クリエイティブ業界の就職を考えた際に、必須となるのが”ポートフォリオ”です。就活用のポートフォリオはデザイン系ソフトで作成するのが基本なため、普段デザインを専攻していない方が作成する際は手探りになりがちではないでしょうか。せっかく制作してきた作品も、デザインや編集がうまくできていないことが、マイナスに評価されてしまうと不本意ですよね。
株式会社ビビビットが主催する「ポートフォリオジム」は、デザインに慣れない初心者の方向けに、基本的なポートフォリオのレイアウトデザインが学べる場です。
今回は、8月22日に開催した第一回目のポートフォリオジムの模様をお伝えします!
編集・執筆 /YOSHIKO INOUE, AYUPY GOTO
● 8月22日(日)、雨天ながら参加者が集合!
ポートフォリオジム当日はあいにくの悪天候でしたが、集合時間の13時には学生さんが集まってきてくれました。雨のなか来てくださったみなさんにたくさんのものを持ち帰って欲しい!という思いのもと、「ポートフォリオジム」がスタートしました!
--- TIME SCHEDULE ---
・自己紹介
・InDesignの基本操作
・休憩
・お手本にそったレイアウトづくり
・ViViViTのご紹介
当日のゴールは、
①製本できるポートフォリオを一冊作りきろう!
②他の学校の人と話してみよう!
と設定しました。ポートフォリオを一冊つくりきることはもちろんですが、普段は違う学校でクリエイティブ活動を行う同年代です。
横のつながりができるせっかくの機会なので、質問しやすい雰囲気になるよう、始めに自己紹介タイムを設けました。
● 講師紹介
清水 みどり
2015年武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業、ビビビット新卒入社。
緑色、バスケットボール、JPOP、料理、パシフィック・リムが好き。いま興味があることは、3Dモデリング、WEBデザイン、心理学など。
座右の銘は「面白いこともなき世を面白く」
● 前半
InDesignの基本操作をおさえながら、自己紹介ページを作成
始めに、ポートフォリオの自己紹介ページをつくりながら、基本操作に慣れていきます。AdobeのデザインソフトInDesignを使い、テキストの挿入や画像の拡大・縮小から始めました。文字組みやフォントなどデザイン的なお話も盛り込みながら、少しずつ進めていきます。
POINT1. ”揃える”
COMMENT:
デザインの基本として、まずは要素と要素を「揃える」ということに気をつけてみましょう。そのために、お手本ではキャプションの中の「作品ジャンル」と「タイトル・制作時期などの情報」の箱を分けています。こうすることで、要素と要素の細かいラインを揃えることができるのです。
このポイントは知っているか知らないか、するかしないかで差がつく部分です。細かい点ですが、就活でポートフォリオを提出するとデザイナーさんがしっかり見ている点なので、押さえておきましょう。
▼お手本のレイアウト。一見すぐできそうですが、細かく気をつける部分が詰まっています。
▼お手本を見ながら、自分のデータを使ってレイアウトを組んでいきます。
当日の参加者は、Illustratorの使用経験がある人はいましたが、InDesignは全員が初心者でした。不安のある方もいたようですが、気になる部分は他のスタッフがフォローするので安心です!
● 休憩
約1時間半の前半部で自己紹介ページを作り終えた後は、休憩時間です。
会場には、デザインやレイアウトの参考になる書籍を準備しました。講師が就活時代に実際に制作したポートフォリオを見ることもでき、みなさん自由に手に取って眺めていました。
▼雑誌や書籍、フライヤーなど。ポートフォリオづくりの参考になるものは身の回りにたくさんありますね!
●後半
お手本に沿ったレイアウトづくりを進めます!
後半は、前半の基本操作を踏まえてレイアウトをどんどん作っていきます。
まずは手元の資料を見ながらページをつくり、その後講師からレイアウトのポイントをお伝えする流れでした。
POINT2. 限られた要素でつくるレイアウト
COMMENT:
ポートフォリオづくりでありがちな失敗は、キャプションや説明文の文字が大きすぎたり、量が多すぎたりすることです。「読み手にわかりやすい」ということはもちろん大切ですが、文字が小さくても、フォントやレイアウト次第で情報を目立たせることは可能です。
例えば今回のお手本は、作品の横に文字小さめのキャプションを配置し、対比で目立たせてみました。キャプションの中では、「作品ジャンル」と「タイトル・制作時期などの情報」を分けて差別化しています。このように、キャプションひとつもカーニングや文字サイズを調整してけっこう手が込んでいます。ただ必要な情報の文字を流しこむだけでなく、細かい部分もこだわってつくっていきましょう!
▼キャプションのサイズは小さいですが、レイアウトで目立たせることが可能です。
POINT3. 自分で1からレイアウトをつくるときは?
COMMENT:
自分で1からレイアウトを作る際、慣れないうちはお手本の本を一冊決めて参考にすることをおすすめします。
今回みなさんへのお手本レイアウトをつくる際には、メンズのファッション雑誌を参考にしました。この雑誌のおしゃれな雰囲気や、遊んで凝った飾り文字がたくさんある点を取り入れていきました。最初は真似からで全く問題ないので、「自分のポートフォリオはこんな雰囲気にしたい!」という思いに合うものを選んで参考にしてみてください。
そのためには、普段からつくり手の視点で雑誌を見ることが大切になります。「どうしてこの部分だけフォントを変えてるんだろう」「ここの下のラインは揃えてるな」「線はこんなふうに遊べるんだな」「文字の大きさはどこに揃えるときれいに見えるかな……」など、意識するとたくさんの気づきがあるはずです。始めは難しいかもしれませんが、雑誌の写真を自分の作品画像に置き換えるとどう見えるのかを考えながら、実践してみてください。
▼雑誌の誌面を参考にしたレイアウトページ
●講評
最後は、簡単に講評の時間をとりました。同じお手本とはいえ、少しずつレイアウトに違いが出るものです。一言ずつ今回の感想をもらいながら、講師がアドバイスをして終わりました。
「文字のサイズや組み方をこだわってつくるのが大変でした!」と話す人も。「作品を冊子にしてまとめること」は作品制作とはまた違う難しさがあります。ここからブラッシュアップを重ね、自分の納得のいくポートフォリオを完成させてほしいです!
▼「〜が難しかった」というコメントに、他の人が頷く場面も。
●最後に
終了後のアンケートからは、以下の様なコメントをいただきました。
"自分一人でinDesignを使っていたときは何となく作っていましたが、今日参加して、デザインの考え方やマージンの作り方がかなり勉強になりました。作業が少し遅れてもすぐに追いつくことができて良かったです。"
"InDesignの使い方が全く分からなかったので、基礎から教えてもらえて良かったです。また応用編や、作品の写真の撮影方法についてもやってほしいです!"
ポートフォリオジムは、今後とも定期的に開催していきます!今回と同様の内容はもちろん、別の内容にも展開していく予定です。少人数制なため、デザインソフトの初心者でも半日で基本操作をマスターできるのが特徴となっています。
今回のレポートで興味をもってくださった方、また、悪天候により参加ができなかった方は、ぜひ、次回ご参加ください!
▼次回のお申込みはこちらから!
ポートフォリオジムの詳細
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(2016.8.28)
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