今回ご紹介するのは、春からゲーム業界のモーションデザイナーとして働く玉井さんのポートフォリオです。就職活動では動画をまとめた「デモリール」を中心に、紙のポートフォリオは情報を整理した補足ツールとして使用していたそうです。動画系職種を希望している人は必見です!
編集・執筆 /YOSHIKO INOUE
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玉井 貫太郎 さん
日本工学院八王子専門学校卒業
2020年春〜ゲーム業界モーションデザイナー
PICK UP!ポートフォリオのこだわり
デモリールの補足説明の役割を果たす、必要最低限の情報
▼玉井さんのデモリール
玉井さん:モーションデザイナー志望だったので、デモリールをメインに、デモリールだけでは分からない制作時間や制作時期、コンセプトなどの情報を紙に載せました。作品のクオリティで勝負できると思っていたので、奇をてらうようなこと(自己紹介ページで少し変わったことを書く等)はせず、文章やページのデザインは必要最低限に留めました。
「自分は何者で、何をしたいのか」伝える表紙
玉井さん:表紙には、自己紹介ページを兼ねて学校名・名前・志望職種を書きました。黒い背景に白い文字で情報を入れて、余計な装飾はしていません。一番初めに見られるページだと思っていたので、「自分が何者で会社に入って何をしたいのか」が真っ先に分かるようにしました。
熱意は作品で。多くを語らずシンプルに
玉井さん:全体を通して、作品に対する熱い思いなどはあえて書かないようにしました。そういう話は面接ですれば良いと思っていたし、とにかく作品を観てもらえれば熱量みたいなものは感じ取ってもらえると信じていたので、多くを語らないシンプルなポートフォリオにしました。
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ポートフォリオ一問一答
●このポートフォリオを提出した業界
ゲーム業界(コンシューマー)
●コンセプト
デモリールの説明書のようなもの
●ポートフォリオの構成
- 表紙兼自己紹介ページ
- アニメーション作品
- 静止画作品
- グループ作品
●制作時期
2年生の秋~3年生の春
●サイズ / ページ数
A4 / 19ページ
●制作プロセス
- デモリールを制作
- デモリールの内容に合わせて作品のスクリーンショットを出力
- Illustratorでデータ制作
- 学校のプリンター(レーザープリンター)で印刷
- ファイリング
●制作に使用したソフト
Illustrator、Photoshop
●印刷 / 製本方法
学校のレーザープリンターで印刷 / クリアファイルにファイリング
●制作にかかった費用
900円(ファイル代)
●制作するうえで参考にしたもの
同じ業界に内定した先輩のポートフォリオ
玉井さん:黒い背景に作品だけが載っていて、文章もほとんど載っていないものでしたが、作品だけで勝負しているストイックな感じがかっこよかったので参考にしました。
●制作中にもらったアドバイス
玉井さん:ポートフォリオを制作する前に、学校の先生に「君は作品のクオリティで勝負できるから、ページのデザインに凝る必要はないよ」というアドバイスをいただきました。そのため、作品のブラッシュアップや新しい作品の制作に時間を費やし、中身を充実させていきました。
●ViViViTページのこだわり、使い分け
玉井さん:作品選考の際に、紙のポートフォリオの提出が必須というとき以外は、ViViViT(ビビビット)のページを使って説明会に参加したり、作品のアドバイスを貰ったりしていました。
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
玉井さん:ポートフォリオのレイアウトやテキストをどれくらいこだわるかというのは、いろいろな意見があると思います。私のポートフォリオも、こういうスタイルでも内定は貰えるんだという1つの参考にしていただければ良いかなと思います。
はたらくビビビット編集部より
玉井さんのポートフォリオは「デモリール」(複数の動画作品を1つの動画にまとめたダイジェスト版のようなもの。動画制作系の選考で求められることがあり、1〜3分前後で作られることが多い)上では伝えきれない補足情報をまとめたツールに仕上がっています。
動画作品をプレゼンテーションする場合、作品の良さや出来を伝えるには「動画そのもの」を見てもらうのが一番です。玉井さんのように、ポートフォリオの装飾よりも新しい作品制作に時間を費やすスタイルは本質的で、「まずは作品第一で、ポートフォリオは作品の補助説明」という、職種ならではのポイントが垣間見えました。このポイントは受ける業界や会社、作者のねらいによって異なるため、自分が受けたい業界の傾向をリサーチしながら考えたいですね。
玉井さん、ありがとうございました!
(2020.5.30)
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア