今身につけている服、部屋のカーテンやテーブルクロスなど……わたしたちの身の回りにはテキスタイルデザインがあふれています。日常を彩るテキスタイルデザイナーの仕事とは、いったいどのようなものなのか?ご紹介したいと思います。
編集・執筆 / SHIONE, AYUPY GOTO
目次
- 1.テキスタイルデザインとは
- 2.テキスタイルデザイナーになるには
- 3.活躍する注目テキスタイルデザイナー紹介
- 4.コンペティション
- 5.最後に
1. テキスタイルデザインとは
テキスタイルデザインとは、服飾・インテリアにおける織物のデザインで、簡単に言えば布のデザインを指します。
柄のデザインだけではなく、生地の素材・加工方法・配色など見た目から機能に至るまでが含まれます。
服やインテリアはすべての人が常に触れているもので、テキスタイルデザインは生活の中でとても身近なデザインのひとつです。
2. テキスタイルデザイナーになるには
専門知識、技術が必須となる職業なので、大学や専門学校でテキスタイルデザインを学ぶことが一般的です。
就職活動の際にはポートフォリオが必要になってくるのでしっかりと自分の作品を作っておく必要があります。
テキスタイルデザイナーに必要なスキル
テキスタイルデザイナーの仕事は、ファッションデザイナーのデザイン画から素材を選び、糸の織り方や染色、加工法を考え生地を作り、自らテキスタイルのデザインを描き、新しい生地を生み出すこともあります。
テキスタイルデザイナーは企画から製造までを一貫して手がけます。
ですので、デザイン画やクライアントからの依頼などイメージを形にする力や、織や染に関する知識、そして流行合った配色や模様を生み出すセンスが必要です。
活躍の幅
アパレルメーカーや繊維メーカー、インテリアメーカーの企業内で活躍するインハウスデザイナーが多いです。独立することは稀ですが、フリーランスで仕事をしている方もいます。
また、テキスタイルデザイナーと一口に言ってもその手がけるものは多岐に渡っており、この世に出回っている布地のものは全てといっても過言ではありません。
3. 活躍する日本のテキスタイルデザイナー紹介
ここでは、今日本で活躍中のテキスタイルデザイナーを紹介していきたいと思います。
40年以上最前線で活躍する京都出身のテキスタイルデザイナー
● 脇阪 克二さん ( わきさか かつじ )
脇阪克二さんは日本人初のフィンランドのブランド「marimekko」のテキスタイルデザイナーとして活躍したのち、現在は京都のオリジナルファブリックを中心に展開するブランド「sou・sou」のテキスタイルデザイナーとして、70歳を超えた現在も最前線で活躍しています。
URL:http://www.icenter.co.jp/pikkuboboo.htm
こちらは1975年に脇阪さんが手がけた「ブーブー」というデザイン。現在まで長く愛されるmarimekkoの定番の一つとなっています。
URL:http://xn--n8j7a259whwb3v3h.com/product/8946
「sou・sou」と「クアトロガッツ」というブランドのコラボ財布。このように和装だけではなく、ユニクロをはじめとした様々なブランドとコラボレーションしています。
鮮やかでユニークな配色!マリメッコやムーミンに関わるデザイナー
● 鈴木 マサルさん ( すずき まさる )
企業を経て1995年にフリーとして活動、その後自身のブランド「OTTAIPNU(オッタピイヌ)」を立ち上げました。
2010年から「marimekko」のデザインを手がけ、ムーミングッズのテキスタイルデザインを手がけるなど国内外で活躍されています。
URL:http://www.fashion-press.net/news/gallery/10438/193453
URL:http://www.fashion-press.net/news/gallery/9609/169067
力強く、ダイナミックな構図と深みのある色使いが特徴的です。モチーフもとてもユニークで、見ているとわくわくしてくるデザインがたくさんあります!
あたたかな風合い感じる手刷りの生地
● nocogou ( ノコゴウ )
日々の生活の中で見つけた「心地よい形」をモチーフに、ご夫婦で作っているブランドです。
生地はすべて手刷りで、版を一色毎に用意して作っています。時間をかけて作られたあたたかい雰囲気を感じることができます。
URL:http://nocogou.tumblr.com/
URL:http://nocogou.tumblr.com/
丁寧に手で刷られた模様から暖かさと、作られたおふたりの人柄が透けて見えるようでほっこりしますね
絵柄が変化する!?ユニークで楽しい独自のテキスタイルの世界
● 氷室 友里さん ( ひむろ ゆり )
テキスタイルってなんて面白いんだろう!と思わせてくれる遊び心いっぱいの作品が印象的です。
ネクタイ専門店「giraffe」のデザイナーをしながら、個人のテキスタイルデザイナーとしても活動されています。
裏表で柄が夏から冬に変わるとても楽しい布地です
こちらは生地の上をふわりと覆っている糸を、チョキチョキ切ると……なんと下に隠された恐竜を発掘できてしまうという布。動画は必見です!
4.コンペティション
ファッションのテキスタイルデザイン専門コンペティションサイト
ファッションブランド「merlot(メルロー)」が展開しているサービスです。こちらは毎月テーマを出題されて、コンテストに集まった作品の中から最優秀作品を選出し、それが実際の商品になり販売されるというものです。
学生のうちに実際にブランドから出る商品のデザインを手がけられたら、貴重な経験になること間違いなしですね!
『atelier circus』
http://ateliercircus.com/
5.最後に
テキスタイルデザインは誰かの一番そばに、当たり前に存在するデザインを手がける魅力的な職業です。
そして、時代と一緒にテキスタイルはどんどん変化していくもので、その歴史も一緒にみてみると面白いかもしれません。自分の身の回りを見渡して、テキスタイルデザインを意識して見てみると新しい発見がありそうですね。
(2016.8.29)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア