数万字のストーリーで生まれた圧倒的な世界観|コンセプトアーティスト

大手ゲーム会社9社に内定し、コンシューマゲーム会社のコンセプトアーティスト職に進むハンさんのポートフォリオをご紹介します。仕事の希望と制作のこだわり、創作の姿勢が表現されたポートフォリオをさっそく覗いてみましょう!編集・執筆 / YOSHIKO INOUE

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ここを見て!ポートフォリオの注目ポイント

■複数あるスキルのなかから、自身の希望を正しく伝える

編集部:ゲーム業界コンセプトアーティストに内定したハンさん。ポートフォリオとしては文字量が多い印象ですが、「徹底した世界観づくり」というハンさんのゲーム制作のこだわりが現れています。
将来どうなりたいかを考える前の、下級生の頃から作品をまとめる作業を行っていたそう。自身の希望する仕事を誤解されたり、意図と違うメッセージを読み取られたり、さまざまな反応を得ながら「自分を表現するための」ベストな情報や構成が定まっていったそうです。
出来ることが多く活動や経験が幅広い人こそ、広がるチャンスのなかで「自分はどうしたいのか」を明確にすることが大事なのですね。ミスマッチをしたまま選考が進んでしまわないためにも、ポートフォリオに明記しておくとわかりやすいです。
 

PROFILE

ハン レイケン さん

武蔵野美術大学 基礎デザイン学科 2022年春卒業
↗Twitter  weibo ID:@PubiiiiiiA

PICK UP!ポートフォリオのこだわり

プロフィールページに希望の職務内容を記載する


ハンさん:企業の人がポートフォリオで知りたいことは一体なんだろうと自分なりに考え、プロフィール欄には希望する職種、スキル、インターンや仕事または受賞の経験だけを載せました。わかりやすいように希望職種は志望順、使用スキルは得意順、インターン歴はタイムラインにしています。
大学1年の頃に制作した際はプロフィール欄に趣味や意気込みを書いていましたが、企業の人と面談していると時々「3DCGの仕事やらない?」と聞かれることがありました。私は3Dスキルも使いこなしたいけど2DCGメインの仕事をやりたくて、3Dモデラーになりたいわけではありません。こういうことがあったので、プロフィールには趣味や意気込みよりも希望する職務内容をちゃんと書いておくべきだと感じました。

長所を生かして制作する


ハンさん:ゲーム業界志望なので、ポートフォリオの冒頭にゲーム企画、ゲームデザイン、コンセプトアート、キャラデザ、背景などなど、ゲームと関係している部分をいっぱい詰めました
この作品は初めてのゲーム制作で、企画やUIなど全くわからなかったためとりあえず自分の強みである文字を書くことから始めました。何万字も書いてストーリーを完璧にしたおかげで世界観が明確になり、それから世界観をビジュアルにして、絵を描いて、ゲームの遊び方なども考えていきました。正確なゲームデザインでは最初に遊び方を考えると思いますが、まずは自分の長所を生かせるように作りました。
この作品で「ビビビット展」に出展し、多くの企業の人が私の作品を見てくださいました。お話もいっぱいできて、書類免除の連絡も4社ほど来たので、ゲーム業界に向いているのかなと不安だった私も少し自信がつきました。
ポートフォリオやプレゼンではそんな作品のコンセプトやこだわった点をうまく伝えています

▼ゲームのたくさんの要素を説明しているので、1作品あたりのページ数はとても多い

思考力など、絵だけでは見えない部分のアピールも大事に


ハンさん:この作品は、発想力、ラインティングのこだわりや論理的な思考力を伝えるために載せました。
一つのキーワードからいろんな言葉を連想し、いくつものイメージやストーリーを考えてから制作したため、発想力をアピールするには最適です。また制作過程がすごく明確になっていて、きれいなレイヤー分けを意識し、ライティングも何パターン描きましたから、商業デザインにすごくふさわしい作品だと思っています。絵の画力だけではなく思考力や見えない部分をアピールするのも大事だと考えています。

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ポートフォリオ一問一答

●このポートフォリオを提出した業界

ゲーム業界・アニメ業界

●コンセプト

画力やスキルを高めることより、見る人を感動させるコンセプト、ストーリー、アイデアを重視していることを伝える

▼中国のメイキング解説のイベントに参加したことも掲載。コミュニケーション力やプレゼン力をアピールする役割になっている。

●ポートフォリオの構成

  • 表紙
  • 自己紹介ページ
  • もくじ
  • ゲームデザイン
  • 背景イラスト
  • イラスト
  • 学校課題
  • デッサンや水彩など
  • 今進行中のプロジェクト
  • 裏表紙

●制作時期

大学4年生の2月〜3月

●制作プロセス

  1. ポートフォリオの目的を明確にする
  2. 作品を整理する
  3. 構成を考える
  4. ブラッシュアップ

●ポートフォリオ制作に使ったソフト

Illustrator

●サイズ / ページ数

A3サイズ / 76ページ

●印刷 / 製本方法

オンライン選考のみだったためなし

●制作にかかった費用

なし

●制作するうえで参考にしたもの

先輩のポートフォリオ

●制作中にアドバイスをもらった人

先輩・先生・会社の方
ハンさん:イラスト作品のバリエーションが足りないと言われたので増やしました。

●ポートフォリオを使ったプレゼンで工夫したこと

自分の創作理念をブレずに伝える

▼後半ではデザイン系の作品やその他のイラスト、デッサンも並んだ。

●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス

ハンさん:ポートフォリオは就活中一番見られているものですので、しっかり作りましょう!

編集部:ポートフォリオ本文の細かなテキストもぜひ、読んでみてください!
ハンさん、ありがとうございました!

ハンさんも使った!ViViViTでポートフォリオをつくってみる

(2022.2.7)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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