近年、ゲームは様々なデバイスで展開されており、ゲームのグラフィック表現は進化を遂げています。3DCGの進化により、よりリアルで美麗な表現が可能になり、操作アクションの幅が広がっているのです。今回はその「ゲームグラフィック」に注目して、ゲームの魅力をご紹介したいと思います。
編集・執筆 ／YAMADA, AYUPY GOTO

●ゲームグラフィックは8bitから始まった

そもそものゲームの起源を遡ると歴史は100年以上にも及びます。
日本で最古のゲームは1980年のパックマン。

世界的な大ヒットを記録した伝説のゲーム。79年に大ヒットしたスペースインベーダーのコピーゲームが横行するなか、固定画面ドットイートゲームとしてナムコから登場した伝説のゲームです。

http://nesgbgg.seesaa.net/article/119033056.html

このように8bitと呼ばれるドットで表現されたグラフィック、いわゆるレトロゲームは現代でも目にする機会が多くあるのではないでしょうか。
発売当初はこのようにドット表現だったものも、時代を追うごとにリアルさを増していきます。

わかりやすい例でみてみると……

みなさまお馴染みのマリオです。ものすごい進化ですね。初代はドットも粗い目だったものが段々と編成される数が多くなりなめらかに。そして最終的には3DCGが使われ立体感や質感までもが表現できるようになりました。

今や美麗でリアルな表現はかなりの高品質になっており、実物と見間違うほどです。
もちろんグラフィックだけでなく、ゲーム音楽や内容の進化も素晴らしいのですが、今回は置いておきます。

では、ゲームグラフィックのレベルや進化の過程がわかったところで、デザインの視点から見たゲームグラフィックについて、いくつかピックアップしてみたいと思います。

●グラフィックが綺麗なゲーム

一概に綺麗といっても様々なジャンルがあると思うので、大まかに分類分けをしてまとめてみます。

グラフィックレベルの高い美しいゲーム

Monument Valley
全体的にマテリアルデザインで色彩もとても美しいゲームです。
待ち受け画像にしても良いくらいの、完成されたグラフィックに圧巻。
世界観から惹き込まれます。
アップルデザイン賞2014受賞作品。

https://itunes.apple.com/jp/app/monument-valley/id728293409?mt=8

Blue Moon
ゲームタイトルにあるように、月が印象的なグラフィック。
幻想的な世界観で夜が題材になっています。美しい様々な夜をみることができます。
Blue Moon2もあります。
Nominated for Best Emotional Game Design at the 2016 Emotional Game Awards 受賞作品。

https://itunes.apple.com/jp/app/blue-moon-burumun/id485382329?mt=8

Space Crasher

宇宙を題材にしたゲーム。
フラットでシンプルですが洗練されたデザインです。
現在日本のappストアではダウンロードできないようです……。(海外版,Androidは可能)
webサイトも美しいです。

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.telescope.apps.spacecrasher.android

独特な世界観とマッチしたグラフィックのゲーム

rain
舞台は雨の降る夜の世界。透明になってしまった少年を操作して進んでいくRPGです。
雨が降っているので全体的には灰かかったような世界で統一されており、ノスタルジックでありつつも不安な雰囲気を醸し出していて儚気です。

http://www.jp.playstation.com/scej/title/rain/

Lost Tracks
デンマークの学生が制作を手がけた作品で有名です。
CGを駆使した抽象的で美しいグラフィック。
主人公の精神世界を映像で表現した謎解きゲームで、音や表情を頼りに進めていくので誰でもプレイが可能です。

https://itunes.apple.com/jp/app/lost-tracks/id1029847339?mt=8

forever blue
様々な海の中を海中散策できる癒しゲーム。2007年発売ですが、海の生物や水の表現が優れています。海好きの方に。初代の続編にあたる-FOREVER BLUE 海の呼び声-が特にオススメ。

https://www.nintendo.co.jp/wii/rfbj/menu/index.html

大神
シリーズ初代は2006年発売。和風なグラフィックで他と無い表現とその世界感で人気を博しました。
日本画のようなグラフィックの中を動きまわる独特の感覚です。

http://www.capcom.co.jp/o-kami/wii/index.html

Tengami

和紙をイメージした飛び出す絵本風の世界観です。
めくったりたたんだりして話を進めていくアドベンチャーゲームです。

https://itunes.apple.com/jp/app/tengami/id794960248?mt=8

いくつかピックアップしてみました。いかがだったでしょうか。
こういった、グラフィックが美しいゲームはプレイ自体も楽しいですし、画面の美しさによって楽しさや世界観への引き込まれ方も変わってくると思います。

おまけ 原点回帰！レトロゲームのデザイン

近年はレトロモチーフに人気があり、初代スーパーマリオブラザーズや星のカービィなどのドットで表現されたグッズなども展開されています。なので逆に、昔ながらのドットを感じるゲームで遊んで、配色や雰囲気を感じ取る……というのもアリかもしれませんね。ファミコンゲームなどは、最近はスマートフォンアプリでも遊べるようになっているものが多いので手軽に始められます。

・ドラゴンクエスト
今や国民的RPGであるこのタイトル。
現在はⅩシリーズまで展開され、グラフィックも美麗になっていますが、初期のシリーズの8bit感も素敵です。
・MOTHER
MOTERは1989年に任天堂より発売され、4シリーズまで展開されています。
ドットと配色のレトロ感がとても魅力的な作品です。
・星のカービィ
誰もが知っている人気ゲーム。1992年発売の初代は白黒。ドットでもカービィはかわいい！
現在はダウンロードでもプレイすることができます。

●さいごに

いかがでしたでしょうか。身の周りには沢山のデザインのエッセンスが散りばめられています。そこで今回はゲームという観点からグラフィックを見てみました。紹介したものはほんの一部であり、まだまだ優れたゲームグラフィックは沢山あります。楽しさもデザインセンスも吸収できて一石二鳥ですよね。もし興味があればグラフィックにも注目しつつ、是非プレイしてみて下さい！

著者

山田実優

武蔵野美術大学でグラフィックデザインやパッケージデザイン、ブランディングデザインを主に勉強しています。 舞台鑑賞や洋服巡りが好きです。

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