最近街中で見る広告は、ポスターより液晶を使ったものが多くなったように感じませんか?そういった電子表示機器を使った広告を「デジタルサイネージ」と言います。キャンペーンやプロモーションで使われていることも多いので、その注目度はとても高いです。そんな現代に特化した最新型の広告について、今回は詳しくご紹介したいと思います。
編集・執筆 / SHIGEMATSU, AYUPY GOTO
●デジタルサイネージって?
デジタルサイネージとは、液晶を使った広告、電子看板などのことを指します。多くの情報を保持することができ、秒単位で表示内容を切り替え、動画を表示して多様な映像表現を展開できるところが特徴です。電車・街中・公共施設など、さまざまな場所で使われています。近年では紙媒体の広告が少なくなっており、その分液晶を使った広告が増えてきている傾向にあります。ですので、これからの時代に適した街の代表的な広告と言えます。
案内表示としてのデジタルサイネージ
●どういう場面で使われているのか?
空港
飛行機の離陸・到着の時刻を表示し、ゲートの案内をリアルタイムで配信。
時間の変更などの情報を素早く伝えることができる。
駅
駅構内にある広告。テレビ番組の告知や商品のPRなどに使われている。
期間限定でイベントと連動した映像にコラボしている場合もある。
電車
車両広告。CMやコラム、天気情報、停車する駅の情報などを配信している。
レストラン
タッチパネル式のメニューとして導入。注文から精算までタッチパネルひとつ
で完了することができるためとても便利。
デパートや商業施設
フロアマップの中にある記号(エレベーター、トイレ、ショップなど)をタッチすると、
その場所がすぐ分かるようになっている。
緊急時に役立つデジタルサイネージ
災害時、緊急時
災害や震災が起こった場合には、普段は広告として使っていたデジタルサイネージを利用して、緊急時のみ重要な情報を流すことができる。
いろんな場所にある液晶を利用することで、たくさんの人の目に止まり、情報をいち早く伝えることができる。シーンに合わせて使い分けることができるのが特徴。
●注目されている活用方法
主に案内表示や商品のプロモーションなどの宣伝で使われる場合が多いのですが、新しい活用法として、最近では最新技術を取り入れた表現が注目されています。
アプリ連動
プロモーションなどで使われていることが多い。
アプリをダウンロードしてその場所で使うと、動きと連動して映像が動く仕組みになっている。
試着体験
液晶画面が鏡の役割になっていて、着たい洋服を選ぶと自分が試着したようなバーチャル体験ができる。タブレットを使ってできるものもある。
顔認証
最近のコンサートで取り入れはじめている方法。
チケットは使わず、顔をスキャンするだけで入場できる仕組みになっている。
●海外と日本のデジタルサイネージの比較
日本のデジタルサイネージの技術が進んでいますが、海外のものと比較してみると、広告としての活用の仕方が少し違うようです。海外では街の一部を巻き込んでプロモーションを行っているユニークな使い方をしている場合が多く、SNSに投稿したくなるようなインパクトのある演出が特徴的でした。一方で、日本ではシンプルに動画広告を表示しているものが多いです。もっとデジタル化が進んでくると、街を巻き込んだ大胆な広告が増えてくるかもしれないですね。情報を確実に伝えるという意味では、日本の広告の方がわかりやすく伝わりやすい印象でした。
海外で実際にあったユニークなデジタルサイネージ
<ピザハット>ピザを実際に作りながら注文することのできる広告
商品を作る工程を、デジタルサイネージを使って体験することができる。
バス停の液晶にバーチャル世界を映し出す広告
実際の風景に合わせた映像を映し出すことができ、その場にいる人がバーチャルの世界に入り込んだような体験ができる。
<洗濯洗剤>見るだけではなく、匂いも感じることのできる広告
映像が流れている画面の前にあるマークを踏むと、香りが出る仕組みになっている。
●最後に
近年では広告のみならず、様々な媒体でデジタル化が進んでいます。それらを上手く活用することで、さらに便利な生活をおくることができそうですね。動画だったり、周りの環境に合わせて動くものだったり、街中にある広告を見て、どのような表現になっているか注目してみると勉強になると思います。デジタルサイネージでより多くの注目を集めることができれば、紙のポスターよりも高い宣伝効果を得られることができます。デジタルサイネージは現代に適した広告ですので、街中で見かけたときはぜひ注目してみてください。
(2016.6.17)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア