サービスデザインって何?|仕事百科

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デザイン業界には、「グラフィックデザイン」「Webデザイン」「プロダクトデザイン」のように、細分化された様々なデザイン分野が存在します。今回はその中でも欧州を中心として広がってきている「サービスデザイン」についてご紹介します。
編集・執筆 / Haruna Kawanabe, AYUPY GOTO

目次

  • 1.サービスデザインについて
  • 2.どんなことをするの?
  • 3.デザイナーがデザインしているもの
  • 4.こんな人にオススメ!
  • 5.最後に

1.サービスデザインについて

「サービスデザイン」とは、物を作るデザインとは違い、事象をデザインします。
サービスデザインは事象内で起こる体験を中心的に考えます。ユーザー体験を想定するUXデザイン(ユーザーエクスペリエンスデザイン)と似ているようですが、サービスデザインは事象に関わるスタッフや委託業者すべての関係を想定し、視覚化するデザインです。
もともとはマーケティングや経営の領域の一部とされていましたが、1980年以降からドイツの美術大学を中心に欧州へ広まり、2004年頃にサービスデザインの国際機関が設立されました。そして、2013年には機関の日本支部もできました。
現在積極的にサービスデザインを導入しているのは、デジタル技術を生かした新しいインタラクションコンテンツやサービスを考えるUXデザイン、政治や公共サービス、コミュニティのありかたについて考えるソーシャルサービスのデザイン、サービス経済や商品開発、都市開発など価値を想像して市場に組み込むビジネスデザインの3つです。

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2.どんなことをするの?

上記で紹介した3つの領域は、デザインする内容が異なります。しかし共通して価値と関係を視覚化しプロジェクトでイメージを共有させることがサービスデザインの仕事です。
サービスデザインの特徴は、関係者の関わりを想定することです。プロジェクトの大きさによってサービス関係者の規模は変わり、外部の協力が必要になる場合があります。それが新規事業だった場合は、今まで関係を持ったことのない相手と新しいことに取り組む可能性があります。相手に自分たちが抱いているビジョンや考えなど情報共有をする手段としてサービスデザインの考えは有効とされます。
さらにサービスデザインはビジネスの根幹にも関わります。例えば利益です。利益は金銭だけでなく土地や今後の発展に関わる利益もあります。そういった価値のビジョンを視覚化できるようにデザインすることもサービスデザインです。

サービスデザインの説明動画

3.デザイナーがデザインするもの

ペルソナ

「ペルソナ」とは、ターゲットユーザーの中から1例としてユーザー像を作る手法です。性別年齢から家族構成までとことん設定し、カスタマージャーニーマップやストーリーボードの完成度を上げます。

カスタマージャーニーマップ(CJM)

「カスタマージャーニーマップ(CJM)」とは、提供される事象を体験すると仮定した場合のユーザーの行動と心情変化をインフォグラフィック化したものです。
ストーリーボードよりもユーザーの心情が一目でわかりやすくデザインされた物です。

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ストーリーボード

「ストーリーボード」とは、“ユーザーストーリー”とも言われ、ユーザーがその事象を体験すると仮定した場合のシーンをイラストや映像などに視覚化したものです。ビジュアル化することで、カスタマージャーニーマップよりもサービスの流れが把握しやすいです。

ステークホルダーマップ

「ステークホルダーマップ」とは、ユーザーだけではなく事象に関わるスタッフや仲介業者、委託所の動きや利益、関係性をインフォグラフィックスとして視覚化したものです。その情報から効率やメリットを検討し、プロジェクトに必要な規模を把握できます。

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4.こんな人にオススメ!

サービスデザイナーは、既存のサービスクオリティを上げることはもちろん、新規事業でも必要とされる存在です。
新規事業では、会社にとって新たな市場を開拓し、新しいなにかを考えることが仕事です。そのため、ジャンル問わず多くのものを制作してきた人、人間観察が得意な人、リサーチスキルが高い人、経営に興味のある人にオススメです。
また、サービスデザインは、マーケティングにも関わる仕事です。人の話を正しく理解するコミュニケーション能力や、ユーザー体験ばかりを追いかけない経営的思考が求められます。中でもマーケティングのような問題発見力、観察力、考察力、などロジカルな考えがあると良いと思います。

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5.最後に

サービスデザインは考えの根底として日本にも大きく広がっています。自分のデザインしたものは提供者側によっていないか、ユーザー側によっていないか、その他の関係や利益はどうなっているのか、作品を振り返ると新しい発見があると思います。その発見は今後社会に出てからも活かされると思います。

(2016.7.2)

著者

川鍋春菜

多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 情報デザインコースに 所属しています。UI/UXやサービスデザインについて勉強しています。 趣味はアニメ、アナログゲーム、デジタルゲームなどなど。

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