魅力的なデザインを作るにはまず文字を知ることから!タイポグラフィについて詳しく知ろう!

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デザインをする際の大切な要素の一つに「文字」があります。文字の配置や選定次第でデザイン全体の雰囲気が大きく変わります。
今回は魅力的なデザインを作るということに重点を置きながら、デザイナーなら知っておきたいタイポグラフィの知識についてご紹介したいと思います。
編集・執筆 /SHIGEMATSU, AYUPY GOTO

●そもそも、タイポグラフィとは?

タイポグラフィとは、印刷物における文字の体制を整えることで、
・字体の大きさ(ウェイト)
・行の間隔(レディング)
・活字が占める領域の配置・構成(レイアウト)
を設定し、印刷をすることの技法を指しています。

タイポ挿絵1

簡単に言い表すと、主に文字を再構成することで、綺麗かつ読みやすいデザインにするということを表しています。
これには、美しく文字を組むという意味も含まれています。
そして、デザインをしていく中で、文字の組み方次第でプロダクトの印象がかなり変わってくるということを知っておかなければなりません。フォントを少し変えるだけでも印象が違ってきます。
なので、タイポグラフィを突き詰めることは、デザインを追求することだということを、頭に入れてほしいです。

●文字について知ることは、デザイン力の向上にもつながる?

デザインをしていく際に、タイポグラフィについて詳しく知るということはとても重要なことです。しかし、どうして文字について知ることでデザイン力の向上が期待できるのでしょうか?
それは、文字のレイアウトこそがデザインの基本のベースになるからです。
文字をどこに入れるか、どんなフォントを使うかによって見る人が感じるイメージは大きく異なってきます。例えば、駅や電車の中で見かける広告は、身近な例として挙げられます。文字のレイアウト次第で見た人に印象づける割合も変わってくると考えられます。
また、広告の大きさによって文字の配置を変えているので、いろいろなパターンを見比べれてみると新しい発見があって面白いかもしれません。
文字の知識が整っていれば、媒体にとらわれずデザインをする上で応用が利くので、デザイナーとして活躍できる場が広がります。

●フォント選びと配置だけで変わる印象

文字を使ってデザインをするタイポグラフィにおいて、フォントを選ぶ作業はとても重要になってきます。フォントはそれぞれに役割を持っていて、求められる要素に合わせて選ばれ、使われています。なので、選んだもの次第で印象は大きく変わります。
そういったことを踏まえつつ、まずは文字の基本である書体についてご紹介したいと思います。

基本の書体を知ろう

《和文書体》

・ゴシック体…カチっとした文字組みをしたい時に使いやすいです。
・明朝体…しっかりとした中に優しい雰囲気も感じます。
・手書き…手書きならではの柔らかい印象を与えることができます。
・行書体…はっきりとした書体なので、文字のインパクトを与える時に良いでしょう。

文字組み1-1

《欧文書体》

・サンセリフ体…エレガント・上品に見せたい時に使います。
・セリフ体…サンセリフ体にはない、うろこと呼ばれる小さな飾りがあることが特長です。
・手書き…欧文書体も手書きならではの印象を与えることができます。
・筆記体…さらっと、おしゃれにまとめたい時に良いです。

文字組み21
用途によってフォントを使い分ける、ということももちろんなのですが、読む側の人が読みやすいか?ということを第一に考える必要があります。

●文字を使ってデザインする際に気をつけたいこと

タイポグラフィでは、デザインする上でいくつか気をつけなければならないルールがあります。この法則を知っていると、レイアウトをする時にとても有利になりますし、見栄えもさらに良くなります。人それぞれ文字に対する感覚は違うかもしれませんが、ルールをきちんと知った上で文字を使うことを心掛けるだけで、全体に一体感が出て、さらに良いデザインになるのです。

気をつけなければならないタイポグラフィのルール

■文字間

文字の間を詰めすぎてしまうと必然的に読みにくいものになってしまいます。
なので、空白をうまく利用する事によって美しい文字組みを作ることが大切です。
一番見やすいような最適な間を十分に取ることで、さらに見栄えの良いものになります。

■文字組み

文字組みはタイポグラフィにとって一番重要な作業とも言えます。主に文字の間隔や隙間をチェックする作業です。この作業がうまくいっているかによって全体のデザインが上手くいくかが大きく変わってきます。文字組みは基本中の基本なので、文字をレイアウトする際に詳しく知っておく必要があります。

■文字の変形

文字を伸ばしたり、縮めたり。変形はタイポグラフィの特徴的な要素とも言えます。
さまざまな大きさのものを組み合わせたり、いろんなデザインの文字を使う事によって迫力のあるデザインを作ることもできます。
文字の変形を効果的に生かした斬新なデザインを最近は多く見かけます。

■余白の使い方

余白の使い方にも気をつけなければいけません。どうしても文字間を詰めすぎてしまうと、解読性が低いものになってしまいます。なので、読む時に最適な文字間を設定し、さらに全体の画面のバランスを考える必要があります。人それぞれ読みやすいと感じる文字間や余白はあると思いますが、少し調整するだけでもかなり違ってきます。なので、余白を有効的に使うことも重要です。

■フォントの種類

フォントを選ぶ時にイメージに合ったものを選べるかが大切になってきます。伝えたいメッセージやコンセプトの世界観に合ったフォント選定をすることで、文字の持つ力を最大限に引き出すことができるからです。たくさんのものを組み合わせるのではなく、ぴったりのフォントを選ぶことで、伝えたいメッセージを明確にユーザーに伝えることができます。少し難しいことですが、それによって伝わるデザインになるかどうかが変わってくるので慎重に行わなければいけない作業です。

●面白いタイポグラフィのデザイン紹介

タイポグラフィを使い、デザインされたものは街中に多くあります。ここでいくつか例をご紹介したいと思います。

字字字 全日本タイポ組合

こちらは展覧会のビジュアルです。「字」という漢字とアルファベットの「g」をかけて一つの文字を作り上げています。シンプルですが、伝えたいことが明確に伝わってくる面白いデザインです。色合いもビビッドで印象的です。
ggg_og
http://dainippon.type.org/ggg/

コインロッカーベイベーズ

文字が敷き詰められた中に、大きな文字で本のタイトルが書かれています。適度に余白を使っており、強いインパクトを感じます。文字の上に文字を重ねるという斬新なデザインなので、見た人の印象に残る広告です。
コインロッカーベイベーズ
http://www.buresu.co.jp/cn43/cn94/cn95/pg479.html

文字フリマ

文字フリマは文字に関するフリーマーケットを行う宣伝を表しています。「文字」と「フリマ」という二つの文字が重なり合っていることによってできた新しい文字が、とても高いデザイン性を感じます。シンプルながら、色づかいもはっきりしているので、自然と目を惹きつけられます。

mojifurima
http://designwork-s.net/news/mojiflea.html

●最後に

デザインをしていく上で、タイポグラフィは最初に述べた通り大切な要素の一つになってきます。文字を使ってデザインをするという事は、単純そうに見えて、かなり難しいことでもあります。
しかし、タイポグラフィに決まりはありません。自由に表現していいのです。これからデザインをする際、文字を効果的に使えると作品の表現の幅も広がってさらに良いものになると思います。そのためにも、早い段階からタイポグラフィの知識を身につけておく必要があります。今回の記事を通して少しでも文字の知識やタイポグラフィについて興味を持っていただけたら嬉しいです。

(2016.8.31)

著者

重松芙史香

女子美術大学デザイン・工芸学科のヴィジュアルデザイン専攻に所属しています。かわいい小物や雑貨を集めるのが趣味です♬

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