グラフィックデザイナーとして複数社から内定を得た早川さんのポートフォリオは、スタイリッシュで洗練された雰囲気です。
作品ごとの世界観がひと目で伝わるメインビジュアルに実践メインの作品群。冒頭作品は企画段階から手掛け質の高いアウトプット、フィードバックを経て修正……と、ポートフォリオに必要な情報を詰め込んだ内容になっています。作品の作り方やまとめ方をぜひ参考にしていきましょう!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE
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ここを見て!ポートフォリオの注目ポイント
■実務経験で得た学び 企画〜ブラッシュアップまで
編集部:産学連携やクライアントワークなどの実践的な制作が多い早川さんのポートフォリオ。リサーチに基づいたターゲットやしくみ、コンセプトは“想定”ではない“事実”が記載されているため説得力が段違いです(P21.26.31参照)。途中段階で反応をもとにブラッシュアップされた例(P7)もあります。
早川さんのように学生時代から実務経験が多いのはバックグラウンドや環境もあるかもしれませんが、規模の大小問わず、実践的なアウトプットからは多くの学びを得られます。そして実務経験があることが、選考の際に大きなアドバンテージになることがあります。アルバイトやインターンシップなど、ポートフォリオで1つでも「実践で得た学び」がプレゼンできると良いでしょう。
■冒頭のプロジェクトワークには必要な情報が詰まっている
編集部:冒頭のプロジェクトワークは企画から制作、展示構想のすべてに関わりアートディレクションを担当したもの。グループワークの役割やスケジュール管理に加え、制作過程でのリサーチからフィードバック、ブラッシュアップまでをこの制作で経験し、ポートフォリオにまとめています。1制作に対してページ数が多いため飽きないようなレイアウトの工夫も。
規模は異なりますがその後も同様に企画からリサーチ、アウトプットまで手掛けた作品が続くため、ビジュアライズだけでなくリサーチやプランニングも得意ということが伝わってきます。
PROFILE
PICK UP!ポートフォリオのこだわり
ボリュームのある冒頭作品 飽きさせない工夫
早川さん:冒頭に掲載したプロジェクトは規模が大きかったこともあり、制作物が多く内容が濃いのですが、展示風景を入れたりUIはモックアップに入れたりして、見る人を飽きさせないようにしました。コンセプトや制作過程など重要なこともバランスよく載せています。
読み手(企業の人)が知りたい情報をバランス良く
早川さん:全体を通してビジュアルが多くなることを意識していますが、ポートフォリオは個人的な作品集ではないので、相手にどう見られるかを意識して企業の方が知りたいであろう情報をバランスよく載せることを心がけました。
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ポートフォリオ一問一答
●このポートフォリオを提出した業界
広告業界(WEB含む)、コンサルティング業界、人材業界、デザインプロダクション
●コンセプト
グラフィックデザインを軸に幅広いジャンルで制作してきたのですが、一つ一つの作品で目を止めてもらえるように、見開きで大胆にビジュアルを見せることを意識しました。
●ポートフォリオの構成
- 表紙
- 自己紹介
- 展示
- 広告
- サービスデザイン
- パッケージデザイン
- エディトリアルデザイン
- その他学校課題
産学連携課題やクライアントワークを手前に
●表紙をつくるときに工夫した点
早川さん:インパクトを重視しました。グラフィック探求で制作した光の研究の画像を使っています。何冊も届く中で目に止まること、手に取ってもらえることを意識しました。(自分を色に例えると白なのですが、真っ白なキャンバスではなくRGBが重なった白だと思っているので自分を表す色としても)
●制作プロセス
- 作品をピックアップ
- illustratorでデータ制作
- 大学プリンターにて仮製本
- kinko'sや画材店で印刷
- 手製本
●制作時期
大学3回生の12月
●ポートフォリオ制作に使ったソフト
Illustrator、Photoshop
●印刷 / 製本方法
両面カラー印刷 / 表紙大型出力、自宅にて上製本、平和紙業にて紙購入
●サイズ / ページ数
B4 / 約60ページ、A4 / 10ページ
●制作にかかった費用
1冊約6000円
●制作するうえで参考にしたもの
特になし
●制作中にもらったアドバイス
早川さん:ViViViTでマッチングした企業の方とのカジュアル面談や博報堂プロダクツポートフォリオ相談会にて。どのコンテンツを一番に見てもらいたいか優先順位をつけることをアドバイスいただき、改善しました。
●ポートフォリオを使ったプレゼンで工夫したこと
早川さん:対面で実物を見せた時は、まず気になったものを見てもらい、会話しながら自然な会話の中で付け足しでプレゼンテーションをしました。
●ViViViTページと紙ポートフォリオの使い分け
早川さん:カジュアル面談はViViViTで、面接は紙ポートフォリオで。ビビビット展では紙ポートフォリオを元にプレゼンボードを制作しました。
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
早川さん:ポートフォリオは、いざというときのお守りになります。大変だと思いますが、自分の作品を世の中の人に知ってもらうという気持ちで作ると楽しみながら制作できると思うので頑張ってください。
編集部:きれいな作品写真、詳しい説明文が勉強になるポートフォリオですね!
早川さん、ありがとうございました!
早川さんも使った!ViViViTでポートフォリオをつくってみる
(2021.11.25)
はたらくビビビット
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