クリエイティブ業界で働く先輩に聞く!影響を受けた本・映画

MIDORI

みなさんにはお気に入りの本や映画はありますか?美術やデザインを学んでいる方の中には、美術やデザインに興味を持つきっかけとなった作品との出会いがある方や、素敵な作品に出会うことで創作意欲が湧くという方がいらっしゃいますよね。今回は、クリエイティブ業界で活躍するクリエイターの先輩方に、ものづくりをする上で影響を受けた本・映画についてお話いただきました。
編集・執筆 /YOSHIKO INOUE, AYUPY GOTO

生物の不思議が詰まった図鑑は、制作意欲の源です

渡邉 結希 さん
わたなべ ゆうき

京都精華大学デジタルクリエイションコース卒業。
現在は広告制作会社で3DCGデザイナーとしてグラフィックやムービーを制作。


Q1.ものづくりをする上で、影響を受けた本について教えて下さい。

●昆虫図鑑、植物図鑑、キノコ図鑑、深海魚図鑑など、図鑑全般
幼い頃から図鑑が身近にあり、影響を受けていました。図鑑には、その分野に関する細かい知識や特性など、マニアックな情報がたくさん詰まっています。それを見ていると、自分の中の引き出しが増えて、新しいアイデアがふつふつと浮かび上がってくるんです。


Q2.ものづくりをする上で、影響を受けた映像作品について教えて下さい。

●ジュラシックパークシリーズ

小さい頃、家のソファの陰でビクビク怖がりながらも観ていました。ジュラシックパークの魅力は、恐竜の細かい仕草や筋肉の動き、当時生えていたであろう植物などが驚くほどリアルに描かれているところです。

魅力は語り尽くせない!
影響を受けたのは、仲間との友情を描いた作品

しゃっくさん-min

しゃっく さん

京都精華大学ビジュアルデザイン学科卒。学生時代は、ECサイトを企画・運営する一方、クラブイベントをオーガナイズ。
「もっと多くの人と面白いことをしたい」と思い、面白法人カヤックに入社。


Q1.ものづくりをする上で、影響を受けた本について教えて下さい。

●スラムダンク
中学生の頃に出会い、仲間との友情に影響を受けました。正直、スラムダンクの魅力は言葉で説明できません!
是非、みなさんに読んでみてほしいです。

Q2.ものづくりをする上で、影響を受けた映像作品について教えて下さい。

●弱虫ペダル

最近アニメ版を観たのですが、こちらもスラムダンクと同様、仲間との友情シーンに感動しました。見終わった後、「やはりみんなで一つの目標に向かうことは凄く素晴らしい!」と再確認できました。

きっかけも、後押しも
デザインの道を志す分岐点には作品との出会いがあった

佐々木さん-min

佐々木 梨乃さん
ささき りの

京都市立芸術大学美術学部デザイン科プロダクトデザイン専攻卒業
西川リビング株式会社 勤務 MD Design Lab. デザイナー
眠活ブランド mionno の総合デザイン 商品開発から営業までできるデザイナーを目指し中


Q1.ものづくりをする上で、影響を受けた本について教えて下さい。

●きいろいばけつ
保育園の時に出会った絵本です。とにかく絵が好きでたまりませんでした。「自分がものを選ぶ基準はビジュアルが好みかどうかだ」と意識したのも、この絵本と出会ったことがきっかけです。また、デザインの道を志したきっかけの作品でもあります。そこから15年くらいイラストレーターを目指したことで、現在の自分があると思います。

Q2.ものづくりをする上で、影響を受けた映像作品について教えて下さい。

●イエスマン “YES”は人生のパスワード

進路や自分のあり方について考えていた高校生の頃に観た映画です。私はもともとイエスマンで、そのせいで自分を追い込んでしまうことがあったのですが、この映画はそんな自分を肯定してくれたように感じました。今たくさんの経験が出来ているのは、「何事もまずはYes!肯定してやってみる」という、自分のあり方を肯定できたからだと思います。

●風立ちぬ

入社一年目の、書き直しても正解がわからない設計図とひとりで格闘し、でも好きだから続けられる…と、もがき苦しんでいた時期に観ました。この映画から、ものを生み出すには、覚悟とひたむきな熱意がどれだけ大事かを学びましたね。

面白い表現は、どんな視点から見ても面白い!

柳田さん-min

柳田 義幸さん
やなぎだ よしゆき

株式会社エレダイ2 ディレクター。企業広告を中心に、プロモーションやイベント企画、Webディレクションなどを行う。手相がめちゃめちゃいい。


Q1.ものづくりをする上で、影響を受けた本について教えて下さい。

●天才バカボン
全く予想できないギャグの展開はもちろん、2ページで1コマの回があったりと漫画として実験的な描写の多い作品です。大人になって読んでも面白い表現ばかりです。

●佐藤雅彦全仕事
CMディレクター・佐藤雅彦さんの本です。高校1年の頃に偶然古本屋で見つけ、昔好きだったテレビCMは佐藤さんが作られていたということを知りました。佐藤さんのお仕事はメッセージが明快で、気持ちよく受け入れることができます。社会人になり別業種の方の本を読むことが多くなっても、佐藤さんの本は手にとってしまいます。

●まばたきとはばたき
アーティスト・鈴木康広さんの本です。鈴木さんの作品には、いつもとてもシンプルなことに"はっ"とさせられます。頭の中をぐにゃんぐにゃんにしたいときに読み返しています。

Q2.ものづくりをする上で、影響を受けた映像作品について教えて下さい。

●インセプション

この映画の中には好きなシーンがたくさんありますが、その一つがホテルの廊下で壁や天井に立って戦うシーンです。CGではなく実際に回転するセットを作ったと知って衝撃を受けました。求める画によっては、最新技術を使うことが全てでは無いんだと感じました。

●Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!

TV版から家族でよく見ていました。Mr.ビーンの作品は、ただただ笑える、言語翻訳無しでも老若男女が楽しめる「良い作品ってこういうことだなぁ」と、観るたびに感じさせられます。

●耳をすませば

初めて見たのは小学生の頃の金曜ロードショーだったのですが、今でも放映のたびに見てしまいます。この映画のように、ドキッとする瞬間があるというのは、日常の体験でも大事なことですよね。ジブリでは数少ない「日常生活をベースに、ほんの少しのファンタジー」という、ストーリー全体の割合構成も好みです。

少しずつ動いてことを成し遂げる、作中のような働き方をしたい

向後さん-min

向後史朗 さん
こうご しろう

宝塚造形芸術大学卒。
大阪の制作会社でデザイナーとして働いています。


Q1.ものづくりをする上で、影響を受けた本について教えて下さい。

●働きマン
色々な人の働き方や仕事に対する価値観を見ることが出来る漫画です。仕事一筋な人やプライベート重視な人などがいて、時にはぶつかり、それでも困難を乗り越えて仕事が出来上がっていくストーリーが魅力的です。作中のような、「仕事やりきったなー!」と言えるような働き方を心がけています。

Q2.ものづくりをする上で、影響を受けた映像作品について教えて下さい。

●ホーム・アローン

少年が留守番をする家に泥棒が入るというコメディ映画です。例えばドアノブがすごく熱くなっているなど、少年が泥棒に対してたくさんのトラップを仕掛けているんですね。そういった小さいアイデアがたくさん盛り込まれているのが、見ていて面白いです。
日頃から、泥棒が来た時(あまりなさそうですが)にどういう仕掛けをしたら良いかなんて妄想していたら、頭のどこかが鍛えられるのではないかと思います(笑)。

知りたい!現在注目している作品は?

ここまで、ものづくりで影響を受けた本や映画をご紹介いただきましたが、現在皆さんが注目している作品はありますか。
柳田さん-min
柳田さん:出版や編集業界の方の本を最近よく読むので、次に読みたいのは菅付雅信さんの物欲なき世界、佐渡島庸平さんのぼくらの仮説が世界をつくるです。「~世界」ばかりですね(笑) 。
漫画では、名探偵コナンの、主人公コナンが高校生に戻る展開を待ち望んでいます。そのシーンがきたら一気読みしたいと思っているんです。
なるほど、映画はいかがでしょうか。
柳田さん-min
柳田さん:宇宙モノの新作として、リドリー・スコット監督のODYSSEYが楽しみです。スター・ウォーズも話題ですよね。
しゃっくさん-min
しゃっくさん:そうですね!スター・ウォーズの新作が公開される(2015年冬現在)この機会に、エピソード1からもう一度観なおしたいです。
渡邉さん:僕もとびとびでしか観たことがないので、スター・ウォーズシリーズを全て通して観てみたいです。
スター・ウォーズシリーズに、皆さん注目されているようですね。佐々木さんはいかがですか?
佐々木さん-min
佐々木さん:私はハリーポッターの新作スピンオフ映画ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅が気になります。ハリーとは同級生だったので(笑)、まだ魔法は使えそうな気がしてなりません。
いろんな作品に出会うことが、素敵なものづくりにつながっているのですね!
皆さん、ありがとうございました。

最後に

いかがでしたか?
「本棚を見ればその人がわかる」という言葉があるように、人が薦める作品を知ると、その人の価値観や嗜好が垣間見れるかもしれません。
今回取材した先輩方の中には、幼い頃や学生時代に手にした作品が、今のものづくりに影響しているという方が多くいらっしゃいました。時間の多い学生時代にたくさんの作品に触れ、価値観の幅を広げてみてはいかがでしょうか。

(2015.12.16)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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