可愛いだけじゃない!風呂敷の歴史とデザインの移り変わり



みなさんは風呂敷を使ったことがありますか?日常生活では、お弁当を包むときに使っている!という人が多いかもしれません。近年では、お菓子のパッケージや雑貨に使われているのを見かけることもあります。今回は、風呂敷の歴史からデザインまでを細かくご紹介します。実はとても深い歴史がある「風呂敷」について知ることで、今後の見方が変わるかもしれません!

編集・執筆 / HANA HIRATA, AYUPY GOTO

●なんでフロシキ? 〜名前の由来〜


当たり前に風呂敷と呼ばれていますが、そもそもなぜ風呂敷という名前なのでしょうか?
まずは、名前の由来について学んでいきましょう!

「風呂」の「敷物」で風呂敷

時代は鎌倉までさかのぼります。

この時代に、将軍足利義満大湯殿という入浴するための部屋、つまり風呂場を建て、近習の大名が一緒に入浴するようになりました。当時の風呂場は浴槽ではなく蒸し風呂で、床にムシロやスノコ、布などを敷いていました。
その後江戸時代に入ると、現在のような銭湯が誕生します。当時の人々は手拭い、浴衣、軽石などの湯道具を四角い布で包んで銭湯に通いました。この四角い包み布を「風呂敷」と呼んでいたのです。

江戸時代中期には当時の研究者により、風呂敷は以下のように定義されました。

・浴後に敷いて座とするものの名
・風呂の場所に敷きて浴衣にひとしきものの名
・湯上り場所に敷き、また物を包むものの名
・入浴に際し衣服をつつみ、浴後これを敷くものの名
・風呂の敷きもの、足をぬぐうものに似た包みものの名

つまり、「風呂」の「敷物」で風呂敷といった意味があります。現在とは全く違った使い方ですね!

 

●江戸時代に大活躍! 〜使われ方の移り変わり〜

風呂敷の名前の由来はわかりましたね!しかし、当時は風呂場で使われていたのに、なぜ現代ではいろんな場面で使われているのでしょうか?次は、使われ方の移り変わりについて説明していきます。

包みものの総称

蒸し風呂の敷きもの、江戸時代の銭湯と、時代がかわるにつれて入浴作法が変化していきました。風呂敷は風呂で使う包み布でなくても、「包みものの総称」として「風呂敷」という名前が定着していきました。

江戸時代の商業に欠かせない存在に

風呂敷は江戸時代の商業の発展に大きく関わりました。
当時の商人たちは風呂敷に商品を包んで売り歩いていたのですが……、ただの風呂敷ではなく、屋号や商標(現在でいう会社やブランドのロゴマーク)を染め抜いて商売をしていたのです。風呂敷が、ショッピングバッグのような役割をしていたとも考えられますね!

包み方のマナー

明治時代に入ると誰もが「苗字」を持ち、同時に「家紋」を持つようになりました。

家紋とは自分の家系、血統、家柄や地位を表すための紋章のことを言います。家紋は自分の持ち物や風呂敷にも染められました。家紋入りの風呂敷は冠婚葬祭の場面でも使われるようになりました。

慶事や弔事に熨斗(のし)を風呂敷に包んで持ち歩く文化は現在でも受け継がれていますね。右包み、左包みといったようなマナーもあります。覚えておくと今後風呂敷を使う機会に役立ちますよ!

生産減少と風呂敷の見直し

昭和時代に入ると伊勢丹百貨店が紙製手提袋のサービスを始めます。それ以来、様々な百貨店や小売専門店でも同じサービスをするようになり、紙袋による運搬が消費者の間に浸透し、風呂敷の生産は減少傾向になっていきました。

一方で、紙袋が普及したことによってゴミなどの公害も問題になっていきます。この問題を改善するために、風呂敷の使い方をもう一度見直し、「風呂敷でゴミ公害をなくそう!」という取り組みが行われました。

 

●模様にも意味がある! 〜基本的な構図とデザイン〜

風呂敷は包んだとき、開いたときで違った表情を見せてくれます。
基本的な構図としては、
・包んだときにどのように柄が配置されるのか考えられた構図のもの
・広げた状態の美しさ重視のもの

以上の2種類に分けられます。


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●バッグや雑貨に。現在の使われ方

風呂敷の歴史、使われ方について細かく説明してきましたが、続いて、現在風呂敷がどのように使われているのか紹介します!

グラフィック

和柄、和文様に限らず、様々なグラフィックの風呂敷が増えてきました。包むと動物や人の顔になる……なんて遊び心のあるデザインも。


<引用 | http://www.sousou.co.jp/?mode=cate&cbid=666947&csid=14 >



<引用 | http://www.cochae.com >

ラッピング

現在では、多くの風呂敷が贈呈品などのラッピングやパッケージデザインに活用されています。包装紙よりもなんだか温かい印象がありますよね!一回きりでなく、繰り返し使えるという点で、風呂敷はエコなパッケージとしても捉えられます。


<引用 | http://www.musubi-online.com/fs/furoshikimusubi/c/scene08 >


<引用 | https://mypoppet.com.au/makes/tea-towel-furoshiki-eco-friendly-christmas-gift-wrapping/ >


<引用 | https://mamegui.jp/koyomi/index.html >

バッグ

実用的な風呂敷も増えています。こちらは、風呂敷にリングをつけたおしゃれなバッグ!浴衣姿に合わせたいですね。


<引用 | http://otsutsumi-kenkyuusyo.co.jp/publics/index/543/&anchor_link=page543#page543 >

 

●最後に


今回は、風呂敷の歴史から、現在の使われ方までご紹介しました。商人が屋号や商標を入れていた当時から長年の時を経て、多様なデザインが施されるようになりました。
触るとどこかほっとする布のデザインは、年代を問わず愛されるプロダクトだと思います。日常使いしやすいおしゃれなデザインのものもたくさんあるので、店頭で見つけたら、ぜひデザインにも注目して手にとってみてください。
 

(2018.10.22)
ひらた はな

著者紹介

平田華ひらた はな

多摩美術大学情報デザイン学科所属。紙媒体を中心に作品を制作中。
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