美術やデザインが好きな学生であれば、“絵を描くこと”を仕事にしたいと一度は思ったことがあるのではないでしょうか。「絵を描くシゴト」特集では“絵を描くこと”を仕事にしている、日本で活躍しているクリエイターをインタビューしていきたいと思います。
今回は、株式会社ディー・エヌ・エーで、ゲームのアートディレクション兼デザインのお仕事をしている高木正文さんをインタビューしました。将来、ゲーム業界の仕事に就きたいと考えている方に、ぜひ一度読んでいただきたいインタビューです。編集・執筆 /AYUPY GOTO
高木 正文
ArtDirector / Designer
1983年生まれ。バンタンゲームアカデミーを卒業後、株式会社スクウェア・エニックス、株式会社イルカなどを経て株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)に入社。現在も最前線でイラストを描く一方、アートディレクターとして数々の作品のディレクションを行う。過去参加作品は「ドラッグオンドラグーン3」「ファイナルファンタジー零式」「エルシャダイ」など。
Twitter:@mar_takagi
Pixiv:高木正文
“描くこと”だけが仕事じゃない。
仕事の領域を広げることで、キャリアも開拓する。
― DeNAでアートディレクター兼デザイナーとして働かれている高木さんですが、普段はどのようなお仕事をしているのでしょうか。
高木さん:DeNAには「アートチーム」というスマホゲームのイラストを手がけている部署があるのですが、僕はそのアートチームのリーダーを務めています。
任されている仕事は「ゲームのイラスト制作」「採用」「育成」「広報」と、大きく4つの業務に分かれていまして、ゲーム内に登場するクリエイティブのアートディレクション・イラスト制作の仕事がほとんどではありますが、決して作ることだけが仕事ではありません。
例えば「採用」「育成」業務ですと、DeNAでは受けてくださった学生さんの成長を目的に、演習をメインとした選考を行っています。学生時代にプロからゲーム開発を教えてもらえる機会はなかなか少ないので、「選考を教える機会にしよう!」と思ったわけです。具体的には、選考中にビジュアルを作っていただいて、現場のデザイナーがアドバイスをすることで、成長できるといった内容になっています。その演習自体も現場のデザイナーがつくり、選考を実施しています。そして、選考に関わったデザイナーが、入社後もメンターとして育成まで責任を持って担当するといったように、成長・育成に重きを置いています。
また、「広報」業務ですと、ゲーム関連のイベントや、美術系学校の講義やイベントに登壇して、DeNAの仕事や僕達の働き方をお話することもありますし、「DeNA CREATOR」というDeNAのクリエイター専用のブログの更新も行っています。
高木さんが携わってきたお仕事
― 業務範囲も幅広いのですね!アートディレクションのお仕事って、具体的にどのようなことを行うのでしょうか?
高木さん:ゲームの絵柄・キャラクター・世界観の方向性など、ビジュアルに関わることはすべてアートディレクターが舵を切って行います。社内でイラストを制作することもありますし、外部パートナー企業さんに発注して、社内の人間がアートディレクションしながら制作進行を行うこともあります。
プロジェクトにもよりますが、新規ゲームを立ち上げる時はコンセプトを考えるところから担当することもありますし、パートナー企業さんに値段交渉するところから任されることもありますよ。
― 高木さんが所属するアートチームは、ゲーム画面のUI制作も行うのでしょうか。
高木さん:UIデザインは専門のチームがまた別にあるので、そちらにお願いしている事が多いです。でももし思ったことがあれば、意見は出せる環境ですね。
― 高木さんは美術系学校で講師をしていることもあるそうですね。一体どのような講義をしているのでしょうか。
高木さん:その都度、学生さんが知りたい学びたいと思っている内容に沿って、テーマを決めてお話しています。
僕の場合ですと、ライブペインティングしながら絵の描き方やコツを教えることや、デザインの考え方、ゲーム業界についてなど坐学をお話することの両立が多いですね。授業後にはポートフォリオアドバイスの時間をつくって、学生さん一人一人とコミュニケーションをとっています。
▶︎先日行われた美大生200名向けのイベントの様子
決して早くないスタートも
周りに負けない圧倒的な努力が、確かな結果を導いた。
― 高木さんはいつから絵を描く仕事がしたいと思うようになったのでしょうか。
高木さん:僕が本格的にイラスト制作をはじめたのは、決して早くありませんでした。僕のターニングポイントは高校3年生の夏、工業高校に通っていたんですが卒業論文を書く必要があって、ロボットの論文を書いたりするのが当たり前な環境だったのですが、当時仲のよかった友達と“ギャルゲー”を一緒に開発して、そのギャルゲーについて論文を書こうという話になったんです。ギャルゲーに使うイラスト素材が必要だったので、そこで初めてパソコンを使って絵を描いたのですが、デジタルイラストの面白さにハマってしまってしまい、デジタルイラストを将来仕事にしたいと思うようになりました。
それから、卒業後はイラストの専門学校に通おうと思ったのですが、すぐに払える学費がなかったこともあり、一度学費を貯めるため就職することにしたんです。パソコン関連の企業にカスタマーエンジニアとして就職して、学費を貯めるために必死に働きました。早くお金を貯めるために本業とは別で土曜日にバイトもしていましたね。そして、1年遅れで念願の専門学校に入学できたんです。
― 専門学校に通うためにかなりの努力をされてきたんですね。
高木さん:専門学校に行きたいという気持ちも、一時的な幻なんじゃないかって自分を疑っている部分があったんです。なので、1年間絵から離れて働いてみて、それでも学びたい気持ちが残っていたら専門学校に行こうって決めていたんですよ。画力もやる気も心配ではあったのですが、1年間専門学校に入ることを目標に頑張ってみたら意外と続いたんです。
― 高木さんは専門学校入学後、イラスト学科の3Dコースを専攻していたと伺ったのですが、なぜ3Dコースを選ばれたのでしょうか。
高木さん:今でもそうなんですが、就職できるかっていう考え方だと、3D技術を持っていたほうが就職はしやすいんですよね。イラストだけを描く仕事よりも、どうしても3Dの仕事のほうが企業に求められやすくて、当時は特に3D全盛期だったので、3Dを勉強しておかないとダメだよって学校に言われていたんです。たとえ自分がイラストレーターとして働くとしても、その時に流行っている技術、3Dのことが理解できていないと、良い仕事を逃してしまう可能性がありますし、他の絵描きさんにも負けてしまうんです。3Dを勉強してから数年経ちましたが、3Dを学んでいない人と比べれば圧倒的に得していると思います。
― 3Dを学ぶことは、イラストの仕事をする上でどういったメリットがあるのでしょうか。
高木さん:特にゲームのデザインをする時は、すごく役立ちますよ。例えば3Dアクションゲーム。敵が目の前にいて、プレイヤーキャラがその敵の回りをぐるぐる回って戦闘するようなシーンを描く場合だと、色んな角度から見られちゃうので、その敵が立体に起こされたときに画面栄えするようにデザインしないといけないんです。なので、正面画だけ格好良くかけてもダメなんですね。プレイヤーキャラだってそうです。こういったゲームの場合は、ほとんど背中しか映っていないですから、背中だけ見た時でも動きやシルエットで格好良さを出すには、3Dにした時の感覚がないと描くのが難しいんです。できる仕事のフィールドを増やしたい人は、絶対3Dを勉強しておくべきだと思いますね。
― 最近ですとVRゲームも注目されていますよね!3Dの制作スキルは今後も求められることが多そうです。
イラストには幅広いテイストが存在すると思いますが、そういった表現幅は学生時代から磨いていたのでしょうか。また、一通り学んでどういった分野に進もうと決めたのでしょうか。
高木さん:一通りの技術や表現幅は専門学校で学びました。イラストや3Dだけでなくドット絵を制作していたこともありましたし、ゲーム画面のUI制作に挑戦したこともありました。でも、当時教えていただいていた先生に「線画よりも厚塗りがうまいね」という言葉をもらって、そこで自身の才能に気づいたんですよね。その言葉をもらってからは、厚塗りのイラストをひたすら描き続けていた気がします。
スクウェア・エニックス(以下、スクエニ)が作っていた「ファイナルファンタジーVII(以下、FF7)」との出会いが衝撃的で、FF7のようなゲームを作りたいという思いから、ゲーム業界を目指すようになっていました。僕の目標はとてもわかりやすくて「絵描きとして有名になること」だったので、大手で人気のある会社に入ることができればまず間違いないだろうと思い、人気のあるゲーム会社を数社受けて、もともと入りたいと思っていたスクエニに内定をもらうことができたんです。
― どんな夢や目標も、努力を積み重ねて掴んでいらっしゃるのがすごいですよね! 学生時代、特に努力していたことはありますか。
高木さん:多いほうなのかわかりませんが、学生のときは1年間で14冊のクロッキー帳を使いきり、出来上がったポートフォリオは2冊で1組になっていました。あと、画集を沢山買って、プロのイラストレーターさんの技術や表現を盗んでいましたね。
身の回りの誰にも負けないように沢山絵を描くことが、まず一つ答えだと思うのですが、様々な表現に触れて自分の得意なこと、自身の才能を早く見つけることが大切だと思います。講義を通して出会った学生に「僕、絵が上手くないんですよ」と、よく言われるのですが、それを言ってしまうと得意不得意の話の前に、自分を否定することで技術が伸びにくくなってしまうので、今の技術力を気にし過ぎずに、得意なことを信じてひたすら描き続けるしかないと思います。そうじゃないと何者にもなれないと思うんですよね。
高木さんのプライベートワーク
― 念願のスクエニに入社されてからは、どのように働かれたのでしょうか。
高木さん:実は僕、入社して10ヶ月くらいでスクエニを辞めちゃったんですよね(笑)。
― え!そんな早く辞められたんですね。一体何があったんですか……。
高木さん:とにかく僕が尖りまくっていたんですよ。
入社時にアサインされたのが絵描きとしてではなくて、3Dのモーションデザイナーとしてだったんです。3D技術や、他にも企画の仕事を学ぶことができて楽しかったのですが、どうしても絵が描きたくって「絵描きになりたくて就職したはずなのに、このまま働いたら一生絵描きになれないんじゃ……!」という考えが頭から離れなくなって、勢いで退職してしまったんです。今考えると、会社にちゃんと相談すれば部署を移してもらえる可能性もあったと思うのですが(笑)。
― 退職後はどのように働かれたのでしょうか。
高木さん:スクエニを退職したあとは、フリーランスのイラストレーターとして活動しようと思っていました。ですが会社を辞めた時、特にフリーランスとして働く準備をしていなかったので、イラストの仕事をもらうことが出来ない状態が続いていました。当時は特に、仕事をもらうコネやツテがなかったですし、作品を見せるにも、就活の時に使ったポートフォリオしか手元にはなかったので、今思えばイラストの仕事がもらえないのは当たり前のような状態なのですが(笑)。
そのままイラストの仕事を待っていても飢え死にしちゃうので、生きるために工業高校時代で身につけたプログラミングのスキルでホームページ制作をして生活費を稼いでいました。
当時は「pixiv」のようなイラストレーターのコミュニティもなかったですし、インターネットサービスもそこまで活発ではなかったので、自分の作品を発信する方法がホームページを立ち上げて作品を載せるぐらいしかなくて、結局フリーランス1年目はイラストの仕事がほとんどできませんでした。
でも、2年目に入った頃に、「mixi」のコミュニティにイラストや感想文を投稿していたら、僕のマネージャーになりたいという人が突然現れて……。
― マネージャー!?
