2020年の東京オリンピックが近づくにつれ、近年日本に訪れる外国の方々が増えたように感じます。日本のグローバル化が進むにつれ、働く人にとって英語は無視できない存在になっているのではないでしょうか。もちろん、クリエイターも例外ではありません。今回は、受験のように難しい文法を丸覚えするのではなく、無理なく楽しんで英語を学べる学習方法をご紹介します。
編集・執筆 /RINA SAITO, AYUPY GOTO
目次
●クリエイターが英語を学んだほうがいい理由
●まずは無料で!オススメの英語学習法
●基礎を勉強したら、英語を使って会話してみよう
・最後に
●クリエイターが英語を学んだ方がいい理由
英語ができるようになると、具体的にどういうことに役立つのでしょうか?
まず一つ目に、インプットできる情報量が圧倒的に多くなる、ということが挙げられます。私自身も、大学の図書館に赴き、好きな画家の画集を見ようと思ったら、英語で紹介されているものばかり……という経験が多々あります。日本にいると英語に触れる機会が少ないので忘れがちですが、英語が世界で一番利用される機会の多い言語なんですよね。
そのほかにも、デザインや絵画、彫刻、イラストなどは、小説や詩に対して、視覚的で、非言語的なコミュニケーションだということが言えると思います。言語が関係ない分野だからこそ、もし自分のポートフォリオサイトを英語でも作っていたら、海外の人々からの見てもらい感想をもらえる機会が増え、仕事や展示などのチャンスも広がりますよね。
そして、留学したいと思った時にも、英語は必須となります。大学の交換留学であれば、英語での小論文の提出が必要になってきますし、TOEICやTOEFULなどの試験のスコアなど他言語の能力を証明するものがあれば、助成金などの応募にも有利になることがあるので、少しでも興味がある方は英語を学んでおいて損はないと思います。
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●まずは無料で!オススメの英語学習法
英語学習はお金がかかるものばかりだと、思っている方もいると思いますが、WEBには無料で英語を学べるサービスが、たくさんあります。ここではまず、英語に慣れる、文化を知ることを目的として、初心者向けのわかりやすいものや、アートに関する内容のものを中心にご紹介します。
映像で英語圏の文化を知ろう!オススメの YouTubeチャンネル
Rachel & Jun
Rachel & Jun は、国際結婚されたご夫婦が、主に日本の文化、アメリカと日本の違いなどの動画を投稿しているYouTubeチャンネルです。日本人であるジュンさんは、留学など海外で過ごした経験がないそうですが、とても流暢な英語を話せるので、二人の会話は英語のことが多く、自然な英語の会話を学ぶことができます。レイチェルさんによる日本文化の紹介は、スピードが早く、難しい単語が出てくる動画もありますが、日本語字幕、英語字幕が付いているので、自分の英語のレベルに合わせて表示を切り替え、動画を楽しむことができます。
Little art talks
Little art talks は、カリン・ユエンさんが英語でわかりやすく美術史を解説するYouTubeチャンネルです。日本語字幕がないので、ある程度英語に慣れてきた頃に見ることをオススメします。映像で色々な資料を解説したり、実際に実演したり、検証したりするため、理解しやすいと思います。
ログミーにて、日本語で文字起こしされた記事を見ることができるので、動画を見て、自分なりに解釈した上で、ログミーの記事を確認すること答え合わせのような感覚で、英語と美術史の両方を学ぶことができます。
わかりやすく、興味深いプレゼンテーション!オススメのTED
TEDとは?
TED(Technology Entertainment Design)とは、毎年大規模な講演会を主催している非営利団体の名称です。
色々な分野の専門家やプロフェッショナルを講師として招き、一人づつステージに立ちプレゼンテーションを行うという形式のプロジェクトで、その内容を無料で動画配信しています。そして、TEDは口語的でわかりやすい英語で、日本語の字幕があり、動画の長さも3分のものや20分に及ぶものまで様々なバリエーションがあります。日本ではまだまだ浸透していない印象ですが、とても興味深く、勉強になるプレゼンテーションばかりです。
アレクサ・メイド 「あなたの体は私のキャンバス」
Alexa Meade 「Your body is my canvas」
アレクサ・メイドさんは、ユニークな手法で作品を作る、現代美術のアーティストです。この動画では、自身の作品スタイルに至った経緯を写真のスライドと共にプレゼンしています。アーティストが自分の作品や自分自身について語る機会はあまり多くはないので、こういった動画でいつでも好きな時に、本人の語りによって作品のことを知れるのは貴重ですし、同時に、自分の作品を説明する際の英語の表現を知ることができます。
手塚貴晴「他に例を見ない最高の幼稚園」
(TAKAHARU TEZUKA 「The best kindergarten you've ever seen」)
手塚貴晴さんは、ご夫婦である由比さんと手塚建築研究所を設立され、多くのユニークな建築を手がけ、グッドデザイン賞を何度も受賞されている日本の建築家です。留学していた経験のある手塚さんは、この動画では、日本語ではなく英語を使用し、ユーモアも織り交ぜながら、ご自身が設計された「ふじようちえん」のプレゼンテーションを全世界の人に分かりやすく語っています。
聞き流しで発音に慣れよう!オススメのPodcast
台本なし英会話レッスン
台本なし英会話レッスンは、外語大を卒業した そーた さん、アメリカ出身のネイトさんによって行われている、リスナーから募集したお題を毎回台本を用意せず、二人が会話を展開していくラジオです。日本とアメリカの違いや、アメリカの文化を聞き取りやすい速度のわかりやすい英語で紹介していて、ネイトさんとの会話を、そーたさんが後から日本語で説明、解説してくれます。初心者でも聞き取りやすく、会話の意味を掴むことができるので、英語の会話に慣れるためにも、最初に聞くことをオススメします。
バイリンガルニュース
バイリンガルニュースは、バイリンガルである、日本出身のマミさんとハーフのマイケルさんの二人が、ユニークな視点から選んだニュースを最初に日本語と英語で読み上げ、そのあとに普通の会話と同じように、ディスカッションをしていくラジオです。基本的に、マミさんは日本語で話し、マイケルさんは英語で話すので、日本語に対して英語のままで返し、英語に日本語で返事をする形式になっています。落ち着いたトーンで、興味深いニュースと自然な会話を聞くことができ、一回一回の放送が40分ほどと長いので、何かをしながらで聞くのがいいと思います。会話のスピードが早いので、何を話しているかをなんとなく掴み、また何回か聞き返すことで、分からない単語も会話の文脈の中で理解することができます。
●基礎を勉強したら、英語を使って会話してみよう
英語に慣れたところで、知識があっても、実際に会話で使わないと身につかないのが言語というものです。英語というのは一つの言語であり、コミュニケーションを取るツールであることを忘れてはなりません。しかし、まだ今の日本では積極的に行動しない限り、英語で会話する機会が少ないですよね。そんな時には、大学で英会話の授業を履修してみたり、留学生と友達になってみたりと、自分の生活と近い場所で英語で会話する環境を取り入れてみてください。ほかにも、お台場や新宿などの人が多い場所のアパレルショップや、イベントのアルバイト、観光地などでも、外国人の方に尋ねられることが多く、必然的に英語を使うことが多くなると思います。
英語カフェやオンライン英会話、英語学習アプリなど、普通に英会話教室に通うよりも安く英語を学べるものもあるので、ぜひ自身でも調べてみてください。
●最後に
今までは、ただ受験に必要だから……テストがあるから……という理由で英語を勉強してきた方が多いと思いますが、なぜ自分は今、英語を学んでいるのか、ということを意識すると、ライフワークとして楽しく続けられると思います。理由は人それぞれで、将来留学したい!外国人の友達が欲しい!好きな海外ドラマを吹き替えで見たくない!など、些細な理由で構わないと思います。英語ができれば世界が広がり、新しいことにも挑戦しやすくなりますよ。
Let's try English !
(2017.8.10)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア