイル課題にも毎回コンセプトがあって、それに対してテキスタイルで出来ることを考え制作していたので、それが実際にビジネスに繋がっていくような仕事は凄くやりがいがありそうだと思ったんです。

― 応募後からはどういった流れで進んだのでしょうか。

平津さん:新卒採用の選考は、インターンを2週間行うプログラムになっていまして、インターン期間は、結婚式の演出・セットをつくる制作現場に入って、会場に飾る装飾などをつくっていました。基本的にはアートディレクターさんに指示された世界観にそって、必要なアイテムを提案したり、装飾をつくったりするお仕事です。タイミングよく、自分が手掛けた装飾が使われる結婚式にも参加させていただけたのですが、自分のつくったものを当日参加したお客さんたちが「かわいー!」と言ってたくさん写真を撮ってくれていて、いろんな人の喜ぶ顔を見れてとても嬉しかったことを覚えています。装飾を制作したり、社員の方々とお話したり、お客さんの声を直接聞けたり、その2週間で様々な仕事を経験させていただきました。一応面接もインターン期間に何度か行ったのですが、「なんでうちを選んだの?」といった、いわゆる面接っぽい質問はなくて、私自身の将来の夢や理想の働き方のお話をして、社員さんたちが一緒に私の将来のことまで考えてくれたんです。インターンを通して、今まで以上に“自分探し”ができ、CRAZYの方々にはすごく感謝しています。インターン最終日には、CRAZYで伝統となっている最終面接“全社員の前で自己プレゼン”を行いました。プレゼンに対して社員全員がOKを出してくれないと入社できない仕組みになっているんですよね。かなり緊張したのですが、私はその面接に、人生で一番全力だったといえるほどの勢いで取り組みました。

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― 最終面接は社員全員の前でプレゼンするのですね!一体どのようなことを行ったのですか?

平津さん:自分の生き方をプレゼンする場なのですが、私は言葉で表現するのがあまり上手ではなかったこともあり、普通にプレゼンしても思いが伝わらないと思ったので、自分が輝ける状態を見せるために、ライブペイントと音と自分の思いをミックスさせたパフォーマンスを行いました。

― どういった点が評価されて内定に繋がったのかわかりますか?

平津さん:フィードバックがあったわけではありませんが、大事なのは前のめりにチャレンジすることと、課題に対して全力で立ち向かって諦めないことだと思います。私自身、完璧にできたとはいえませんが、自分の仕事には責任を持つとか、いってしまえば社会人になった時に絶対に必要なことに対して、やる気が見せられたのが良かったのではないかと思います。

― スキル的にはどういったものが求められるのでしょうか。

平津さん:デザインのスキルはもちろん必須です。クレイジーの世界観を作るためのデザインの要求は高いので、概念にとらわれない幅広い表現力や創造力が必要です。というのも、すごくコンセプトを大事にしていて、例えばCRAZY WEDDINGですと、結婚される二人にしかできない結婚式を毎回手掛けているので、世の中に沢山あるような、見たことあるものはつくれません。そういった意味では大変だと思いますし、ハードルは高いと思います。
ですが、新卒採用で一番見られているのは、一つの物事に取り組む姿勢であったり、前のめりさ、成長力がとくに重要だと思っています。レベルが低くても、時間をかければできないことはないと思うんですね。いろんな人の力を借りていろんなアドバイスをもらいながらやれば、できることはあると思うので、そういった課題に対して、どのレベルを目指そうとしてるのか見ています。

― 何事にも全力で取り組める人に受けてほしいという感じですかね。

平津さん:基本的に全力で、人生をかけて何かやるっていう思いで来てる人が、CRAZYに集まっていると思います。

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平津さんが制作されたウエディングの装飾|本の文字が蝶になってゲストを誘導していくイメージで作ったエスコートカード。

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平津さんが制作されたウエディングの装飾|和紙を染める所から制作したビックフラワー、weddingを華やかに彩りました。

弱さも含めて自分の個性。
自信のない人の背中を押す、そんな存在に私はなる。

― 平津さんは最初ウエディングの事業に携わりたくてCRAZYに応募したと思いますが、現在もその思いは変わっていないのでしょうか。

平津さん:CRAZY WEDDINGがきっかけでCRAZYに興味は持ちはじめましたが、そこからオフィスで社員の方々と一緒にお仕事してみて、自分の理想や目標に対してがむしゃらにいきいきと仕事をしている姿を見たときに、私もCRAZYでこんなふうにがむしゃらに頑張りたいなって思うようになりました。なので、今はウエディングが良いとか事業内容にはこだわりはもっていません。

― 平津さんとお話していて思いましたが、CRAZYさんには本当に熱い方が集まっていますよね。一人一人が主役のような、思いや理想を語れてかっこいいと思います。

平津さん:クレイジーっぽい人が集まるというのは実際あると思います。色が強いというか、もともとはUNITEDSTYLEというスローガンをもとに、個人のスタイルを持った個性的な集団になろう!という目標を掲げ、始まった会社なので、一人一人の思いや姿勢をすごく大切にする会社なんです。もちろん現在でも、そういった思いや姿勢を表現する場がたくさんありますし、そういった人が多いので自然と自分の思いややりたいことも正直に話せるようになりますね。

― 今後CRAZYさんで挑戦したいことや目標を教えてください。

平津さん:自分に自信が持てなくて、やりたいことがあるのに諦めている人たちの背中を押してあげられるような、そんな存在になりたいというのは一つ大きな目標です。というのも先ほども少しお話しましたが、私自身、1年生の頃「自分ってダメだなぁ」と思っていて、そこからネガティブな気持ちがどんどん積み重なって、自分は何もできないんじゃないかとか、絵を描いたりデザインしたりすることが向いてないのかもしれないと思ったりと、悩んでいたことがありました。ですが、CRAZYと出会ってから考え方が大きく変わって、ダメな自分を見せたとしても、それを受け止めて一緒に歩んでくれる人がいるんだということに気づけて、出来ないこともあるけどそれも含めて全部自分の個性なんだと思えるようになったんです。そこからどんどん前のめりに動けるようになって、そうしたら結果を出せることも増えてきて、みんなが認めてくれるようになって、どんどん自分に自信が持てるようになりました。自分は何もできないと思っていたけど、自分ってこんなことも出来るんだ!と、自分に可能性も感じれるようになり、周りの人たちにもすごく応援してくれて、一緒に頑張りたいと思ってもらえるようになったんですよね。弱い部分やできない部分も全て含めて自分だし、弱みを持っていることは悪いことじゃないので、今までの経験を通して、私のように自信がなかった人にも「あなたには可能性がいっぱいあるし、それを一緒に伸ばして頑張っていこう」と伝えていきたいです。そういうことが言える存在になりたいですし、また、そういった場所を作りたいとも思っています。

また、具体的なことですと新規事業にも挑戦したいと思っています。今すぐ立ち上げるというよりは、こういう事業があったらいいな…というイメージがありまして、ジャンルでいうと伝統工芸の伝授や地域活性化に繋がる取り組みですかね。やはり小さい頃から見てきた職人さんへの尊敬の気持ちは今でも変わっていませんし、大学生になってテキスタイルを専攻して、染色の工場に行き職人さんと触れ合う中で、職人さんの強い気持ちや表現力に心を動かされました。でもそのことを知ってる人は世界にも少ないと思うので、古くさいと思われがちな伝統的なものを、どうにかデザインの力や、最新技術を作って世に出していけたらと思っています。その取り組みを通して、地域の活性化にも繋げれたら嬉しいですね。

― 最後に、現在も就活を頑張っている学生、また悩んでいる学生にむけてメッセージをお願いします。

平津さん:一番伝えたいのは、自分の気持ちに正直に進んでほしいということです。就活で上手くいくための対策や工夫って、ありのままの自分をどう自分らしく表現出来るかだと私は思っています。入りたい企業があったり、就活をしなきゃいけないという気持ちになると、それぞれの企業の考え方に染まってしまいがちだと思うのですが、そうじゃなくて、本当に自分がやりたいことは何なのか、自分はどう生きたいのか考えることで、自分のビジョンが見えてきて、その強い気持ちがあれば、極論どこに行っても戦えると思います。面接はすごく緊張すると思うんですが、頑張って自分らしさを表現してほしいです。

― 本心を隠さず、自分らしさを大事にして就活に挑んでほしいですね!平津さんお話ありがとうございました。

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株式会社CRAZY

(2016.11.7)

著者

後藤あゆみ

はたらくビビビット編集長。 フリーランスで“『ツクル』を仕事にしたい未来の子供たちのために。”を、コンセプトとして活動。クリエイター支援、スタートアップ支援を行っています。おばあちゃんになるまでに美術館をつくるのが夢です 。

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