ブランドイメージを向上・維持する、ロゴレギュレーションってなんだろう?|デザインの基礎知識

スクリーンショット 2015-06-07 08.46.55

ロゴのレギュレーション(ガイドライン)ってなんだろう?

デザイナーを目指している方であれば、ロゴデザインの制作経験のがある方も多いのではないでしょうか。 皆さんはロゴを制作される時に、レギュレーション(ガイドラインとも呼ぶ)を一緒に制作されたことはありますか?レギュレーション一つを作るか作らないかで、ブランドのイメージを向上できるか、維持できるかが変わってきます。レギュレーションとは何を設定する必要があるのか、何の為に必要か把握して、プロのデザイナーと呼ばれる第一歩を歩みましょう。編集・執筆 / AYUPY GOTO

今回紹介するデザインの先生

割石 裕太わりいし ゆうた

Art Director & UI Designer

KAYAC inc. / OH / Art Director, UI Designer
成安造形大学卒業。2012年に面白法人カヤックに新卒入社後、受託事業部にてコーポレートサイト / アプリ制作 をメインに複数手がけ、2014年より Lobi / Filters を始めとする サービス設計・アートディレクション・UIデザインを担当。人と接する温度感を意識してUIを設計することを心がけています。
また、“「わ!」より「お!」となる表現を。” をコンセプトに OH という個人プロジェクト名で ロゴ・ブランディング・webデザインを中心に幅広く活動中です。

ポートフォリオサイトはこちら

ロゴのブランディングとポジショニング

今回参考に使わせていただくのは、割石裕太さんが制作されたTSUKURUUU PLUS(ツクループラス)のロゴレギュレーションです。レギュレーションとは、ロゴの使用規定でロゴが各媒体に掲載される際に守るべきルールのことです。
ロゴは、デザインだけではなくブランドの世界観を規定するものです。ロゴのレギュレーションを設定して一貫性を持たすことで、ブランドのメッセージ、コンテンツ、ビジュアルなどブランド全体が統一されたコミュニケーションを図ることができます。

スクリーンショット 2015-06-07 08.43.30

ロゴのアイソレーションゾーン

アイソレーションゾーンとは、ロゴ周りに使う“余白”のことです。表示する際にはロゴ周辺に一定のアイソレーション(保護エリア)を設け、アイソレーション領域内には他のデザイン要素や文字などをのせることができないルールになっています。ロゴのサイズを1とすると、0.5の大きさを最低限のアイソレーションゾーンとして指定されている事が多いです。アイソレーションをつくることで、ロゴ表示に独立性を持たせることが重要です。

スクリーンショット 2015-06-07 16.59.14

スクリーンショット 2015-06-07 08.43.44

スクリーンショット 2015-06-07 08.44.07

RGBとCMYKのカラー選択

掲載される媒体によって表示されるロゴの色味が変わります。RGBカラーで表示される場合や、CMYKカラーで表示される場合、モノクロで表示される場合を考えて、3パターンは決めておきましょう。
ブラウン管や液晶画面を通して表示されるものはRGBカラーで設定し、印刷物を通して表示されるものはCMYKカラーで設定し、新聞や雑誌などモノクロ印刷される場合はモノクロカラーの色設定をする必要があります。

スクリーンショット2015-06-07 08.45.19

スクリーンショット 2015-06-07 08.46.01

スクリーンショット 2015-06-07 08.46.11

スクリーンショット 2015-06-07 08.46.24

ロゴ表示とカラーバリエーションについて

カラーや写真やイラストなど、複雑な背景の上にロゴを掲載しないといけない場合があります。掲載される媒体によって対応できるカラーパターンを設定しておくと、ブランドイメージを壊すことなく幅広い対応ができて便利です。ロゴ全体がはっきりと読めるように、最低限の使用ルールを決めておきましょう。

スクリーンショット 2015-06-07 08.46.44

ロゴマークの扱い

ブランドによって、ロゴの中にブランドイメージのマーク(キャラクター)をつくっているところもあります。マークだけで使用しても、どこのブランドか認識できますが、それを有りとするか無しとするか、設定するのも大事なブランディングです。TSUKURUUU PLUSの場合は、マークだけでの使用も有りとしています。

スクリーンショット 2015-06-07 08.43.20

ロゴの使用禁止例

ロゴは、レギュレーションに添った設定で使用されることで、はじめて本来の機能を発揮しブランドのイメージを正しく伝えることができます。ロゴはブランドのイメージを象徴する、いわば顔のようなものなので、扱いには十分な注意が必要です。誤った使用を避けてもらうためにも、使用禁止例をレギュレーションとして記載しておく必要があります。

スクリーンショット 2015-06-07 16.31.18

ロゴの色を変更してはいけません

スクリーンショット 2015-06-07 16.31.32

ふちどりを作って表示してはいけません

スクリーンショット 2015-06-07 16.31.46

枠の中に入らないからといって、ロゴの要素を移動させてはいけません。

その他にも下記のような、使用禁止例を提示すると良いかもしれません。

  • ロゴをグラデーションにする。
  • 文字のサイズや文字間のスペースを変更する。
  • 認識できない配色でロゴを設置する。
  • レギュレーションと異なる色を設定する。
  • 関係のない装飾をロゴのまわりに設置する。

ここまで細かい設定をしなくても大丈夫だろうと思われるかもしれませんが、
レギュレーションを設定しておかないと、後々思わぬ使い方をされて何度も指示を出す手間がかかるので、最初に全てレギュレーション設定したほうが安心です。

最後に。

いかがでしたでしょうか。 大企業をはじめとする多くの企業ではブランドイメージを規定するために、ロゴのレギュレーションを設定しています。もし、お仕事でロゴ制作を依頼されることがあれば、レギュレーションを設定するととても親切だと思います。ロゴを制作する時は作って終わりではなく、制作後にどのように使われるのかイメージすることが重要です。

(2015.6.7)

著者

後藤あゆみ

はたらくビビビット編集長。 フリーランスで“『ツクル』を仕事にしたい未来の子供たちのために。”を、コンセプトとして活動。クリエイター支援、スタートアップ支援を行っています。おばあちゃんになるまでに美術館をつくるのが夢です 。

記事一覧へ

ポートフォリオでデザインチームとつながろう

ポートフォリオをつくる

作品を投稿してデザインチームとつながる日本最大のマッチングプラットフォーム。もちろん、ポートフォリオのみの活用も可能です。

作成する

デザイナーを採用する

国内最大のデザインプラットフォームで、チームにマッチするデザイナーに声をかけてみませんか?

採用する