みなさんは新年を迎えるにあたって、2017年のカレンダーを買いましたか? カレンダーは一年中お部屋に飾り、スケジュールやイベントを記録するための大切なアイテムです。カレンダーを購入する際の判断基準とすて、機能面を重視する人もいれば、インテリアとしてのデザイン面を重視する人もいると思います。まだこれから買う人、悩んでる人、アプリのカレンダーがあるから必要ない……と思っている人も、一度こちらの記事を読んでみてほしいです。きっと、カレンダーが欲しい!と思ってしまうはずです。
編集・執筆 / ARAAKEMAYU, AYUPY GOTO
●2017年のカレンダーはもう買った?
みなさんは毎年カレンダーを買い替えていますか。スマートフォンが普及し、アプリのカレンダーを利用する人が増え、紙のカレンダーはもう買う必要がないな……と思っている人がいるかもしれません。しかし、紙のカレンダーなりの良さがあるのです。壁に飾ることで部屋を彩ることができたり、置物としてインテリアの一部になったり、仕掛けがユーモアなものがあったりと、カレンダーを飾ることで私たちの暮らしを彩ることができるのです。
●素敵な2017年度カレンダーをピックアップ
今回は、デザインが素敵なカレンダーをいくつかご紹介していきたいと思います。
グラフィック編
● 「 FOLD 12|’17 」
ページをめくって、付属のクリップで留めるという立体的なカレンダー。今年で6年目を迎えるこのカレンダーですが、今回は折るという新しい仕掛けが組み込まれています。折ることによって一枚の紙が二枚の四角い紙を重ねたように見える仕組みになっているのです。紙のカレンダーの可能性が広がる作品となっています。書体の選定や構図、色彩も洗練されていて、壁に飾るだけで一枚のグラフィックが完成するようなカレンダーです。このカレンダーを制作したのは、キギのアートディレクター 植原亮輔さんです。企業やブランド、ショップなどのアートディレクション、D-BROSをはじめとした商品、デザインなどを幅広く手掛けています。
● 葛西薫 2017カレンダー
無駄のないシンプルな作りのカレンダー。余計な装飾が一切なく、スタイリッシュな見た目が特徴的です。真っ白なカレンダーに紺色と赤色の文字がよく生えています。日にちごとの余白が広く作られ、予定やメモが自由に書き込みやすく機能面も充実しています。このカレンダー制作したのは、アートディレクターとして、数々のCMや広告美術を手がけている葛西薫さん。長きに渡り活動し数々の賞を受賞しています。このカレンダーは、自身が仕事している時に「シンプルで使いやすいカレンダー欲しい」という思いからできたそうです。どの家にも馴染みやすく、一度買ったらまた来年も同じものを使いたくなる、そんな魅力が詰まったカレンダーです。
● JUMP
まるで動物が飛び出して見える!軽やかで動きのある、紙ならではの素材を活かしたカレンダー。紙の自然な垂れ下がる構造を利用して、動物たちが飛び出す仕掛けとなっています。動物の絵は手書きで描かれていて、その可愛らしい表情は子供にも喜ばれるデザインにもなっています。一月一月めくるのが楽しみな、ユーモアのあるデザインですね。
イラストレーターさん編
● Border Line カレンダー 2017
線画のイラストで有名な、長場雄さんが手がけたカレンダー。一本の線が蛇腹の形をしたカレンダーを横断する仕組みになっています。イラストとカレンダーの蛇腹が、上手に組み合わさり、面白いデザインになっています。長場雄さんは、雑誌『POPEYE』の表紙を飾ったことをきっかけに一躍人気イラストレーターとして注目されています。シンプルな線による人物イラストが特徴で、装丁や挿画、広告、グッズ、パッケージなどメディアを問わず様々なイラストを手がけています。
● ieカレンダー 2017
家の形のカレンダー。家の屋根にはまるでテキスタイルデザインのような柄のイラストが描かれています。ポストカードを飾るようにカレンダーで壁を彩ることができる作品ですね。堀口尚子さんは「レトロ印刷の本(手紙社)」の表紙を手がけたりと、書籍から広告、テキスタイルと幅広く活躍されています。
タイポグラフィ編
● Calendar 17
数字一つ一つをすべて異なる形にレタリングされたカレンダー。この数字全ては、デザイナーの鈴木哲生さんが作り出したものです。印刷もカラーではなく白と黒の二色だけですが、タイポグラフィの形がとても印象的で、記憶に残るグラフィックです。装飾的な数字や形態を崩した数字など様々ですが、どの形も線が非常に美しく手で描かれたとは思いません。カレンダーのレイアウトはシンプルなものですが、タイポグラフィに魅せられるカレンダーとなっています。
仕掛け編
● Puzzle
自分で好きな形に組み合わせることができるカレンダー。四角のカレンダーピース6枚と、丸と三角のジョイントピースが6枚がセットになり、自由に形を作り出せます。カラフルな色合いと、作り出した形が部屋を彩るインテリアの一部として成り立ちますね。株式会社グッドモーニングでは、いろいろな形にくり抜かれたパーツを組み合わせてできる、仕掛けのあるカレンダーを多く制作しています。
● 折り折り動物カレンダー 2017
ユニークな回文と折ることで、作り出される形が面白いカレンダー。この画像の三月のカレンダーにはお猿さんの手の部分を折ると、数字の3が見えてきます。重なった下の紙の色を活かしつつも、仕掛けを考えるという、非常に凝ったデザインが印象的です。遊び心のあるカレンダーですね。
● 味のカレンダー
昭和43年創刊の、上質な食文化を追求する”食”の月刊誌、『味の手帖』が手がけている「味のカレンダー」。このカレンダーは、日めくりタイプになっていて、その時期の旬のものを知ることができ、めくっているとおいしいものが食べたくなる、お腹がすくカレンダーです。1日1日めくっていくのが楽しみなカレンダーですね。お手洗いなど、ぽーっと目がいくところに置いてみるのも面白いかもしれません。
● AYATORI あやとりカレンダー
幼い頃に誰もが遊んだ、懐かしい「あやとり」をモチーフにしたカレンダー。カレンダーの吊り下げ紐とあやとりの紐が繋がって見えるユニークなデザインになっていて、懐かしさとユニークさが詰まっています。このカレンダーを制作したSHICOというブランドは、他にも多くのカレンダーを作っています。SHICOは、日本伝統の美しさをカレンダーに閉じ込めた、和を感じさせるものを多く制作しています。
● 365日つながっている ポスターカレンダー
365日が一枚の紙に印刷されている、掛け軸のようなカレンダー。ただの紙ではなく、半透明なフィルム素材にシルクスクリーンで文字が刷られています。また一枚一枚を手刷りで行なっていて、印刷機では出せない、人の手の温もりが感じられるカレンダーです。長いカレンダーということもあって、壁に飾ったらお部屋のインテリアとしてとても映えますね。
●さいごに
カレンダーは私たちの暮らしを彩る大切なものです。今回紹介したものは、ほんの一部。探してみるとデザイナーさんや、イラストレーターさんが手がけた、素敵なカレンダーが沢山見つかるかもしれません。また、このカレンダーをきっかけに、素敵なクリエイターさんたちを知っていただけるとうれしいです。これから新年を迎える準備として、カレンダーを探してみてはいかがでしょうか。
(2016.12.26)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア