“ZINE”ってなに?手軽に作れる個人誌の魅力

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みなさんは“ZINE”というワードを、聞いたことがありますか。
クリエイティブに携わっている方であれば、課題・仕事・趣味などで紙媒体を扱う機会が多いと思います。自身の作品をプリントアウトしたり、写真を現像したり、紙を使って“冊子”をつくることもあるのではないでしょうか。今回は、そんな紙やデザインに興味のある方にぜひ知っていただきたい、個人で制作する冊子“ZINE”の魅力について考えていきたいと思います。

編集・執筆 /YAMADA, AYUPY GOTO

●ZINE(ジン)ってなに?

先程も少し述べましたが、ZINE(ジン)とは【個人で制作した冊子】のことです。
定義が広く、あまり明確な起源はわからないのが現状なのですが、ZINEと呼ばれるものが誕生したのは、1960年代のアメリカだと言われています。語源は「magazine」(雑誌)。歴史的にはそこそこの長さがありますが、世間にZINEの存在が認知されるほど流行したのは、90年代 ストリートカルチャー全盛期に、有名なスケーターが自身の新たな表現方法として写真やイラストを冊子にしたのがきっかけだといいます。コピー機を使ってプリントアウトし、ホッチキスで止めた簡単なものでしたが、当時新しい切り口として注目されました。

“同人誌”とはどう違うのか。
分類や形式はほぼ同じです。というよりは、個人の捉え方によるのかもしれませんね……。それほどに同人誌とZINEには形式的な境がありません。とはいえ、それぞれ発展した国や扱う内容に違いがあるので感覚的ではありますが、分類を分けることは可能です。

同人誌の特徴
・日本で発展
・二次創作を含む
・イラスト要素が強い
・漫画やイラスト
・サイズが固定気味(B5やA5など)

ZINEの特徴
・アメリカで発展
・オリジナルが主流
・デザイン要素が強い
・写真やエッセイ、コラムが多い
・形、サイズに幅がある

……と、いったように、ざっくりとしていますが、
雑誌に近く、作品集やちょっとしたフライヤーのような内容が主流なのが「ZINE」、漫画が多くイラストを見せる要素が強いものが「同人誌」に多く見られるものかもしれません。(もちろん例外はあります。)

※国によってはZINEはオリジナルのみを意味することがあるので、海外で作品を発表する際の表記には内容に伴い、注意が必要です。

●ZINEの魅力はここ!オリジナル要素をふんだんに盛り込もう

ZINEをつくることにどんな魅力があるのでしょうか。世間が夢中になる理由は……?

★簡単につくれる!

とにかく手軽なこと。ZINEは紙が1つにまとまってさえいればZINEになります。
小学生のときに、手作り冊子をつくった経験がある方もいるかもしれません。こういった、一枚の紙から作ったものでも立派なZINEなのです。

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★オリジナル要素詰め込み放題!

実際に世に出ている雑誌やパンフレットには、ある程度決まりや形式がありますよね。
しかしZINEの場合は自分のすきな形、大きさ、ページ数、レイアウトなど、一から自由です。冊子状であるということを除けば、あとは自分のすきなものにし放題!プリントしたものを使用するのも、アナログな方法で実際に書き込むでも、コラージュでも、自由自在です。

★少量に込める熱量

ZINEの定義として、少量の自己出版というところがあります。実際、シビアな面でも金銭や手数を膨大な量の冊子にかけることは出来ません。ZINEは少量ですがその分、隅々までこだわり抜けるというところにメリットがあります。

★立派な作品になる

数がすくなくとも1つの作品を作ったことには変わりないので、ポートフォリオに収録することももちろんできます。むしろ、こだわりを沢山詰め込んだ愛のある一品、かなり個性が出てよいアクセントになるのではないでしょうか。

★とにかく自己満足

ZINEを作るとき、それは誰かに強要されたときではありません。別に作らなくても誰も困らないのです。なのにZINEを作る、それは大体が自分で自分の好きな事についてまとめよう、なにか形に残そう、という場合ではないでしょうか。
その分、他人の為に動いているわけではなく、自己欲求、自己満足の上に成り立っているものなので、結局は自分が一番楽しみながら作れる、という結果に。
そこから派生し、完成したものに反応を貰えたり、欲しいと言ってもらえたり、販売に発展したり、という場合もあると思います。

●どうやってつくるの?

ではそんなZINE、一体どのように作成するのでしょうか。先程、一枚から作る簡単な例を挙げましたが、特にルールはありません。冊子になっていればZINE!しかし、そんなことを言っても初めて作るときはやっぱりガイドや手本があった方がイメージが湧きやすい……、そういったこともあるかと思いますので、いくつか簡単なつくり方をご紹介したいと思います。

すべては工作の延長線上!楽しくつくろう

オーソドックス!中とじで簡単仕上げ

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ホチキスや糸を使って仕上げるシンプルかつ簡単な方法。
中とじ用のホチキスは、100円ショップでも取り扱っています。

折り方次第で雰囲気が変わる!一枚紙タイプ

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一枚の紙を折って冊子のような形状にするタイプです。
紙だけで仕上がるのでお手軽に作れる&折り方を工夫すればするほど見栄えに反映しやすいです。

業者に頼むのもアリ

もちろん業者に頼んで制作することも可能です。最近はZINE制作にむけたサービスも増えてきています。
少量といえど、手作業には限界のある場合や、高クオリティを維持したい場合など、ケースバイケースです。
目指すものに一番近い方法を選択できます。これもZINE制作の魅力の1つかもしれませんね。

★ネットプリントが便利!
業者に頼むまではいかないけれど、家にプリンターがない、レーザープリンターで出力したい、などといった場合に、この「ネットプリント」はとても便利です。
お家からデータを送信し、近くのセブンイレブンで出力することができます。
パソコンのみならず、スマートフォンからの操作もできるので(専用アプリ有り)、誰でもお手軽に出力作業ができます。また、データは番号によって管理されるので、番号を共有すれば友人や知り合いとのデータ共有も可能に。
https://www.printing.ne.jp

★詳しい製本の違い、仕組みについてはこちらをチェック!
あなたはいくつ知ってる?製本知識をマスターしよう

★紙に特殊加工を施す場合はこちら
特殊印刷ってなに?加工を駆使して作品の魅力をパワーアップさせよう!

●色々なZINEを見てみよう!

世界各国から沢山発行されているZINE。おもしろい作品を少しですが紹介します。

見ても読んでも触っても楽しい、おしゃれなZINE!

★変わった形態でアプローチ!

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http://umamu.jp/prototypebook-ai-sasaki-voyage.html
木箱に入った蛇腹状の作品。高級感がありつつも、ぱらぱらと見進められる感覚がとても気持ちいいです。

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https://pinthemall.net/pin/567f0734dfaa2/
様々なサイズの紙を合わせて製本した作品。内容の美しさ、面白さはもちろん、次々変わる紙の大きさにも楽しめる作品です。

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http://kototsubo.com/works/am10-9.html
三角形の蛇腹状。秋の和歌を扱っているのでそれに沿った紙や加工がされています。一辺3センチの小さな作品。趣がありますね。

ZINEをみたり買ったりするためには……?

ではこのような素敵なZINEをみたり買ったりすることができるサービスも、一緒にご紹介します。


★Nieves Zines

世界のZINEが集ってる!購入も可能なZINE専用サイト
内容をプレビューで見ることもできます。
アプリバージョンもありますが、海外版のみのリリース。
Nieves Zines

★ZINE FES
過去にZINEのフェスを開催!
他にも様々なZINEを購入出来る店舗がまとめられ、ZINEに関しての情報が満載です。
ZINE FES

★pinterest
様々な種類のクリエイティブ作品を見て、リスト化することができる人気サービス。アプリもあります。
ZINEで検索すると沢山の作品例や、作り方を確認することができます。
pinterest

●さいごに

意外と作った事がない方も多いかと思われるZINE。季節の変化に合わせて、思い出をZINEでまとめてみるのもいいかもしれませんね。興味があれば是非一度つくってみて下さい!

(2016.8.23)
Yamada Miyu

著者紹介

山田実優Yamada Miyu

武蔵野美術大学でグラフィックデザインやパッケージデザイン、ブランディングデザインを主に勉強しています。 舞台鑑賞や洋服巡りが好きです。
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