表現の徹底自己分析、お手本はこのポートフォリオ!3DCGゲームデザイナー内定

ゲーム会社デザイナー職に就職する増田さんは、2年制専門学校に入学し数ヶ月後に就職活動が始まりました。短期間で作品制作と並行してポートフォリオをまとめるうえで、どのような情報設計をしたのか?
「制作のこだわり」「企業が求めている情報」がバランス良く構成されたポートフォリオをぜひご覧ください!編集・執筆 / YOSHIKO INOUE

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ここを見て!ポートフォリオの注目ポイント

■“作品でアピールしたいこと”を整理し、優先順位をつけてまとめる

編集部:冒頭の作品紹介は計5ページ。“この作品を通して採用担当者に伝えたい私の制作姿勢”を1ページごとにまとめ、優先順位をつけて構成されているようです。前提として、1作品5ページというボリュームは長すぎず短すぎずで丁度良いですよね!
1ぺージ目|作品画像、基本情報(使用ソフトや所要時間など)
2ページ目|表現したかったゴールやコンセプト
3ページ目|ライト、コンポジットのこだわり
4ページ目|テクスチャ表現の工夫、試行錯誤
5ページ目|細かな演出の工夫

企業の採用担当者はポートフォリオを見る時間が5分ほどと言われているので、情報の優先順位が明確なポートフォリオはとても助かります。その作品を理解・判断するにあたり「絶対に見なければいけない情報」「時間があれば見ておきたい情報」がわかるからです。
1ページ目では上段にトータルの制作時間、下段にその内訳を書いています。ここも全体像を伝えたうえで細部を補完して優先順位をつけている例ですね。
※3ページ目以降は後述の「PICK UP!」でご覧いただけます。

■「何を表現したかったのか、そのために何をしたのか」シンプルに伝える


編集部:各ページのテキストもぜひ読んでみましょう!テキスト量は長すぎず、ちょうど読みやすいですね。そして「〇〇の表現をしたい。そのために〇〇をした」「〇〇するようにした」といった、デザインのゴール(目的)と理由が記載されています。
「どこを注目してこの作品を見れば良いか、この作品をどう判断すれば良いか。」読み手が必要な情報だけを汲み取れる設計になっていて親切です。

▼前作を活かした取り組みにも言及

PROFILE

増田 栞那 さん

HAL大阪CG学科CGアニメーション専攻卒
ゲーム会社のデザイナー職に就職

PICK UP!ポートフォリオのこだわり

限られた時間でここまでやった!企業が求める情報とともに説明

増田さん:冒頭作品では初めての3DCG制作でどこまでできたのかを伝えようとしました。2年制専門学校に入学して約半年後に就職活動が始まったので、制作期間も3か月程と短く、作品数も少ないものでした。
その短い制作期間の中でどのくらいのクオリティの作品を制作できたのかを大きく見せるように、作品のこだわった点や企業側が欲しいであろう情報(テクスチャ関係・メッシュ表示など)を分析し、わかりやすく伝えるよう工夫しました。

得意をアピール!後半に2D作品も掲載

※記事化にあたり一部編集しています。


増田さん:特に2Dに関しては自信があったので全面的に出すようにしました。
編集部:希望職種の実務内容である3DCGはポートフォリオの前半に、得意な2Dデザインは後半に。ポートフォリオ全体のなかでも作品の順番に優先順位がついています。
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ポートフォリオ一問一答

●このポートフォリオを提出した業界

ゲーム会社

●コンセプト

得意なことを伝える!

●ポートフォリオの構成

  • 表紙
  • 目次
  • 背景作品(3DCG)
  • プロップ作品(3DCG)
  • 学内課題(3DCG)
  • グラフィックデザイン
  • イラスト
  • デッサン
  • クロッキー
  • 自己紹介
  • 趣味の紹介

●制作時期

専門学校1年生の12月中旬~2年生の2月初旬

●制作プロセス

  1. デザインの方向性の決定
  2. レイアウトの決定
  3. Illustratorで作成(随時Photoshopなどで素材を作成)
  4. 先生や先輩にアドバイスをもらい、ブラッシュアップ
  5. PDFに変換

●ポートフォリオ制作に使ったソフト

Illustrator、Photoshop

●サイズ / ページ数

A4 / 20ページ

●印刷 / 製本方法

なし(データ提出のみだったため)

●制作にかかった費用

なし(データ提出のみだったため)

●制作するうえで参考にしたもの

ポートフォリオ百科、先輩のポートフォリオ、Pinterest

●表紙をつくるときに工夫した点

増田さん:表紙でポートフォリオのデザインの調子が伝わると思ったので、デザインの統一、どんな作品があるのかをひとまとめにしました。

●制作中にアドバイスをもらった人

増田さん:学校の先生、先輩
自分ではそう感じていなくても、相手から見たらよくできている点があったので、そのことをもっと伝えられるようにブラッシュアップしました。(コンポジットなど)

●ViViViTページと紙ポートフォリオの使い分け

増田さん:動画で作品を紹介するデモリールをポートフォリオでは掲載できないので、ViViViTページを使用して動画リンクを掲載しました。
編集部注:ViViViTでは動画をYou Tube、vimeoのリンクで投稿することができます!補足情報のテキストを添えることも可能です。 vivivit.com

●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス

増田さん:ポートフォリオを制作するとき、作品画像以外にどんな情報を掲載するか悩むことがあるかもしれません。その時は、作品制作の中でよくできたと感じたことや、自信が強くあることは大胆に掲載してアピールすることも1つの手だと私は思います。
どうしてその作品を作ろうと思ったのか、どういったところが上手くいったのか、作品の見どころをポートフォリオでどうやって惜しみなく相手に伝えられるか考えて制作してみてください。
背景モデラーは特にポートフォリオが見られると思います。これから作品制作していく中で、立ち止まって前に進めなくなることがあると思いますが、その時は目をそらして別の視野を広げたり、周りの人たちに相談したりしてみるのもいいと思います。あなたらしさが伝わるポートフォリオになるよう頑張ってください!

▼自己紹介ページは自身の制作価値観、人物像が伝わるような内容


 

編集部:増田さん、ありがとうございました!

増田さんも使った!ViViViTでポートフォリオをつくってみる
 
 

(2022.12.22)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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