皆さんは街中で素敵な広告に出会ったことはありますか?パッと思いつく人はその広告のグラフィックが印象的だったり、キャッチコピーが心に残ったりしているのではないかと思います。今回はそんな広告とコピーライターの関係性や、今まで制作され多くの人の心に残った広告を紹介していきたいと思います。
編集・執筆 / ARAAKEMAYU, AYUPY GOTO
● 広告とは
広告
広告というのは人々に関心を持たせ、商品を購入してもらうために、有料の媒体を用いて宣伝することを言います。広告の表現媒体は様々で、テレビ・新聞・雑誌・web・デジタルサイネージ……など、多数あります。
様々な表現の広告
広告には様々な表現の仕方があります。そんな広告の表現媒体をご紹介したいと思います。
▼ テレビ広告
テレビの放映中に流されるコマーシャル(CM)などを指します。
▼ 交通広告
多くの人が利用する、電車・バス・タクシーの車内外や航空機・船舶などの公共交通機関で掲載される広告のことをいいます。電車広告の場合、電車内にある中吊りポスター、窓上、ステッカー、ドア横など、いたるとこのに広告枠があります。最近では広告貸切電車といった車外や車体全体を広告としてしまうプランや演出が話題になっています。
▼ 新聞広告
指定された広告スペースへ掲載される、グラフィックやテキストをメインとする広告を指します。1ページ全体を使った全面広告や、各紙面の記事の下部に掲載される記事下広告など様々な種類があります。実際に手に持って見てみると、広告としての特徴がわかります。
▼ 雑誌広告
雑誌広告は、ファッション・グルメ・美容・旅行・趣味など生活者の特定のジャンルに特化した紙メディアへ掲載される広告のことをいいます。ジャンルに興味のある人が集まっているため、効率的にターゲットユーザーへ情報を届けることができます。
▼ WEB広告
バナーやメール、モバイルなどインターネット上に表示される広告のことを指します。
ここまで紹介した広告の種類は、ほんの一部にしか過ぎません。現在では、インターネットやスマートフォンが普及し、アプリなど媒体に合わせた効果的な広告が増えています。時代に合わせ、広告の表現は変化し続けています。
● 広告とコピーライターの関係
コピーライターとは
商品や企業を宣伝するため、広告に使用する文言(コピー)を書く人のことをいいます。
【多くのキャッチコピーを生み出したコピーライター】
児島令子さん (参考)あした、何着て生きていく?/earth music&ecology
仲畑貴志さん (参考)目の付けどころがシャープでしょ。/シャープ
尾形真理子さん (参考)好きは、片思い。似合うは、両思い。/LUMINE
広告にはキャッチコピーが使われている
広告にはその広告を見る人により印象付けるために、キャッチコピーが使われていることが多くあります。上記で紹介したようなコピーを聞いたことがある人は多いと思います。その広告を思い出す時に、そのコピーを思い出すほど、コピーというのは広告になくてはならない存在です。
● 心に残る広告特集
つい目がいってしまうヴィジュアルが特徴的な広告
JR東日本 / 行くぜ、東北。
季節が変わるたび駅で探してしまう広告です。写真の自然な美しさと、文字のレイアウト、構図に目が止まります。「行くぜ、東北。」という言葉は、CMや交通広告などで、耳や目にしたことがある人が多いと思います。
LUMINE
女性の多くが共感してしまうコピーが特徴的なLUMINEの広告。コピーのタイポグラフィも印象的な作品です。写真やヴィジュアルの色彩も美しく、目を引きます。LUMINEの広告が好きという女性は多いのではないでしょうか。
小学館 / こくご、さんすう、りか、せかい。
毎日広告デザイン最高賞に受賞された作品。ランドセルの中身が「世界」に繫がるという発想が素敵だと思います。
KIRIN
KIRINのビールの中吊り広告です。この広告は電車に乗って目にした時にとても印象に残ったのを覚えています。商品の写真と背景のヴィジュアルでその商品の世界観が伝わる広告になっています。
東京2020 みんなの挑戦
2020年東京オリンピック広告。構図がとても美しくグラフィック性の高い広告です。
心に残るキャッチコピーが特徴の広告
新潟清酒 吉乃川株式会社 / 東京新潟物語
ストーリーのある広告、吉乃川株式会社「東京新潟物語」。この広告しっかりとした設定があります。主人公は新潟生まれの女性。東京の男性と結婚して、東京で暮らしています。シリーズとして第3まで作られていて、まるで物語のような広告として見る人の心に残ります。
集英社 / ナツイチ2016
「こころは、言葉のとおりみち。」というコピーに目がいく広告です。本という直接的な言葉がなくても、本を読みたくなる気持ちにさせるコピーになっています。
高島屋 / 物語は、世田谷から。
高島屋のマークとコピーの「物語は、世田谷から。」がとても印象に残る広告であると思います。この一枚でこれまでの高島屋の歴史が伝わります。第62回日経広告賞のコーポレートブランド賞最優秀賞を受賞しています。
味の素 / 伝家の包丁。
包丁の形に置かれた野菜にはそれぞれ違う包丁の切り方で、野菜の切り方の説明が丁寧に書かれていて、伝家の包丁の魅力が伝わってくる広告です。コピーは「伝家の包丁。」という一言、広告に書かれている文章一つ一つがとても重要になっています。
● 学生も参加できる広告デザインコンテスト
朝日広告賞
朝日広告賞は1952年から行われ歴史あるコンテストです。紙面に掲載された広告を対象とする「広告主参加の部」と、若きクリエーターが腕を競う「一般公募の部」と分かれていて、企業側から出された課題を自分で選択し広告に落とし込みます。応募総数が1306点という、多くの学生やクリエーターが応募するコンテストに挑戦してみるのも良いと思います。受賞作品が載っているので是非見てみることをおすすめします。
( 2016年度の募集期限は終了しています。 )
JAGDA学生グランプリ2016
このデザインコンテストは1年に1回年齡や学年を超え、すべての学生作品の中から最優秀作品を選出するポスターコンペティションです。今回は「SNS」をテーマに出題されていました。美大生や専門学生、美術大学以外の大学生など幅広い同年代の人たちと作品を並べることができます。アート寄りな作品も多く、デザイン系の人だけでなく、広告・ポスターに興味のあるファイン系の学生にもおすすめです。
● 最後に
いかがでしたか?みなさん一度は目にしたことがある広告があったと思います。その広告にはビジュアルと文言(コピー)の二つが組み合わさり、一つの広告として私たちの心に残るものとなっています。
現在学生や若手クリエーターを中心とした、広告のコンペてションも多く開催されているので是非自分の力を試して見ると良いと思います。素敵な広告を生み出すためにも、街中にあるたくさんの広告に目を向けるようにしましょう。
(2016.8.6)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア