ポートフォリオ百科|ゲームプランナー職 有馬 成美さん 

今回ご紹介するのは、株式会社ディー・エヌ・エーでゲームプランナー職に内定した、有馬さんの就活ポートフォリオです。ポートフォリオの提出が必須ではないプランナー職。美大生としての強みをいかし、どのようなデザインのポートフォリオを作成したのでしょうか。
さっそくポートフォリオを覗いてみましょう!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE,AYUPY GOTO

有馬 成美 さん

ありま なるみ

武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科在学
株式会社ディー・エヌ・エー ゲームプランナー職内定

PICKUP!

まず、ポートフォリオのなかで特にこだわった部分を教えていただきました。

ゲームの企画書だからこそ、余白を使って読みやすく



有馬さん:私がポートフォリオで伝えたかったのは、「どんなグラフィックをつくったか」というより、「どんなおもしろい企画をつくったか」でした。なので、余白を広めに取り、文字を読ませることを意識しました。

ひとことで言うと?簡潔明瞭なテキストを



有馬さん:ゲームの企画書は、長ったらしい文章になりがちです。「つまり一言で言うと何なのか」という簡潔明瞭な文章を意識しつつ、ゲームの面白さや作品の良さが伝わる文章を心がけました。

量を見せたい時はレイアウトを工夫



有馬さん:1枚あたり約5分で描いたドローイング「One Hundred Drawings」では、一枚一枚を大きく取り上げてしまうと粗が目立つので、量で見せるレイアウトにしました。

ポートフォリオ一問一答

●このポートフォリオを提出した業界

ITベンチャー、ゲーム業界

●コンセプト

ゲームプランナー的”論理的思考力”と美大生としての”感受性と直感力”の両立

▼CHECK!企画書にはどんな項目を書いてるの?


有馬さんの企画書には、下記の情報が【テキスト】と【グラフィック】で表されていました。読みやすく簡潔にまとまっています。

【テキストで表示】
ゲームのキャッチコピー / (ユーザーの)体験と感情 / プラットフォーム / ゲームのターゲット

【グラフィックで表示】
UIデザイン / ロゴデザイン / コンセプトアート

【グラフィックとテキストで表示】
世界観設定 / キャラクター設定

●ポートフォリオの構成

  • 表紙
  • 自己紹介ページ
  • もくじ
  • ゲーム企画書
    (自主制作及びサマーインターン制作物)
  • インタラクションデザイン
    (ゼミ制作物)
  • 学校課題のドローイング
  • イベント企画・運営
  • 裏表紙

▼ゲーム作品以外の、補足のアピールポイントは後ろの方に掲載。ボリュームは少なめ。


●制作時期

大学2年1月頃に作成を始めてブラッシュアップを重ね、
最終ver.は3年生の12月に完成

●制作プロセス

  1. ゲーム企画書を中心に自主制作を開始
  2. 作品をピックアップ
  3. InDesignでデータ制作
  4. 学校の共用プリンターで印刷
  5. ファイリング

▼1作品見開き2.3ページで、5つのゲームの企画書を載せている。

●制作に使用したソフト

InDesign 、Illustrator 、Photoshop

●印刷 / 製本方法

コート紙を購入し、学校の共用プリンターで印刷 / 既製品の黒いファイルに挿入

●サイズ / ページ数

A4 / 35ページ

▼企画書が多いため、手にとって読みやすいようA4横構図に。

●制作にかかった費用

5000〜10000円ほど

●制作するうえで参考にしたもの

サマーインターンや就活イベントで知り合ったデザイナー、プランナー、人事を含めた社会人の意見

●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス

「誰に見せるために作るのか」を明確にし、その本人に直接アドバイスを貰いながらブラッシュアップを進められたら、これ以上に確実なことはないと思います。私はサマーインターンや就活イベントで知り合ったデザイナー、プランナー、人事の方に、ゲーム企画そのもののことや、ポートフォリオのレイアウトのことなどを尋ねました。
こういった意見をもらうためにも、主体的に行動して信頼と繋がりを得ることが非常に大切だと思います。

▼自身のデザインのコンセプトや「どんなデザイナーになりたいか」はテキストでも記載。


はたらくビビビット編集部より

有馬さんが内定したディー・エヌ・エーさんは、美大生からゲームプランナーを採用する理由として「豊かな感受性と、それを受けての表現力が美大生の強み。加えて、情報設計などのデザイン力、ビジュアルで相手に伝える能力が魅力と感じています。」と仰っていました。
ゲームプランナー職の選考では、ポートフォリオの提出が必須というわけではありません。優れた企画力や思考力、そしてプランを伝える力が求められます。有馬さんは、自分の考えや企画の伝達方法の1つとして、ポートフォリオを面接に持参していたそうです。自分でつくったグラフィックはもちろん、余白の使い方や文字の扱いなど、些細な箇所でも、身についたデザインが強みとして活かされています。
ゲームプランナー職を目指すクリエイティブ系の学生の方は、企画力を身につけることを第一に、学んできたデザインスキルを発揮してポートフォリオを作成してみてはいかがでしょうか。また、プランナーの方にフィードバックをもらえるイベントなどは積極的に活用してみてくださいね。
有馬さん、ご協力ありがとうございました!

有馬さんも活用した!ViViViTでポートフォリオをつくってみる



(2019/07/29更新)

(2018.8.27)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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