高木さん:わけわかんないですよね(笑)。業界人ならまだしも、イラストの仕事を全然持てていない僕のマネージャーになりたいって言ってくれる人が現れるなんて。しかもその方は実は超有名なイラストレーターさんのマネージャーも務めているような方だったので「この方は有名なイラストレーターさんたちと同じように僕を扱ってくれるのか!?」と、驚きましたね。すごい変わっている人だと思いました。
でもそのマネージャーさんに出会ったおかげで、あっという間にイラストのお仕事を紹介してもらうことができたんです。もらった仕事の売り上げの3割を、マネージャーさんに渡すような契約形態でした。最初は全然うまく描くことができなかったので、1枚のカードイラストを描き終えるのに1ヶ月ほどかかってしまいましたが、技術力やスピードは仕事を積み重ねていくにつれて伸びていきました。そしてだんだんと個人でも仕事のつながりが出来てきたので、1年後に完全に独立して仕事するようになりました。
純粋にフリーランスのイラストレーターとして仕事していたのは2年間くらいで、ゲーム会社の立ち上げに携わりながらフリーランスとして働いていたこともありますし、一度辞めたスクエニから「FF」のお仕事をもらって描いていたこともありました。専門学校のティーチャーアシスタントとして働いていたこともありましたね。
あらためて就職するきっかけとなったのは、スクエニの仕事の打ち上げでした。打ち上げの場で偶然隣の席で打ち上げをしていた映像会社の社長さんが「イラストレーターを探している」と言ってきたんです。スクエニ時代の上司がその方とお知り合いだったみたいで、「ここに明日から暇な人がいますよ」って、僕を紹介してくれたんです。その場で意気投合して、その映像会社でアートディレクターとして入社して、数年働くことになりました。その会社に入るまで、アートディレクションの仕事ってやったことがなかったのですが、持ってないスキルを身につけるチャンスかもしれないと、任せてもらえるならやってみようと思ったんですよね。
学生時代から変わらない
「絵描きとして有名になりたい」という目標。
数少ないスターを目指して、可能性を探し続ける。
― 「有名になりたい」という目標が学生時代にあったじゃないですか。社会人になってからはどのようなキャリアを考えていたのでしょうか。
高木さん:学生時代に描いていたキャリアは、とにかくスクエニみたいな有名なゲーム会社に入れば、いつかすごい仕事が来て、僕の絵が自然と売れるようになる……っていう、簡単な思想しかなかったんですよ。でもそれが、前職の映像会社に入ってから考え方がガラッと変わったんですよね。アートディレクターとしていろんな人と関わったり、会社のホームページに自分の活躍を紹介してもらうなど、企業のなかで評価されることの大切さに気付いて、フリーランスと会社員どちらも経験したおかげで、僕が結果を出せそうな有名になるためのキャリアがなんとなく見えてきたんです。
僕の絵柄は幅広すぎて表現が尖がりまくっているわけでもないので、アーティストとして有名になるのは難しいと思っていて、どちらかというと、会社のなかのアートディレクターとして活躍するほうが可能性があると考え、成功しそうなキャリアプランをいくつか持って行動するようになりました。
前職は新たな可能性に沢山気づかせてくれましたし、仲間も好きすぎて転職は全く考えていませんでした。辞めるとしたら“起業する”しか選択肢がないと思っていたのですが、そんな時にDeNAからスカウトがきて、ゲーム業界でもう一度勝負してみようと考えるようになったんですよね。そして僕は転職して、今ここでDeNAの人間として活躍することを目指しているんです。
― 何故、今のお仕事を選んだのでしょうか。お仕事の魅力を教えてください。
高木さん:一般的によく言われていることですが、自分の描いた絵が世の中に出て評価される機会があるのは嬉しいことですよね。そして、好きな絵を描くことでお金がもらえるというのは本当にありがたくて、とてもやりがいがある仕事だと思います。
あと、クリエイターやデザイナーの人って熱心に仕事している人が多いじゃないですか。そういう人たちと一緒に仕事ができると高め合えて楽しいですし、ゲーム業界って絵を描いている人をリスペクトしてくれる人が多いので、お互いの技能を認め合って働ける環境があるのって、やりがいに繋がると思っています。尊敬している人に言葉をもらうと、頑張らなきゃって思いますね。あと単純に、ゲームをみんなで作るのは楽しいですよ(笑)
― DeNAでアートディレクター兼デザイナーとして働く魅力を教えていただけますか。
高木さん:DeNAは、一匹狼的なスタイルで働けるところが面白いんですよね。一人で幅広い領域の仕事に携わり、活躍することができるんです。今までの価値観だと、違う職種の人の仕事にまで手を出すと「なんで指示していない仕事までやってるんだよ」って、迷惑がられたりするのですが(笑)。DeNAでやると「そこまでやってくれたんだ!ありがとう!」と言って、一緒に良いゲームを作ろうと頑張れる環境があるんですよ。それが、僕からするとすごく新鮮だったんですよね。領域を広げて仕事ができるのは、成長できるし楽しいと思いますね。
― ゲームのイラストレーターやアートディレクターとして仕事をするために必要なことを教えてください。
高木さん:商業クリエイターという領域のイラストレーターとして仕事をするには、視野を広くして、柔軟で貪欲であることが大事だと思っています。自身の表現にこだわりの強すぎる人は意外と大変なところがあったりする職業なんですよ。描くイラストに好き嫌いが強すぎると、描けるイラストの表現幅がめちゃくちゃ狭くなってしまうんですよね。アーティスト性を活かして活躍している方もいますが、本当に一握りなので、技術職として広く描けるようになっていたほうが良いですね。好みのみで仕事を判断していたら、クリエイターとして働く寿命を縮めることになると思います。
あと、特にアートディレクターって受ける仕事が幅広くて、ゲーム全体の世界観をつくらないといけないので、普段からいろんな系統のゲームやクリエイティブをインプットしていないと、いざ任された時に普段触れていない世界観のゲームをつくるのは難しいんですよね。
でもそれだけではダメで、僕で言う厚塗りみたいな、何でもいいから得意分野があると自信になって仕事に活かされたりしますし、作りたいモノがあると貪欲に作品作りが出来ると思います。
― では、若いうちに特に身につけておくべき技術などはありますか。
高木さん:丁寧に描けることが一番大事だと思います。線が綺麗に描ける、塗り残しがない、はみ出しているところがない、レイヤー分けが綺麗……とか、基礎的なところを意識してちゃんとやれるかどうかっていうのは重要ですね。
それを極めるのは意識の問題だと思うんですが、意外とできない人が多いんですよ。丁寧さというのは、その人の意識次第なので、教えようがないんですよね。丁寧じゃないものは、単純に商品にならないことを理解しておく必要があります。
新卒で入社した社員は最初、ベテラン社員のアシスタントのような仕事をする事が多いので、上司が描いている絵の一部を手伝ってもらうことが多いのですが、その描いてもらった一部が丁寧じゃないと、その作品全体の価値が下がるし、売り物にならないんです。そこは、特に学生や新卒には口を酸っぱくして言っています。
イラストを描くスピードは、経験を積み重ねれば後からついてくるものなので、最初はあんまり早く描くことばかり考えないほうがいいよって学生に言っています。どちらかというと、最初は時間をかけて、めちゃくちゃ丁寧に描いて、クオリティの高い絵を完成させる力を身につけたほうが良いですね。スピードを上げることから鍛えると、手を抜くことばかり身についちゃうので、より良い商品を作る心掛前を身につけて欲しいですね。
― どの職種も、丁寧な仕事ができる人は重宝されるのですね。
では最後に、高木さんは今後どのようになりたいですか?目標を教えてください。
高木さん:やっぱり「有名になること」は諦めていません。僕が働くスマホゲーム業界には、デザイナーのスターがまだ少ないと思っていて、今の目標はこの業界のスターになることですね。
例えばコンシューマーゲームだと、FFの野村哲也さんといった、有名なゲームクリエイターがいらっしゃいますが、スマホゲーム業界にはそのレベルの有名なクリエイターがまだまだ少ない。
いたとしても、コンシューマーですでにスターの方だったり。ゲームの数からすると、もっといていいはずなんですよね。
ヒットゲームが出たからといって、そのビジュアルに携わったクリエイターが今有名になっているかというとまだ足りて無くて、そこがリンクしないのもまた難しいところなのですが。
会社のアート集団として、ゲームのアートディレクションとデザインする人としてスターになることを目指したいです。そして、絵を描く一人として戦い続けたいですね。
将来、絵を描くことが好きな子供たちが僕を見て、こんな仕事や働き方がしたい!と思ってもらえるようになれたら嬉しいです。
何処かで出会った作品や人に憧れて、クリエイターを目指すようになった人も多いはず。「活躍したい!有名になりたい!」という思いは、どのクリエイターも心の奥に持っているものではないかと思います。まだ少ないスマホゲーム業界のスターを目指して、自身の領域や仕事を開拓している高木さんの今後の活躍がとても楽しみです。
高木さん、素敵なお話ありがとうございました!
(2016.8.10)
著者
後藤あゆみ
はたらくビビビット編集長。 フリーランスで“『ツクル』を仕事にしたい未来の子供たちのために。”を、コンセプトとして活動。クリエイター支援、スタートアップ支援を行っています。おばあちゃんになるまでに美術館をつくるのが夢です 。
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