近年、いろいろなところで見かけるようになった「ゆるキャラ」。その存在はキャラクターとしての役割だけではなく、活躍の幅を広げてきています。今回はそんな「ゆるキャラ」がどういう形で地域の活性化と関わっているのか注目しながら、ご紹介していきたいと思います。
編集・執筆 / SHIGEMATSU, AYUPY GOTO
●今では主流となったゆるキャラ
「ゆるキャラ」とは、ゆるいマスコットキャラクターという言葉を略したものです。
提唱者の漫画家でエッセイストのみうらじゅんさんは、ゆるキャラを命名した際、このような三か条を挙げています。
ゆるキャラ三か条
1.郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること。
2.立ち居振舞いが不安定かつユニークであること。
3.愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること
この要素を含めたキャラクターたちが順位を競う、ゆるキャラグランプリという大会も2010年から毎年開催されていて、キャラクターを用いたPRや地域起こしの活動源にもなっています。大会をきっかけに、広まったキャラクターたちも多くいるようです。このイベントは全国規模で大々的に行なわれていることもあり、投票などを実際にしたことのある人も多いのでは無いでしょうか?
今ではゆるキャラはキャラクター界で一つのジャンルとして扱われているぐらいなので、その数も年々増えています。それだけゆるキャラが世間に浸透しているということがわかります。最近では熊本県の「くまもん」や千葉県船橋市「ふなっしー」などが人気で注目を集めています。
●どういう要素をキャラクターに盛り込んでいるのか
そして、一番重要なのが、どういう要素をキャラクターに盛り込むのか……ということです。普通のキャラクターに比べてゆるキャラに要素はあまり必要無いという風に考えられがちですが、ゆるキャラの場合は、特産物であったり、地域的に有名なモチーフを取り込むことで、地域独特の個性を持つカタチになります。その地域らしいものになるということは、地元の人にとって、自然と愛着のわくものになるということなので、そういう親近感が出る要素はとても大切だと思います。
ゆるキャラは年々増加している傾向にあるので、たくさんのキャラクターの中で、どれだけオリジナル感を出せるかが重要です。どうやったら魅力を上手く伝えられるのか……というところや、他のキャラクターとどのような差をつけられるかが、ゆるキャラ戦国時代を生き抜く大きなポイントになっています。アピールしたいポイントを上手く伝えられるかによって、キャラクターが生きてくるかどうかが左右されてきます。
ゆるキャラに盛り込むべき必要な要素
・地域で有名な物がモチーフとして入っているか?
・キャラクターとして親近感のわく見た目か?
・アピールポイントを上手く伝えられているか?
●ゆるキャラは地域を活性化する重要な存在?
ゆるキャラは地域の活性化に最も重要な効果を持っていると考えます。なぜなら、地域の有名な物について詳しくない人が見た時にも、分かりやすいということが大切になってくるからです。特産品やモチーフ取り入れている見た目が多いので、それをゆるキャラというキャラクターを用いることによって、見た人に伝えたい情報を視覚的にわかりやすく伝えることができるのです。
地域や場所をモチーフに作られている場合も多いので、お土産やグッズなどさまざまな方法で展開できます。地域の広報などで使われている場合も多いので、皆さんの地元でもご当地ゆるキャラが活躍している姿を見かけたことがあるのではないでしょうか。キャラクターを利用することは、地域をアピールする有効的な方法だという風に考えられます。と同時に、地域に密着した役割も果たしているとも言えます。
●キャラクターを使い、どのように展開しているのか?
では、実際にどういった展開方法があるのか詳しく見ていきましょう。
ゆるキャラを使った商品の経済効果は1000億とも言われています。
特にプロモーションなどを通して全国的に知名度が上がったキャラは世間に広く知られているため、その効果がさらに高まると考えられています。
また、ゆるキャラを通して、知られていなかったスポットや場所に注目が出ることもあるので、地域の活性化に繋がっています。
グッズの展開
お土産・オリジナルグッズ
多くのゆるキャラがキャラクターをモチーフにしたグッズを展開している場合が多いです。一番活用されているお土産関連の商品はもちろん、最近では文房具や小物、雑貨などの幅広い分野でのグッズ展開がされています。ご当地ならではの地域に密着したものも多く見られます。
●にしこくん
http://www.nishikokun.com/contact/
●ちょるる
http://choruru.jp/goods
●しっぺい
http://shippei.jp/goods/other/
メディアへの出演
テレビ・雑誌
テレビや雑誌での活躍も考えられます。特にゆるキャラグランプリで上位に入賞したキャラクターはメディアでの露出が大幅に増える傾向にあります。テレビのみならず、イベントや、紙面など多方面での活躍が期待できます。メディアでの宣伝は多くの人が目にする機会が高いので、地域のPRなどをする際にはとても効果が高く、効果的な宣伝方法だと思います。
●最後に
ゆるキャラは地域起こしやPRまで様々な場面での活躍がこれからも期待されています。キャラクターの数がかなり多いですが、その中でどれだけ地域に密着しているのか?という所も注目してほしいです。一方で、イメージを崩しすぎないというところも大切なのでメディアに出演する際は、多くの人に愛されるイメージ作りも重要になってくると思います。魅力を幅広い年代の人に知ってもらうということはなかなか難しいことですが、ゆるキャラというモチーフを使うことでターゲットを広くとらえることができるため、分かりやすい形で伝えることができます。どういった点をアピールしているのかを考えるのもキャラクターをよく知るという研究になり、勉強になると思います。ゆるキャラを使った地域活性化の可能性、キャラクターの持つ力について少しでも知っていただけたら嬉しいです。
(2016.8.10)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア