「楽しい」は地図で作る!デザイナー視点で考える、テーマパークの歩き方

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みなさんテーマパークに遊びに行くのはお好きですか?アトラクションやイベントによって絶えず人が賑わっているテーマパークは、多くの人に幸せや喜びを与える場所です。何故ここまでテーマパークは人を惹きつけるのでしょうか。今回はその楽しさの秘訣を、デザイナー視点から地図を用いて考えてみます。
編集・執筆 / Haruna Kawanabe, AYUPY GOTO

目次

  • 1.日本のテーマパークとは
  • 2.感動の秘訣、地図に隠されたユーザーへの思いやり
  • 3.多くの人のユーザー経験を考える
  • 4.最後に

テーマパークといえば千葉県にある「東京ディズニーリゾート」や、大阪府にある「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」がまず頭に浮かぶかと思います。テーマパークとは特定のテーマを基に設計された観光施設のことで、娯楽やレジャーを目的とした遊園地やホテル、博物館や商業施設を併設しています。
日本のテーマパークの始まりは100年以上前の「宝塚新温泉」という浴場まで遡ります。
戦後の60年代と70年代と、ディズニーランドが開設された後の80年代と90年代には、多くのテーマパークが開設されました。しかしその頃に開設され、現在まで残っているテーマパークの数は少ないです。
では現在も残る面白いテーマパークとはどんなものでしょうか。今回は有名テーマパークの地図を用いて、ユーザー体験について考察していきます。

2.感動の秘訣、地図に隠されたユーザーへの思いやり

アトラクション、キャラクター、イベント、スタッフ……テーマパークの魅力をあげるとキリがありません。しかし、それらのイベントの場所、人員の配置、アトラクションの位置などは、全てユーザー体験を考えた上で決められています。

「UI/UX」の「UX」って何?|仕事百科

テーマパークの基本

通路

テーマパークは広大な施設もたくさんあります。それらの行き来に使う道はテーマパークで最も重要になります。
目的地まで感じた体験が全てテーマパークへの思い出や評価になります。

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http://enjoypclife.net/2014/09/03/usj-the-wizarding-world-of-harry-potter/

道の分岐で楽しく回れる
一本道のメインストリートにすると人が一方向にしか流れず、同じ風景を目的地が変わるごとに見ることになります。
そのためメインストリートは人が行き来するのに十分な横幅があり、多くのエリアとブロックをつなぐ道があります。

人気なコンテンツは奥に配置

アトラクション

テーマパークの眼玉となるジェットコースターのような大型アトラクションは比較的パーク内の奥に設置されています。入り口から目的地まで多くのものを楽しみながらたどり着いたアトラクションに乗ると、大きな達成感が生まれます。このアトラクションに向かって、多くのメインストリートが伸びています。また注目度の高いアトラクションはそれぞれ違うエリアに設置することで人の集中を分散しています。
この大型アトラクションへ行く過程がテーマパークにおけるユーザー体験の主軸となるでしょう。

中間には親子向け

子供向けアトラクション

子供向けのアトラクションは、親も一緒にアトラクションに参加するので混雑になりがちです。そのためジェットコースターのような大型アトラクションから少し離れた位置に設置されることがあります。またテーマパークが大きい場合は各エリアごとにも設置してあります。
奥に設置されないことで、体力的にも時間的にも親子が感じるストレスも軽減しています。

入り口付近はみんなが立ち寄る

お土産屋さん

人は帰り際のほうがお土産を買いたくなります。そのため一番大きいお土産屋さんは入り口付近に設置されます。
また、テーマパークのキャラクターに似せたアクセサリーを多く取り扱っています。アクセサリーをつけることでユーザーはそこでしか味わえない体験をより一層強く感じます。

テーマパークの鍵

レストラン

アトラクションの待ち時間や休憩時間として用いられ、今後の順路や計画を立てる場としても重要な場所です。
入り口付近のメインストリートには様々なエリアにアクセスしやすく、大きなイベントが行われる場所の近くに設置されていることが多いです。そのためレストランの種類が多く、食べ物やお店の雰囲気を選択する楽しさが生まれます。そのエリアならではの食事が味わえ、より高い没入感を感じることができるのです。

変わった形の東京ディズニーランド
東京ディズニーランドは、アクセスに特化したテーマパークにです。パレードを行う中心のエリアから放射線状に他エリアに道が繋がっています。そのため中心のエリアを使ってほぼ3エリア以内で移動ができます。
さらに、中心でパレードが行われると、ほとんどのエリアから様子が見えるため、すぐに気づき移動ができます。
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http://enjoypclife.net/2014/09/03/usj-the-wizarding-world-of-harry-potter/

3.多くの人のユーザー体験を考える

デザイナー視点からテーマパークを見てみると、人を気遣いながら最大限にテーマパークを楽しんでもらえるよう、設計されていることがわかります。
デザイナーにとってユーザー体験を考えることは重要なことと同時に、とても難しいことです。
最近のユーザーは、SNSの発達や様々な新規サービスによって、体験を共有する瞬間が増えています。多くのユーザーが共有した瞬間は、多くの人が感動した場面と考えられるため、ユーザー体験を考える上で多くの人の考えや思考を学べる機会にもなります。
これはテーマパークに限った話ではなく、普段の生活のなかにもユーザー体験を楽しく考えるチャンスが存在しているのです。

4.最後に

多くの人が賑わうテーマパークには、ユーザー体験を考え観察する機会が多く潜んでいます。
このような大規模なユーザー体験を考えることは少ないかもしれませんが、デザインにおいてこの考え方はとても大事なので、どこかテーマパークに行く際は、心の片隅でこのことを思い出してみてください。なにか新しい楽しみ方が見つかるかもしれません。

(2016.9.22)

著者

川鍋春菜

多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 情報デザインコースに 所属しています。UI/UXやサービスデザインについて勉強しています。 趣味はアニメ、アナログゲーム、デジタルゲームなどなど。

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