今回ご紹介するのは、株式会社メンバーズに内定した近藤さんの就活ポートフォリオです。キャラクターデザイン学科に在籍しながら、WEB業界の企業の内定をもらうことができた近藤さんは、一体どのようなポートフォリオを作成したのでしょうか。さっそくポートフォリオを覗いてみましょう!
編集・執筆 / RINA SAITO,AYUPY GOTO
近藤岳さん
こんどう たけし
Web Designer
京都造形芸術大学 芸術学部 キャラクターデザイン学科 キャラクターデザインコース卒業。
株式会社メンバーズ WEBデザイナー職内定。
PICKUP!
まず、ポートフォリオ制作でこだわった点を教えていただきました。
文字の色までこだわり、自分が得意なデザインスタイルをアピール
近藤さん:文字の色です。自分自身がどのような色合いが好きで得意なのか、どのようにデザインのバランスを考えているのかを表現するため、こだわりました。
情報が伝わりやすいよう、余白は十分にとる
近藤さん:前述した文字の色と同じように、余白の使い方でも自分の好き・得意なデザインを伝えられると考え制作しました。情報が見やすくなるよう、ページはA3サイズにし、余白はゆったりととっています。
表紙から自分の個性を伝える
近藤さん:表紙のデザインです。「どんなことを考えて作品を作ってきたのか、自分自身がどのようなキャラクターなのか」を伝える大切な1ページだと考え、一工夫しました。「PORTFOLIO」と書くのも定番で良いかもしれませんが、オリジナルの名前をつけてみるのも良いと思います。私は、「TAKESHI GRAPHICS」と記載しています。
▼表紙をめくった次ページには、プロフィールページを。
ポートフォリオ一問一答
●このポートフォリオを提出した業界
WEB業界・印刷業界
●コンセプト
シンプルさと、カテゴライズ
●ポートフォリオの構成
- 表紙
- 自己紹介ページ
- もくじ
- プロジェクト作品
- コンペティション出品作品
- 自主制作作品
- 裏表紙
●制作時期
本格的に制作していたのは、大学3年生の4月頃〜9月頃
徐々に作り足して、常にブラッシュアップを繰り返した
●制作プロセス
(1)作品のピックアップ
(2)
作品の詳細の整理
作品のテーマ、制作プロセス・デザインの説明など、過去作品についても最低限の説明を記載
(3)
「何を伝えたいのか」を決める
「作品の豊富さ・デザイン感・やってきた実績」を中心に伝えたいので、見せたい実績順で作品を配置。
▼「プロジェクト」「コンペティション」「その他」の3カテゴリに分けた。
(4)
ページレイアウトを考える
PC作業の前に大体のレイアウトをアナログスケッチし、フォーマットを制作
(5)PCで制作
(6)大学のプリンターで出力
(7)クリップで留めて完成
▼CHECK! カテゴリごとのアピールポイントと、作品情報は何を入れた?
【プロジェクト作品】
伝えたかったこと:コンテンツのボリューム感・プロジェクト自体の経験値のアピール、それに伴う得意なデザイン感
説明文 :どのようにして進行管理していたかの「プロセス」、「参加人数・期間・自分の担当した部分」など
【コンペティション作品】
伝えたかったこと:課題やテーマ性についてどう噛み砕いてアウトプット出来るか、コンテンツのバリエーション
説明文 :「コンペティションの課題やテーマ」とそれに対する「考察」、「コンペの結果」
▼前述のプロジェクトではサインデザイン(ピクトグラム)やマップデザインが中心だったので、ここではロゴやポスターを中心に制作した。
【その他の作品】
伝えたかったこと:自主的な制作、活動について
▼課題作品のブラッシュアップ、アルバイトやインターンの成果物など、プロジェクト・コンペティション以外の作品を掲載。
●制作に使用したソフト
InDesign 、Illustrator 、Photoshop
●印刷 / 製本方法
大学で印刷 / クリップでまとめる
●サイズ / ページ数
A3サイズ / 37ページ
▼必要に応じてページの順番を差し替えれるようにするため、ページ数はふっていない。製本もせずにクリップ留めに。
●制作にかかった費用
印刷代とクリップ代合わせて、1,000円〜2,000円
●制作するうえで参考にしたもの
・インターン・企業訪問先のデザイナーの方のポートフォリオ
・大学内の先輩のポートフォリオ
・他の美大・芸大の学生のポートフォリオ
・カタログ制作・共有サイト「issuu」で、ページデザインなどを参考
・「Pinterest」でページレイアウト、ポートフォリオなどの検索ワードで検索
・本屋や街中にある雑誌などの冊子、印刷物
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
ポートフォリオをつくる際に、デザインだけを先行して作らないでほしいです。私は、ポートフォリオの持つ意味や本質を考え、「誰にどのように思ってほしいのか、感じてほしいのかを明確にすること」が一番大切だと感じました。この過程を経て初めて、どのようなプレゼンテーションにするのか・デザインにするのかを考える段階に来るのです。
そして、ポートフォリオは、一度作ったら完成というわけではありえません。何度もブラッシュアップをして、ようやく完成に近づきます。作ったからこそ分かることも多くあるので、少しずつでも早めにポートフォリオ作りを意識することが大事です。まずは、手元にある作品で作ってみましょう。
はたらくビビビット編集部より
大学3年次にポートフォリオを作り、作り終わった後も徐々に作品を増やしていった近藤さん。「シンプルさとカテゴライズ」というコンセプトのもと、余白をたくさん用いてデザインを構成しているのがとても印象的でした。ゆったりとしたレイアウトながらも、情報はすっきりと読みやすくまとまっています。
課題に対してどんなアウトプットで提案するかを大事にしていた近藤さんは、作品情報も丁寧に記載しています。「企業さんによってはビジュアルのみを見て文章は読まないこともあるが、”どのような考えのもと作品を作ったのか知りたい”という方も少なからずいるので、詳細は最低限載せた」と話していました。
また、ポートフォリオはページを調整しやすいように、クリップ留めにするなど、ポートフォリオの製本までこだわりを感じました。キャラクターデザインからピクトグラムのデザインまで幅広い作品を制作している近藤さん。今後、WEBデザイナーとしてどのような作品を生み出していくのか楽しみですね!
近藤さん、ありがとうございました!
近藤さんも活用した!ViViViTでポートフォリオをつくってみる
(2019/07/29更新)
(2018.11.7)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア