【before/after】内定ポートフォリオへ!IT業界UIデザイナーのブラッシュアップ変遷

デザイナーの就職活動に必須の「ポートフォリオ」。志望企業に対し、自身のスキルや展望を“制作物を通して”プレゼンするという、大事なツールです。

今回は、IT業界のUIデザイナーに内定している金沢美術工芸大学4年生の阿部さんに、ポートフォリオのBefore/Afterを見せていただきました!

人によっては1年以上かけて最終版に仕上げる方も。阿部さんはどのように就活の武器を磨いていったのでしょうか。納得の進路決定に至るまでの変遷を解説していただきます。

阿部 真子さん

金沢美術工芸大学 美術工芸学部 環境デザイン専攻在学中(2024年卒)。IT系事業会社のデザイナーに内定。
大学では空間デザインを学んでいたが、3年生の時に参加したビビビット展をきっかけにUIUXに興味を持ち、IT業界を志望するように。周りとは違う進路を目指す中、「はたらくビビビット」を参考にポートフォリオをブラッシュアップしたり、業界の先輩方のインタビュー記事を読んだりして、選考の雰囲気やスピード感をつかむことを意識していた。

環境デザイン専攻所属、UIUXに興味を持ったのは‥‥。

今回は、阿部さんのポートフォリオ変遷のなかでも第二弾から第三弾のブラッシュアップに注目します。IT系企業との面談イベント「ビビビット展」をきっかけに初めてサービスデザインを制作し、複数社の選考に進むことになります。順調に見える選考状況のなかで、ポートフォリオにはどのような改善点があったのでしょうか。

基本は押さえてる、でも‥?〇〇の深掘りが重要に

まずは第二弾のポートフォリオを見せていただきました!

阿部さん:第二弾のポートフォリオでは、ポートフォリオそのものにコンセプトをつけました。就活では「あなたはどうしたいのか・どうなりたいのか」をたくさん聞かれます。ポートフォリオに載っている作品は“それを説明する一番わかりやすい取り組み例”になるので、「総じて言いたいことはこうですよ!」と最初に提示しようと試みました。

・志望業界に寄せた作品中心
・自身のデザインポリシーを記載
・プロセスも記載している
・レイアウトもきれい
と、第二弾のポートフォリオは志望業界を意識してつくられています。前提として、このくらい形になっている場合のブラッシュアップは「自身で振り返って手直し」だけでなく「どんどん志望企業に見せて具体的なアドバイスをもらう」ことが有効でしょう。

▼[作品概要]と[デザインで解決したいこと]を提示した各作品のメインビジュアルもとてもわかりやすいです!

ブラッシュアップした点①ポートフォリオ全体のコンセプトはシンプルに、わかりやすく!

阿部さん:「ポートフォリオそのものにコンセプトをつけた」こと自体は良かったのですが、 第二弾ではそのコンセプトがわかりづらいものになっていました。当時は作品を見た人に「いいよね!」と共感してもらうことが制作の糧になっていたので、そんな「気づく力」を伝えたかったのですが、情報量が多くなってしまい‥。学校の先生や企業の方に「言いたいことがわかりづらい」と指摘されました。

最終版では「+αのデザイン」というシンプルな言葉と、その説明のページを設けています。

▼最終版のコンセプトページは、わかりやすい言葉に!

最終版(第三弾)「+αのデザイン」のポートフォリオでは“自分が伝えたいこと”から“ユーザーに何を伝えたいか”に視点が変わっている印象です!

阿部さん:「UIUXやサービスデザインを面白いと思ったのはなぜだろう」「私の強みはなんだろう」という部分をとことん深掘りしました。言葉遣いも、遠回しな表現で汲み取ってもらうというより、率直な言葉でストレートに伝えることを意識しました!

各作品の最後に「この作品における+αのデザイン」というページもついています。

阿部さん:私が受けた企業は評価基準のひとつに[あなたが考えたサービスはビジネスとして成立するのか]という点があり、それを[瞬発的な価値だけではなく、長期的にも大きな価値を創造できるサービスが企画できているか]と解釈していました。

長期的に価値を提供する、という価値観は私自身のデザインポリシーと通ずるところがあると思い、サービス系の作品の最後に「このサービスを使い続けるとユーザーはどうなるか」という視点をまとめたページを追加しました。

このページは教授や友人、後輩などにも「サービスの価値がわかりやすい」「参考にしたい」などの評価をもらい、設けて良かったなと思います。

ブラッシュアップした点②作品で一番見てほしい部分を強調する

阿部さん:自分のルーツを辿る旅を手助けする「TSUMUGI」というサービスでは、4種類の検索方法があります。その中でも「マインドマップから探す」という方法をメインの検索方法として設計していたのですが、第二弾ではその部分が強調できていませんでした。

このサービスを説明するうえで優先的に見てほしい情報をつかみづらい内容になっていたのです。

阿部さん:最終版では見せ方をガラッと変え、情報に優先順位をつけることを意識して制作しました。

口頭で補足できるプレゼンボードとは違い、誌面でもメリハリをつけて読みやすさ、理解しやすさを考えることが大事だと思いました。

ブラッシュアップした点③初見の人が本当に理解できるのか?何度も検討。自分の言葉で説明できない部分は省く

阿部さん:最終版のポートフォリオで数社の面談や選考を受けていたのですが、「この部分ってこういうことですか?」など、作品の深掘り以前にポートフォリオの内容の再確認をされることが多くて。「もしかしてポートフォリオを見るだけでは理解されてないのかも?」と思い、どんな情報を載せるかをかなり見直しました。

いただいた質問を振り返りながら、不足していた情報は追加したりうまく回答できなかった情報は思い切って省いたりしました。

阿部さん:「(仮に質問されなくても)サービスを説明するうえで不可欠な情報」と「聞かれたら補足すれば良い内容」を整理することはとても大事だと思います。

私の場合、「エコシステムマップ」や「カラーやフォントの説明」は、正直なんとなく載せていた部分でした。内定企業の方にも「私達が一番見たいのはUIの改善検証の事実。カラーやフォントはUI画面を見ればわかる箇所なので、載せる情報の取捨選択をした方が良い」とアドバイスをもらい、自分の言葉できちんと説明できる内容のクオリティを最大限に上げることに振り切ることができました!

ブラッシュアップのたびに、細部の装飾などもレベルアップしています!見やすさ、読みやすさの検討を重ねている証拠ですね。

まとめ|自分の軸を見つけるブラッシュアップにしよう

最後に阿部さんに、ポートフォリオのブラッシュアップで特に大事だと思うことを尋ねました。

レイアウトやビジュアル、見やすさももちろん大事!

だけど、本当に大切なことはポートフォリオを通して「デザイナーとしての人物像」を知ってもらうこと。その作品は何をきっかけにして生まれ、どう考え、形に持っていったのか。などなど、ポートフォリオは自分だけのデザイン思考、感性を存分にアピールできる最高のツールだと思います。

面接も普段授業でやるプレゼンの場だと思って、ポートフォリオ自体を一つの自作品だと捉えてしまう方が制作する上でも楽しいかなと思います!

↓つまり何が言いたいか

ブラッシュアップをする際、紙面のクオリティをレベルアップさせるのはもちろんのこと、自分だけのデザイン軸みたいなものを探っていくのも👍だと思うよ!(面接のやりやすさも格段にUPします)

阿部さん:レイアウトやビジュアルの手直しももちろん大事!
だけど、本当に大切なことはポートフォリオを通して「デザイナーとしての人物像」を知ってもらうことだと思います。その作品は何をきっかけにして生まれ、どう考え、形に持っていったのか。などなど、ポートフォリオは自分だけのデザイン思考、感性を存分にアピールできる最高のツールだと思います。

面接も普段の授業と同じプレゼンの場だと思って、ポートフォリオ自体を一つの作品だと捉えてしまう方が制作する上でも楽しいかなと思います!

ブラッシュアップをする際、紙面のクオリティをレベルアップさせるのはもちろんのこと、自分だけのデザイン軸みたいなものを探っていきましょう!面接のしやすさも格段にUPします👍

阿部さん、ありがとうございました!

(2023.10.16)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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