店頭で売られている物を買う時、どういう経緯で作られたのか気になったことはありませんか?マーケティングとは、商品を1から考える仕事です。市場について調査をしたり、広告を使って宣伝したりすることを通して、どうやったら売り上げが伸びるのかを考え、提案しながら完成品へと作り上げていきます。今回は商品の開発部分に関わる、マーケティングとはどういう仕事なのか、詳しくご紹介します。
編集・執筆 / SHIGEMATSU, AYUPY GOTO
目次
- 1. マーケティングとは
- 2. 仕事内容と求められているスキル
- 3. どんな人が向いているのか
- 4. 知っておきたいマーケティング用語
- 5. 最後に
1. マーケティングとは
マーケティングとは、商品を企画する時、どんな人にどういう物を提供するのか?を考える仕事です。その際、好みや流行についてはもちろん、ターゲットは誰なのかを意識する必要があります。そして、市場の動向を探りつつ、顧客の立場になって細かく考察しなければいけません。効率的に商品を売るための戦略を考えられるのかが重要になってきます。
2. 仕事内容と求められているスキル
●仕事内容
仕事内容は大きく3つに分けられます。
リサーチからプロモーションまで幅広い業務を行います。
・市場調査
…どんな商品が売れているのかを調べて、その売れ行きと傾向を調べます。
・商品の企画
…リサーチをもとに、新しい商品の企画を考えます。
・販売促進
…宣伝とプロモーションを通して、商品が効果的に売れるようにアピールします。
●求められているスキル
基本的にデータの分析をたくさん行うので、Word、Exel、Powerpointなどの基本的なパソコンスキルが使えると仕事をする上でとても有利です。
あとはアイデアと発想力が求められます。
その他に、マーケティングの業務を行う際に持っておくと役立つ資格があるのでご紹介します。
マーケティング・ビジネス実務検定
この検定は、マーケティングに関する知識やスキルを身につけるための資格です。仕事で役立つ実務と知識が問われます。レベルがA、 B、Cの3段階あり、C級が定型業務をこなすことができるレベルで、B級が業務の応用、A級が戦略、管理、判断業務といったように、レベルが上がるにつれて難しい内容になっていきます。C級を理解していれば、大体の業務をこなすことができます。
ネットマーケティング検定
最近ではwebを中心として、市場調査やリサーチが頻繁に行われています。なので、インターネットとマーケティングとの関わりがとても重要になりつつあります。こちらの検定の出題内容は、マーケティングからネットに関する基本的な知識から経営戦略まで幅広い範囲が問われます。
3. どんな人が向いているのか
商品を効率的に売るためにいろいろなことを詳しく考える必要があるので、情報やデータを集めたりするのが好きな人に向いています。新しいものを作るという点では、常に最新の情報を追っている必要があります。最近ではインターネットを使ったマーケティングも行われているため、たくさんの情報を仕入れることのできる人材が求められています。その際重要になってくるのが、3C分析です。聞いたことのない言葉かもしれませんが、3C分析とは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字を取ったマーケティング用語で、業務をやっていく上でとても大切になってきます。相手の立場に立って物事を考えることができ、かつ自社の良いところを生かして、価値を提供できるという人はマーケティングの仕事に非常にマッチしています。そういった点で考えると、美大生の人は相手(見る人)の立場に立って制作をしていると思います。なかなか客観的に物事を見る力がないと、企画を考える時に気づかない部分もたくさんあると思います。マーケティングではそういう相手の目線になって考えるということに重点を置く必要があります。なので、ものづくりが好きな美大生に合っている職種だと思います。
4. 知っておきたいマーケティング用語
あまり聞き慣れないものも多いかもしれませんが、知っておくと便利なマーケティング用語について紹介します。
ちなみにこちらの用語はマーケティング以外の経営や営業などの業務でも使う場合があります。
・SWOT分析
…企業を外部環境と内部環境に分けて評価、分析をすること。
4つの頭文字はStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅
威)、を表している。
・Cookie
…サイトを利用した人がwebブラウザを通してコンピュータに一時的にデータを保
存する仕組みのこと。
・マーケットイン
…企業がニーズを優先して企画を考え、開発をし、作る製品のこと。
・ユニークユーザー
…特定のwebサイトにおいて、何人の人がページを訪れたか分かる数のこと。
・バズマーケティング
…口コミで伝えていくマーケティング手法。バズ(Bazz)は蜂がブンブン飛ぶ音のこ
とを意味します。
・5W1H
…5WのWはWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)
の頭文字を、1HのHはHow(どのように)を表している。
・STP戦略
…マーケティングの基本的なフレームワーク。フィリップ・コトラー博士が提唱し
た、市場を細分化し、その中からターゲットを決めてベネフィットすることを指
す。
・スポンサーシップ
…企業やブランドが社会、文化、芸術、スポーツ、エンターテイメントなどのイベ
ント活動の支援者、後援者になること。
・パーソナライゼーション
…顧客のいろんな情報をもとに、その人にあった情報を提供するという戦略。また
は技術。
・顧客データベース
…企業がPC上に収められた顧客の情報を管理するためのデータベース。データに
は、名前、住所、性別、年齢、趣味、興味、世帯情報などが含まれる。
5. 最後に
1つの新しい商品が出来上がるまで市場調査から販売促進まで、マーケティングの仕事があってこそ出来上がっています。いかに顧客に満足してもらえるか、ヒットをするものを生み出せるかが重要になってきます。1から作り上げたものが形になった時は作品を仕上げるのと同様で、とてもやりがいを感じると思います。マーケティングに興味を持った人は普段からこの商品はどんな人を対象に作られたのか、考えてみるのもいいかもしれませんね。
(2016.6.10)
著者
はたらくビビビット
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