合同企業説明会という病。「クリエイティブのしごと展」が壊す、古いクリエイティブ就活

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従来の就職支援企業は、クリエイティブ系学生をメインターゲットとしたサービスを提供しておらず、クリエイティブ系学生の就活は長い間後回しにされてきました。合同企業説明会はその象徴。それでもなお、提供され続ける合同企業説明会ですが、一体なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。クリエイティブ系学生にとって本当に必要な合同企業説明会はどのようなものなのでしょうか。就職支援業界の構造から課題を整理し、ビビビットが新しいイベントを提案します。
編集・執筆 / Shusay, AYUPY GOTO

目次

  • 後回しにされてきたクリエイティブ系学生
  • 合同企業説明会という病
  • クリエイティブのしごと展は何を変えて、何を変えないのか
  • 実はクリエティブのしごと展だけ!クリエイティブ系学生完全特化の就職イベント

注意:この記事では、対比のために「クリエイティブ系学生」「総合職系学生」というグループをつくっています。

クリエイティブ系学生とは…
クリエイティブ職を目指して就職活動を行う学生。クリエイティブの専門教育を受けているか、独学で知識を獲得している。

総合職系学生とは…
総合職を目指して就職活動を行う学生。主に一般教育を受けている学生が該当し、クリエイティブ職のように選考時に高いスキルが求められるわけではない。

後回しにされてきたクリエイティブ系学生

就活とは、つまるところ“企業とのマッチング”です。
そう書くと簡単なことのように思えますが、世の中にはおよそ570万社の企業があります。その中から、自分に会う企業を見つけて、比較し、決定することは容易なことではありません。

 

容易ではないので、学生と企業をマッチングさせるサービスを提供する会社が生まれます。求人サイトや合同企業説明会などのイベントを主催しており、そのような会社を指して就職支援企業(人材会社)と言います。

 

ところが、就職支援企業がターゲットとしてきたのは、これまでずっと総合職系の学生と企業でした。それもそのはずです。ターゲットの多さは、解決すべき課題の多さや需給の多さに直結します。経済合理性の観点から、そちらを狙ったほうが合理的なのです。

 

このような背景をもとに、総合職系学生へのサービスはたくさん生まれました。求人が掲載されるナビサイト、合同企業説明会などがその代表例です。ところが、その背後でクリエイティブ系学生へのサービスは後回しとなっています。なぜなら、端的に言うと儲からないからです。

 

編集部註:クリエイティブ系の企業は全国におよそ9,900社。全国社数およそ570万社における構成比はおよそ0.1%です。そして、クリエイティブ系就活生は全国におよそ4万人。全就活生56万人に対する構成比は7%ほどです。
(企業数出典:経済産業省のデザイン関係統計資料/学生数出典:学校基本調査)

合同企業説明会という病

サービスの提供が後回しになるということは、クリエイティブ系学生からの意見を汲み取ったサービスが生まれにくくなる、ということです。

 

クリエイティブ系学生のもとには毎年多くのナビサイトの誘いや合同企業説明会の案内が届きます。その多くが、決してクリエイティブに特化しているとは言えない内容です。問題は、総合職向けに提供されていたナビサイトや合同企業説明会を、内容は微調整のみ・名目だけクリエイター向けとして提供されている事実ではないでしょうか。

 

中でも、合同企業説明会はその最たる例です。

合同企業説明会とは……
・複数社が同じ日程で一つの場所に集まり開催される企業説明会
・企業研究的な位置づけ
・就活がスタートする3年生の3月(2年制の場合は1年生の3月)に開催される

 

まとめると、合同企業説明会とは学生にとって「目的は企業研究。会社説明を一方的に、複数社分聞く」という定義で問題ないでしょう。果たして、ここで定義した内容はクリエイティブ系学生にとってメリットはあるのでしょうか。いくつかの課題を提示します。

課題1:一方的に通り一遍の話を聞くことは、専門職には向いていない

合同企業説明会では、促されるままに席につき、なんとなく話を聞くという光景がよく見られます。しかし、なぜ促されるまま一方的に聞かなくてはいけないのでしょうか。会社説明を聞く前に、どの会社の説明を聞こうか判断できるものはないのでしょうか。総合職系学生であれば、一方的に話を聞くこともある程度は問題ありません。なぜなら、総合職系学生がどのような仕事をするかは入社後に決まるからです。とすると、話を聞く前に企業を選ぶ判断する方法は限られます。したがって、話を聞きながら就職や社会への理解を深めるというステップは合理的であり、合同企業説明会が就活の一歩目として提供されていることは、まんざら外れているわけでもないのです。

 

ところが、クリエイティブ系学生がクリエイティブ職として入社した場合、クリエイティブを仕事にすることがほぼ確定します。とすると、企業選択において、どのようなものづくりをしているのかが大きな判断軸になってきます。そのような状況で、上述したような定義の合同企業説明会は果たして有効な手段なのでしょうか。

課題2:一人ひとりにもっと時間を使うべき

企業のクリエイティブ職新卒採用人数は、多くの企業が毎年5名以下です。そのような少人数採用であれば、多くの人に決められた時間内で一様な話するというのは企業にとっても最適ではないのでは?という疑問が生まれます。前述の通り、合同企業説明会では企業の持ち時間が決まっています。その中で、ターゲットを「来場者」と広く設定した話を展開することが合理的となってしまうため、クリエイティブ系学生にとって知りたい情報の比重が下がる可能性をはらんでいます。

課題3:クリエイティブな雰囲気を感じない

合同企業説明会はスーツ着用が基本です。実は、合同企業説明会を主催する各社は私服を推奨しているのですが、実際に足を運ぶと来場者のほとんどがスーツであることに驚きます。クリエイティブ職は、ほとんどの場合入社後私服勤務です。これは合理的なのでしょうか。冒頭でも書いた通り、業界研究であればもう少しクリエイティブな雰囲気があっても良いはずです。すなわち、展示やワークショップなど、手を動かしてものをつくっていく専門職にとって、ふさわしい未来の光景を提示する必要があるのではないでしょうか。

 

背景と問題点をいくつか提示しました。いわゆる合同企業説明会が、クリエイティブ系学生にとってはいびつな仕組みであることが見えてきたのではないかと思います。

 

クリエイティブ系学生のニーズは、どこへいってしまったのでしょう?彼ら/彼女らのニーズが汲み取られていないサービスとなっている合同企業説明会。病の正体は、まさしくニーズの不在と言えそうです。

もっとクリエイティブに就活は行えるはず

“それまで制作に明け暮れていた学生が、就活時期になると髪を黒く染め、スーツを着て合同企業説明会に赴く”

 

そのような光景が、以前は多く見られました。しかし、クリエイティブ職として入社した後は私服勤務なのです。スーツを着る、合同企業説明会に参加する、ナビサイトへの登録会が授業内にある―――これらは、クリエイティブ職の実態に合っていない不合理なものです。

 

ここまで見てきた通り、合同企業説明会は基本的にクリエイティブ系学生にとって相性の良くないサービスです。しかし、詳しくは後述しますが合同企業説明会には就活のきっかけを掴んだり、企業を一気に比較できるといった利点も存在します。

 

利点を残しつつ、もっと、クリエイティブに就活は行えるはず、です。

クリエイティブのしごと展は何を変えて、何を変えないのか

実はビビビット社も、これまで合同企業説明会を開催してきました。ここから得たクリエイティブ系学生の声の中でもとりわけ大きかったものが、「会社説明はサイトを見ればある程度分かるので、もっとクリエイティブに特化した話が聞きたい」というものでした。

 

そこでビビビット社は、ここまで挙げてきた合同企業問題点の解決を試みるイベント、「クリエイティブのしごと展」を開催します。内容に移る前に、クリエイティブ系学生にとっての合同企業説明会の問題点と利点を整理してみます。

 
 

問題点

1. 通り一遍の話を聞くことはクリエイティブ系学生向きじゃない
2. 採用人数が少ないのであれば、個人への時間を多めにとるべき
3. クリエイティブな雰囲気がしない

 

利点

1. 就活のきっかけが掴める
2. 思わぬ企業に出会える
3. 企業を一度に比較できる
4. 就活の進め方が分かる

 
 

それでは、利点を残しつつ、何を残して何を壊したのかを解説します。

 

クリエイティブのしごと展は、体験型展示です

問題点3を解決します。
合同企業説明会の良さを残した展示です。企業の制作物やポートフォリオの展示をメインコンテンツとし、ワークショップなどのサブコンテンツも含む体験型の展示を通して就活をスタートできます。

クリエイティブのしごと展では、作品から企業を選択できるようにします

問題点1を解決します。

つくりたいものを見つけて企業の説明を聞く、という流れには一定の論理があります。200作品以上、グラフィックデザインから建築まで多様な作品群から気になる作品を見つけ、そばで待機するクリエイターや採用担当者に気軽に質問ができます。

展示やワークショップを通して、より濃密なコミュニケーションが取れるようにします

問題点1, 2を解決します。

展示全体を通して、クリエイターや採用担当者との個別コミュニケーションが取れる機会を多く用意しました。なかでも、ワークショップは手を動かしながら、コミュニケーションを取りながら仕事への理解を深められるコンテンツとなります。

大量のポートフォリオを展示します

問題点3を解決し、利点4を活かします。

出展各企業の若手クリエイターや、ビビビットを利用して就職活動が成功したクリエイターがポートフォリオを出展します。その数50冊以上。ポートフォリオの方向性を見出すには最適なコンテンツです。

クリエイティブ系企業が、一度に30社以上出展します。思わぬ企業に出会うきっかけとなります

利点1, 2, 3を活かします。
合同企業説明会の良い部分はそのままに、就活のきっかけや思わぬ企業を知る機会を掴めます。
参加企業は京都会場、東京会場合わせてなんと50社超!そのすべてが、自社で手がけているクリエイティブを展示します。また、合同企業説明会への企業出展は通常とても高額です。クリエイティブのしごと展では、企業の出展料を限界まで下げることによって、参加企業も増えているため、普段合同企業説明会では出会えない企業にも会うことができます。

京都会場出展企業抜粋
アクアリング/アドウェイズ/アビリティコンサルタント/いろは出版/インテリアエース/インテリジェントシステムズ/エイチーム/大谷工夢店/カイカイキキ/KLab/コナミグループ/サイバーエージェント/たき工房/ディー・エヌ・エー/DMM.comラボ/ディンプス/Donuts/ドリコム/日本ビジネスアート/バンク・オブ・イノベーション/バンダイナムコオンライン/フジプラス/ポノス/マーブル/メトロ/メンバーズ/ヤフー/山崎実業/ユナイテッド/リディアミックス

東京会場出展企業抜粋
アドウェイズ/アビリティコンサルタント/石井建築事務所/インテリアエース/インテリジェントシステムズ/エイチーム/Aiming/オロ/カイカイキキ/キュー/グッドパッチ/KLab/コナミグループ/コンセント/サイバーエージェント/サムライピクチャーズ/たき工房/ディー・エヌ・エー/DMM.comラボ/テレビ朝日クリエイト/Donuts/ドリコム/ナビタイムジャパン/日本ビジネスアート/パラシュート/バンダイナムコオンライン/バンク・オブ・イノベーション/フレイムハーツ/ポノス/メンバーズ/メンバーズキャリア/ヤフー/ユナイテッド/リディアミックス

実はクリエティブのしごと展だけ!クリエイティブ系学生完全特化の就職イベント

実は、日本国内においてクリエイティブ系学生に完全特化したイベントは、ビビビット社の提供するイベントのみです。近しいイベントもありますが、総合職も受け入れているため、完全特化とは言えません。

 

クリエイティブのしごと展は、年に1度、この時期のみ。準備がとても大変なので、たった1回、2会場のみでの開催となります。

 

新しい潮流を、展示でぜひ感じてください。
申込は以下から。

 

https://www.vivivit.com/events/2018-shigoto-ten
(クリエイティブのしごと展特設ページ)

京都会場
1月14日(日) 11:00〜17:30
会場:みやこめっせ

東京会場
2月3日(土) 13:00〜18:00
2月4日(日) 11:00〜17:30
会場: アーツ千代田 3331

(2017.12.20)
Shusay Tanaka

著者紹介

田中秀征Shusay Tanaka

はたらくビビビットのUIデザインをしています。阿蘇のメイスイが好きです。
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