みなさんは、ご当地ブランディングという言葉を耳にしたことはありますか?
もっとより多くの人に"その地域の良さ"を知ってもらうことを目的としており、斬新な切り口でインパクトのある取り組みが近年増えています。その中でも今回は、その場所に思わず行ってみたくなる地域の魅力がグッとアップするユニークなご当地ブランディングのPR動画をご紹介したいと思います。編集・執筆 / SHIGEMATSU, AYUPY GOTO
●最近注目されているご当地ブランディングとは?
ご当地の良いところを発信する、ご当地ブランディングは、地域活性化を目的とするPRの一環として行われていることが多いです。最近ではテレビなどメディアの特集でも取り上げられることが多いため、一度は目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。インパクトのあるキャッチフレーズをつけたものや、地域の特産品を取り上げたもの、中には面白さを重視したものも。見ているだけでその地域の良さを知れるところが一番のポイントです。特にユニークなものはSNSでの拡散力も高く、今までにない新しい切り口で一つのブランドとして確率している地域が増えています。
●地域の魅力度をグッとアップするための秘訣
地域の魅力をPRする時に最も大切にしなければいけないことは、いかに多くの人に見てもらうかという部分です。注目度が上がると、話題性も自然と高まってくるため、若者を中心としたSNSでのシェア率も大幅に上がってきます。
そのため、斬新かつ意外性のあるPRを用いて、どれだけのインパクトを与えられるかが重要です。地域の良さをPRしながら、見た人の心に残るものが制作できるかどうかで随分とイメージや印象が変わる為、どういう方法で発信していくかがとても大切になってくるのです。そういった部分にも注目しながら、実際に成功した(話題になった)ご当地ブランディングにはどのようなものがあるのか、一緒に見ていきましょう。
●実際に行われているユニークなご当地ブランディング・PR動画をピックアップ!
今回は、インパクトのあるものを中心にピックアップしました。
● 大分県 | おんせん県大分 シンフロ プロジェクト
お風呂でシンクロ?一度見たら忘れられないインパクトのあるビジュアルです。このPR動画は、大分の観光名所である温泉地で リズミカルにシンクロを行なっています。そしてなんと、温泉でシンクロを行なっているのは世界で活躍する選手なんだとか……。観光地としての魅力を伝えると共に、シンクロの演技のクオリティの高さに思わず圧倒されてしまいます。シンフロのPR動画は人気を集め、シリーズ化しているので興味の持たれた方はこちらからご覧ください!
● 香川県 | また来たくなる場所。cafe-deうどん県
うどん県としても知られている香川県。毎年ユニークな演出で多くの人を楽しませています。今年はcafe-de うどん県。一見お洒落なカフェ……のようにも見えるのですが、なんとお店で注文をすると出て来たのはうどん!予想をガラリと覆す展開に思わず笑みがこぼれてしまうことでしょう。うどん県の副知事として活動されている、香川県出身の俳優の要 潤さんにも注目です。この他にも「 恋するうどん県 」や「 愛にきてうどん県 」など、毎年ユニークなコンテンツで県全体をPRしています。
● 高知県 | 高知県は、いろんな家族で大家族。
高知家は"高知県は一つの大家族やき"を合言葉に、飲み仲間もお遍路さんも、よさこいチームもお久しぶりもみんなが集まって大きな家族、というコンセプトで展開されています。イメージキャラクターとして、タレントの島崎 和歌子さんが起用されています。また、公式サイトでは、人やカルチャー、スポットごとにオススメの場所を紹介している高知家無限大mapや、高知でポジティブになれる場所を集めたやポジティブマップといった面白コンテンツも。高知に思わず行きたくなる、魅力がたっぷりの内容に釘付けになってしまうこと間違いなしです。
● 石川県 | Lady Kaga
Lady Kagaは、石川県加賀市にある加賀温泉郷の情報を発信して、おもてなしの心を向上するために立ち上げられたプロジェクトです。キャッチフレーズであるLady Kagaは "おもてなしの心を持った加賀の女" をイメージしているそう。こちらのプロモージョンビデオでは、普段は石川県にいるLady Kagaがアメリカに行った際の様子が描写されています。日本の文化であるおもてなしの心が伝わってくるところが、見ていてとてもほっこりします。実際に加賀温泉郷でLady Kagaに会えるお店もホームページに掲載されているので、気になった人は是非チェックしてみては?
● 宮崎県 | ンダモシタン小林
宮崎県の小林市が手がけているンダモシタン小林というこちらの動画。森・水・星・食・人という、5つの視点から小林市の良さをPRしています。何と言っても字幕がユニークで、ツッコミどころが多くて思わず笑ってしまいます。フランス語にも聞こえてくるような言葉は実は限定された地域で話されている西諸弁という言葉で喋っているのです。気づいた人は少ないのではないでしょうか。登場する風景や人情溢れる人々にも是非注目してみてください。ほっこりとした気持ちになるはずです。
● 岐阜県 | もしものハナシ
日本一の刃物の町として知られている岐阜県関市のPR動画は、「もしも、刃物なかったら」という日常をシュールに描いています。野菜を手で切ろうとしていたり、美容室で髪を食べていたり……どんな結末を迎えるのか、気になって最後まで見てしまうはず!話題性も高く、テレビの特集などでも多く見かけられました。改めて刃物は私たちの日常生活には欠かせないものだということを実感させられるユニークなPR動画です。
● 滋賀県 | MUSUBU SHIGA
「 湖と、陸と、人々と。MUSUBU SHIGA 」というキャッチフレーズがつけられたプロジェクトは、滋賀県が誇る琵琶湖や、陸そして暮らしている人々がこれまで培ってきた魅力を新しい視点で伝えていくことを目的としています。デザイナーやアーティストとの活動を通して、滋賀県のこれからの魅力を発信しています。FILMと題したPR動画では、滋賀の良さがぎゅっと詰め込まれた内容になっています。ロゴなどもお洒落で素敵なので、ぜひチェックしてみてください。
●さいごに
ご当地の"良さ"を引き出しながら、PRを行うことはとても難しいことです。今までのイメージを失わないようにすると共に、新しい要素を取り入れて、それをさらに一新するような、新しい視点でユニークにその土地の魅力を伝えることが出来ていて凄いですよね。このようなブランディングを通じて地域に興味を持ってくれる人が増えることで、地域活性化にも繋がっていくのではないでしょうか。
(2017.12.15)
著者
はたらくビビビット
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