誰かの前で作品をお披露目するときには、プレゼンをすることが多いと思います。そんなときに必要となってくるのが「先行研究」の知識です。前知識ナシで作品を作ってしまうと、独りよがりなものになってしまいがちです。専門分野を把握してから制作に取り組む重要性を知っていただくために、「先行研究」について、詳しくご紹介したいと思います。編集・執筆 / AZUSA NIITSU, AYUPY GOTO
目次
- 1. 先行研究とは
- 2. 先行研究を行うメリット
- 3. 先行研究の仕方
- 4. 最後に
1. 先行研究とは
先行研究とは、その言葉通り「先」に「行」われた「研究」を調査することです。
調査する理由は自分の行おうとする研究が、その分野の中において、どの位置にあるのかを知り、それを把握することが目的になります。デザイン系以外にも様々な分野で先行研究は行われています。なぜなら、何かを行うことに対して、先に行われた研究の情報を知る事は仕事上とても大切なことだからです。
2. 先行研究を行うメリット
なぜ、作品を制作するにあたって先行研究を行わなければならないのか、
そのメリットは3つあります。
すでに行われていることを繰り返ししてもしかたがない。
どの仕事をするにしても言えることですが、自分が行おうとしたことに対して、すでに行われていたことを知らず、同じことを繰り返し行ってしまっては価値の無いものになってしまいます。また、その制作にかかった時間も無駄になってしまいます。時間を有効に使うためにも、過去に行われていたことをリサーチしておくことは重要になります。
関心のある分野において、何が分かっていて、何が分かってないのか把握できる。
「この作品が好きだ」と関心を持っている分野があるのは、とても良いことです。
ですが自分の好きな作品だけを理解しているだけでは、偏った知識だけになってしまいます。同じ分野でも知らなかったモノも知ることで、改めて「なぜ多くのジャンルがある中で、この作品に自分は惹かれたのか」など、他との違いを理解することが、自分がその分野の作品を作るときのプラスになっていきます。
専門分野の技術を知ることで、さらにレベルの高い作品が制作できる。
自分の専門分野の先行研究をすることで、「こんな方法もあったんだ!」……と発見につながり、その分野の基礎部分などを理解するができます。そこで今の自分の作品状態を把握することにより、さらにクオリティの上がった作品が考えられるようになります。
結果、これらを把握しておかなければ、独りよがりな作品にはならずに済みます。
客観的に自分の作品を見ることが、特徴を発見するチャンスになり、プレゼンで相手を納得させる内容が説明できるようになります。
3. 先行研究の仕方
では、どうやって先行研究をするのか。探し方はたくさんあります。
まずは、自分の行っていることに関してキーワードを見つけます。そのキーワードをもとに、本屋や図書館に行って何冊か似たような本を読んでみましょう。必ず、同じような内容のものが出てきます。また、専門の方に会って質問しに行ってみたり、スマートフォンやパソコンで検索して調べるのも先行研究になります。できるだけ多く探すことで、必ず同じ情報を何度も目にしたり耳にしたりし、繰り返し情報を得ると理解度が高まります。諦めずに色々なところから情報をキャッチしてみましょう。
4. 最後に
先行研究をすることで、今までと違う別の視点から作品づくりができるようになります。それが新しいモノを産み出すキッカケとなり、価値のある作品づくりができるようになります。また、自分の作品をプレゼンで説明するときは、聞き手よりも前知識の情報を持っていなければ相手を納得させる事ができません。相手のほうが知識があり、自分は知らなかったとなれば、評価が下がってしまうだけです。最初は上手くできないかもしれませんが、繰り返しやっていけば必ず探し方が身に付いてきますので、ぜひ今からでも実践してみてください!
(2016.1.27)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア