デザイン制作を行っていると「ブランディング」という言葉を、授業や仕事のなかでよく耳にしませんか?実はあなたの身の回りにある様々な商品やサービスに「ブランディング」が成されています。「ブランディング」は様々な場面活用できる言葉ですが、今回はデザインの視点からご紹介したいと思います。
編集・執筆 / SHIONE, AYUPY GOTO
目次
- 1.ブランディングって何?
- 2.ブランディングの要素
- -コンセプト
- -ターゲティング
- -ポジショニング
- 3.ブランディングにおけるデザインの役割
- 4.最後に
1. ブランディングって何?
ブランディング(branding)とは一言で言うと商品やサービスの「目には見えない魅力」を様々な手法で生み出すことです。
買い手や利用者側が使い勝手の良さだったり、品質だったり、どこかに価値があると認識している状態を、明確な意図を持ち作り出すことが「ブランディング」です。
2. ブランディングの要素
ある無名の新商品が販売されるとしましょう。同じカテゴリーの競合商品が他にも多くある状態で、売り出しヒットに導くのは難しい状態です。
では、どのようにその商品の魅力を作り出せばいいのでしょうか?ブランディングをしていく上で重要な要素を三つ紹介します。
-ブランディングにおいて重要な三つの要素
コンセプト(concept)
コンセプトとは企画においての元になる考え方や構成のことで「誰が、誰に、何を、どのように伝えるか」を言葉で決めることです。
ターゲティング(targetting)
ターゲティングとは商品やサービスを世に出すときに、どの顧客層を標的にするのかを決めることです。例えば年齢、性別、趣味など、ターゲットを明確にしておくことでその層に的確に響くものを作りやすくなります。
ポジショニング(positioning)
ポジショニングとは自社製品と他社製品との市場での位置付けのことで、自社製品の独自のポジションを築くことを目的としています。これがうまく機能することで、同じカテゴリーの他社製品やサービスとは違う魅力があると消費者に認識を持たせることができます。
3. ブランディングにおけるデザインの役割
ここまでブランディングについての考え方や方法について述べてきましたが、ブランディングの中で大きな役割をもっているのがデザインです。
食品だったらおいしくて、もう一度食べたいと思わせるにはやはりその品質が重要になってきますが、知らない商品と初めて出会ったときに、デザインが素敵だったら手に取ってしまうことはありませんか? デザインがきっかけで、消費者と商品とを繋ぐ入り口になりえるのです。また、デザインが魅力で、実用性がなくともリピートして購入してしまう消費者もいるようです。
<例>スターバックスコーヒー
・コンセプトは「第三の場所」
・ターゲットは「非喫煙者の若い女性」
徹底した品質とイメージ、コーヒーの価格帯は高めでもそれに釣り合った空間作りの魅力。スタバ=おしゃれというイメージが若者の間で根付いています。しっかりとしたブランディングが成されていて、それはコーヒーの品質以上にブランドイメージ、スタバという空間やロゴマークに価値が生み出されています。
ターゲットは若い女性でしたが、男性にも広まり、コンセプトの通りくつろげる場所として、仕事をしている人も多く見られます。
消費者は単なるコーヒー屋さんに行くというイメージではなく、「スタバ」にいくということに価値を見出していると言えます。
このように、ブランディングデザインでは前述した言葉によって定められたコンセプト、ターゲティング、ポジショニングにぴたりと当てはまるデザインが行われることで、デザインにもしっかりと筋が通り魅力あるブランドを作ることができます。
文字で示されたことを視覚化することがブランディングデザインでは重要です。
4. 最後に
いかがでしたか? ブランディングデザインはより良い商品やサービス作りにおいてとても大切な考え方といえるでしょう。
いろいろな種類の商品やサービスが細分化されている今、ブランド力はさらに重要視されるポイントだと思います。
また、学生のうちにも自身の作品制作にブランディングの考え方を活用すると、作品にぐっと説得力を持たせることができそうです。
(2016.2.29)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア