デザインの検討案、グラフィックデザイナーならこう載せる|ポートフォリオ百科

「私にとってのデザインは学問です。数学には数学の問題解決ができるように、デザインにはデザインなりの問題解決ができます。自分が成長するとともに人を幸せにできるものだと思っています。」こんな言葉から始まるのは、グラフィックデザイナーとして働く渡辺さんの就活ポートフォリオです。落ち着いたトーンで、白が気持ちよく効いています。さっそく覗いてみましょう!編集・執筆 /YOSHIKO INOUE

 

渡辺 泉月  さん

京都造形芸術大学情報デザイン学科卒業
広告制作会社に就職 

 

PICK UP!ポートフォリオのこだわり

統一された世界観のなかで、レイアウトにリズムを

渡辺さん:ポートフォリオ全体の統一感は出しつつも、作品ごとの写真や文章の配置が単調にならないように気をつけました。インフォグラフィックスやデザインの検証を載せ、過程をわかりやすく見せるレイアウトにしています。

 

時には余白を大胆に使う

渡辺さん:説明が長くて退屈になりそうな作品などは、白場(しろば)を思いっきり使ったデザインを入れるなどしてメリハリをつけるよう意識しました。

 

ポートフォリオ一問一答

●このポートフォリオを提出した業界

WEB業界 / デザイン業界

●コンセプト

自分を表現しつつわかりやすく

●ポートフォリオの構成

  • 表紙
  • 自己紹介ページ
  • 目次
  • ブランディング
  • エディトリアル
  • グラフィック
  • タイポグラフィ
  • ロゴ一覧
  • 奥付(連絡先など記載)
  • 裏表紙

●制作時期

3年生の1月ごろ〜2月

●サイズ / ページ数

A4横 ( 297 × 210 ) / 90ページ

●制作に使用したソフト

Illustrator , Photoshop

●制作プロセス

(1)作品をピックアップ
(2)作品のブラッシュアップ
※コンセプトが詰め切れてなかったものを詰めなおし
(3)IllustratorやPhotoshopで写真やデータを制作
(4)学校のプリンターで試し刷り
(5)製本会社にデータ提出 

●印刷 / 製本方法

印刷会社に依頼 / 無線綴じ

●表紙のこだわり

渡辺さん:表紙は反射する素材を使いました。私自身の環境や人の影響を受けやすい、長所でも短所でもある部分を表現しています。良い環境(企業)に所属すれば成長するということをアピールしました。素材を活かしたかったので表紙にグラフィックはありません。

●制作にかかった費用

1冊あたり約4500円

●制作するうえで参考にしたもの

Pinterest、先輩のポートフォリオ、雑誌、本など

●制作中にもらったアドバイス

渡辺さん:先生や説明会先の企業の方にアドバイスをもらいました。
「見る側はあなたのファンじゃない」という言葉を聞いてとても納得したので、独りよがりじゃない、見る人に親切なデザインを心がけました。ただ、「作品集ではダメ」「自分らしさを出しなさい」と言われて無理に個性を出そうとして失敗したこともあります。途中からは、アドバイスは参考までに、自分が納得のいくデザインを目指すことにしていました。自分がいいなと思うデザインをすることで、自然に自分らしくなったと思います。

▼説明的じゃない、見ていてワクワクするエディトリアルデザイン。

●ViViViTページのこだわり、使い分け

渡辺さん:ViViViTは企業の方が何度も文章を読み直す可能性があると思ったので、作品の中でもコンセプトがしっかりしているものなどをできるだけ選びました。
紙のポートフォリオはViViViTよりも説明をさらに詳しく、また多くの作品が見られるようにしました。

▼紙のポートフォリオでは、一つの作品に10ページ費やしているものも。

●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス

渡辺さん:ポートフォリオ制作はなかなか手がつけられないと思いますが、とりあえずでいいので早めにとりかかるのがオススメです!何度もブラッシュアップすることで納得のいくものができるので、参考にしたいデザインを見つけたら、まずは作って検証してみてください。
できたデザインは先生方に見てもらって自分に合ったアドバイスを参考にしてみるといいかもしれません。時間をかけた分だけ、力が発揮されたポートフォリオになると思います。大変ですが頑張ってください!

 
 

はたらくビビビット編集部より

A4サイズで十分な情報量があるはずなのに、余白が広く・美しく感じられる渡辺さんのポートフォリオ。レイアウトに緩急をつけながら、コンセプトからプロセス、デザインの検討案までを詳しく説明しています。「単なる作品集になってはならない、けれど個性も出さなければいけない」という葛藤を乗り越え、初見の人にも見やすく、自分自身が納得できるポートフォリオが仕上がりました。
最終稿が仕上がる前の二冊も見せていただいたのですが、製本方法やレイアウトも違っており、思考錯誤の痕跡が。ポートフォリオの中の作品同様に、ポートフォリオそのものも納得がいくまで検討を重ねています。実務でも紙モノを多く扱うグラフィックデザイナー職だからこそ、そういったこだわりが選考結果にも反映されるのだと思います。
渡辺さん、ありがとうございました!

渡辺さんも活用した!ViViViTでポートフォリオをつくってみる

 
 

(2020.9.2)
Yoshiko Inoue

著者紹介

井上佳子Yoshiko Inoue

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。メディアを通し、制作活動やデザイナーの就活に役立つ情報を発信していきたいです! Twitter
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