動画でも写真でもない?……2017年に入り、不思議で新しいメディアを作れるSNS「Polaroid Swing(ポラロイド・スウィング)」が話題になっています。筆者(Mayu Osaragi)は表現を学んでいる美大生やクリエイターにぴったりなSNSだと感じました。ひょっとすると今流行っているInstagramを凌駕するかも⁉︎今回はたった“1秒”だけ動く写真が撮れる「Polaroid Swing」の紹介をしていきます!編集・執筆 /OSARAGI, AYUPY GOTO
目次
- 1.たった“1秒”だけ動く写真が撮れる『Polaroid Swing』
- 2.Instagramとの違いとは!
- 3.実際にアプリを起動してみよう!
- 4.最後に
1.たった“1秒”だけ動く写真が撮れる『Polaroid Swing』
「Polaroid Swing(ポラロイド・スウィング)」とはアメリカのポラロイド社が開発したワンタップで“1秒”だけ動く写真を作成することができる新感覚SNSです。撮った写真はTwitterやFacebookでも投稿可能で多くの人々に見てもらうことができます。
2016年7月に米国パブリックベータ版としての先行版サービスがで展開されていましたが、ユーザーから大きな反響を受け、正式版リリースとなり、同年12月に日本にも上陸しました。
「Polaroid Swing」は、昨年米国の大統領選挙に出た Hillary Rodham Clinton(ヒラリー・クリントン)や、米国のファッションデザイナーである Zac Posen(ザック・ポズナン)など多くの海外有名人や、日本でもモデルがアカウントを持ち、利用しています。
「う〜ん?写真ならInstagramでも撮れるよ?」と思ったそこのアナタ!待ってください!
「Polaroid Swing」は一味違うのです……。
【Polaroid Swingの公式サイトはこちら】※英語です。
2.Instagramとの違いとは!
Instagramにも「BOOMERANG」というモードがあり、10枚静止画を連写し、それを1つにつなぎ合わせてできるループ動画が人気を集めていますよね。
一見似たような機能ですが、Instagramの「BOOMERANG」と「Polaroid Swing」の写真は大きく異なる点が3つあります。
①人間は静止画ではなく短い動画で記憶している
「Polaroid Swing」の開発者であるトミー・シュタドレン氏はこう語ります。
人間の脳は現実世界を記憶にとどめるときに、瞬間を静止画として、または動画のように長い時間を捉えるよりも、短い瞬間を捉えるようになっています。その人間の脳の記憶に近い1秒間の記憶というものを、高品質で記録することを可能にするために、ポラロイド・スイングを開発しました。
プールに飛び込む瞬間のしゅわしゅわ感、スポーツの種目でゴールを決めた瞬間など、「その時」という限定した瞬間を収めることができるSNSなのです。
私(Mayu Osaragi)も、自分の記憶について考えてみると、確かに、動画のような長期的な記憶でなく、また写真のように動かない静止画でもなく……瞬間的なことを記憶していると感じました。
より人々の記憶に残りやすいよう、動画でも写真でもない新しいフォーマットを開発したんですね!
②より鮮明なイメージを残す
「Polaroid Swing」は、一般的な動画や「BOOMERANG」とはイメージの鮮明さが異なります。
「BOOMERANG」が10枚のパラパラアニメーションなのに対し、「Polaroid Swing」のイメージは特殊なアルゴリズムを採用することでなめらかな動きを実現してくれます。
実際に私が撮影した写真があるのでご覧ください!※どちらもiPhone6で撮影しました。
Instagramの「BOOMERANG」で撮影したもの
「Polaroid Swing」で撮影したもの
鮮明さは圧倒的に「Polaroid Swing」の勝利!
「Polaroid Swing」は“1秒を鮮明に”というコンセプトがはっきりと伝わってくる仕様となっています。
③動きに“インタラクション”する写真
「Polaroid Swing」の写真は、画面をスワイプ、またはiPhone自体を傾けることで静止画が動き出します。(PC上ではカーソルを左右に動かすと写真が動きます。)ここに埋め込まれている画像も“動く”のでぜひ試してみてください!
ループした動画を受動的に見るだけでなく、自分で動かして写真を見るという“能動的”な行動を加えることによって、また違った写真の楽しみ方ができます。固定された時間軸が存在しないので自分の時間でイメージを記憶できます。Polaroid Swingは新しい写真鑑賞の仕方を提案しているのです!
このように、Instagramとは違った楽しみ方ができることがお分かりいただけたかと思います。
3.実際にアプリを起動してみよう!
「Polaroid Swing」ですが、どのように起動して写真を撮るのか、使い方も気になりますよね?
ダウンロードから写真撮影までのフローをここで紹介します。
①iTunes(App store)※でダウンロードする
「Polaroid Swing」は、現在iTunesのみでダウンロードができます。Android版は後にリリースされる予定のようです。
Polaroid Swingをダウンロードする
②ログインをする
「Polaroid Swing」では、TwitterやFacebookのアカウントでもログインできます。また、「他のSNSとはアカウントを分けたい」という人はメールアドレスでの登録・ログインができます。
③“1秒”の写真を撮ってみる!
早速写真を撮ってみましょう!撮影はいたって簡単。中央の丸いボタンをタッチすれば撮影できます!ピントを合わせたいところにタッチすればピントが合います。
④フィルターも駆使してみよう!
フィルターを使うとまた違った印象の写真を撮ることができます。フィルターの種類は5種類あります。指を上下にスワイプするとフィルターが変化します。
⑤こんな写真が撮れる!
フィルターやタイマー、切り取る場面の組み合わせでかなり独創的な写真を撮ることができます!たった“1秒”であっても強烈な印象を与えることができるのです。新宿で人々が歩く様子も、車が走る瞬間も面白く写ります。プリンの写真を見た時、スプーンを入れた時の弾力感を鮮明に思い出しました(笑)。
そして、「Polaroid Swing」を使うにあたって、意外性のある写真を撮るコツがあります。それは「逆再生すると不自然なもの」を撮影するということです。例えば、落下するもの、形を留めないもの、二度と元に戻らないもの……などです。これらを撮影してみると、普段気づかない面白さに気づくことができるのではないでしょうか。
4.最後に
「Polaroid Swing」はワンタップで“1秒間”動く写真を作成することができる新感覚SNSです。このSNSは大衆向けというよりかはクリエイターのような、普段から芸術に慣れ親しんでいる人が使うのにピッタリではないかと思いました。
というのも、Instagramはメッセージや絵文字で写真を装飾できたり、ライブ配信ができたりと多彩な機能が搭載されていますが、「Polaroid Swing」は“1秒”という時間にどれだけ人にインパクトを与えられるか……というシンプルな機能しかありません。たったこれだけの機能ではありますが、どんな“1秒”を切り取るかによって無限の可能性を秘めています。新しいフォーマットそのものだけで勝負ができるという点が「伝える」という仕事や勉強をしているクリエイターにとって、面白く映るのではないでしょうか。
また、鑑賞者としての視点に立っても、インタラクションする写真は画期的で鑑賞者を飽きさせない工夫が詰まっていると思いました。
Instagramでは物足りないというクリエイターの皆さんにぜひ使って欲しいサービスです!
(2017.9.27)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア