「一般市場で勝負するには、デザイン以外の個性が必要」《サンリオ》ライセンス事業本部で働くクリエイターとは【後編】

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株式会社サンリオのライセンス事業本部で働くクリエイターインタビュー!<前編>では、ライセンス事業本部のお仕事内容や、携わったプロジェクトについて詳しく伺いました。<後編>では、サンリオのお仕事の魅力や、サンリオに就職したい学生クリエイターに向けたアドバイスなどをお話いただきます。サンリオのお仕事に興味のある方、サンリオでデザイナーとして働きたいと考えている方は、必読のインタビューです。編集・執筆 / AYUPY GOTO

ライセンス事業本部のお仕事インタビュー【前編はこちら】
 

 

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シュウヘイ

株式会社サンリオ ライセンス事業本部 デザイン部 プランニングディレクター

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ヒキチ

株式会社サンリオ ライセンス事業本部 デザイン部 チーフクリエイター

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リュウ

株式会社サンリオ ライセンス事業本部 デザイン部 クリエイター

 

 

「ライセンス事業本部」とは
「ライセンス事業本部」は、サンリオで育てられたキャラクターを他社のコンテンツとコラボレーションして商品化するのが主なお仕事。現在、数百社の企業と取引をしており、世の中に多くの商品を生み出している。
また、クライアントと一緒に商品開発を進めることもあれば、ライセンス事業本部で商品を考えてクライアントに提案する場合もある。扱うキャラクターに関しても、ハローキティ、マイメロディ、キキ&ララ、ポムポムプリン、シナモロールといった人気キャラから、けろけろけろっぴ、おさるのもんきち、タキシードサムといった懐かしキャラ、ぐでたまやSHOW BY ROCK!!といった新しいキャラなど、幅広いキャラクターを扱う部署である。

 

― サンリオで働けてよかったと感じることや、忘れられないお仕事はありますか。

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シュウヘイさん:さまざまな業界の企業さんと一緒にお仕事をしてきたのですが、自分の好きなブランドやゲームとお仕事できるときはすごく嬉しいですね。また最近は、グローバル事業も順調で、海外出張する機会なども増えています。グローバルなお仕事に携わりたいと考えている人にとっては、さらに楽しめるお仕事だと思います。
今まで携わったお仕事で印象深いのは、「ぐでたま」や「KIRIMIちゃん.」が生まれた「食べキャラ総選挙」という社内デザイナーのキャラクターコンペで、私の作ったキャラクターが7位になったことです。初めてサンリオのオリジナルキャラクターとして、自分のキャラクターを商品化する経験ができたので、完成した商品を手にしたときは非常に嬉しかったですね。

シュウヘイさんが「食べキャラ総選挙」で制作したオリジナルキャラクター
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リュウさん:最近は、SNSでもファンの反応が見られるので、良い反応をもらえたときは嬉しいですね。
また、原宿のキデイランドさんで「SHOW BY ROCK!!」のポップアップショップを開いた時は、開店前から300人ほどの行列ができていて、ファンの熱気や「SHOW BY ROCK!!」の成長を感じることができ、すごく嬉しかったです。

ヒキチさん:やりがいを感じるのは、自分が作ったデザインが商品化された時です。また、サンリオが発行している「いちご新聞」を小学生の時にずっと読んでいたのですが、その昔読んでいた「いちご新聞」に、自分が関わった商品が今載っているのを見ると感慨深いですね。じわじわくる喜びがあります。

シュウヘイさん:ライセンス商品は、サンリオショップ以外の一般市場でも多く売られるので、街を歩いていると自分が携わったデザインによく出会います。携わってきた仕事に街中で出会うたびに、モチベーションが上がっていると思います。

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― より良いお仕事にするために日頃から努力していることはありますか。

シュウヘイさん:日常業務になっているので、特に努力している感覚はないのですが、視野を広げていろんなことに興味を持つようにしています。クリエイターには、ゼロから物を生み出すタイプの天才型もいると思いますが、私はいろんな情報と情報を掛け合わせて新しい物を作っていくタイプなので、アウトプットばかりしているとアイデアも無くなっていくというか、似たようなものばかりになってしまうので、できるだけいろんなジャンルの物や情報に興味を持って、触れるようにしています。情報収集の方法ですが、クライアント先の方々は業界の専門的な知識を持たれているので、打ち合わせで話を聞くだけでもその業界の貴重な情報を得ることができて、いろんな方と仕事をすることで自然と情報収集ができています。

リュウさん:日頃からかわいい!かっこいい!と思ったものを、写真に撮って残したり、画像保存したり、メモしたりして、自分の中にストックするようにしています。キャラクターグッズに限らず、音楽・アニメ・マンガ・ゲームなど面白そうなものや流行り物は、ひととおりチェックするようにしています。

ヒキチさん:コミュニケーションを意識してとることも大事だと思っています。努力していることとは少し違うかもしれないのですが、ライセンスは個人より、グループワークで仕事を進行することが多く、いろんな人と関わってものを作っていくので、会ったら挨拶をするとか、声をかけるとか、何か交流できるきっかけがあれば参加するとか、そういった活動が意外と仕事に繋がっているんじゃないかと思います。

作ること以外の好きなことを極める
それがいつか勝負できるスキルになる。

― 社内でスキルを向上するための取り組みがあれば教えていただきたいです。

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ヒキチさん:社内の色々な部署の若手から中堅と呼ばれる人たちを対象にした「若手研修」という取り組みがあって、私も参加しています。外部から講師をお招きして、毎回さまざまな企業の事例を読んで、その事例をもとに「マーケティング分析」をして、グループごとに答えを導き出す訓練をしています。また、そこで答えを出したら終わりではなくて、自分の仕事に置き換えたらどのように行動するのか質問されて、さらに考えるというのを全9回で行っています。大体月1開催のペースですね。内容的には「マーケティング研修」になるので、参加者にデザイナーの人はそこまで多くないのですが、前から興味はあったので私は参加してみました。とても勉強になりますし、ライセンスの仕事でも活かせそうなことが沢山学べます。また、その研修で初めて知り合うような人もいっぱいいて、まだつながりのない社内の人たちと交流ができるのも、大きい収穫ではないかと思います。

 

― いろんな案件がくると思うのですが、その分担はどのように行うのですか。

シュウヘイさん:大きな案件に関しては私の方でアサインをしていきます。通常のデザイン制作では、二つのグループがあるので、そこから仕事が配られています。

リュウさん:好きな仕事を担当するために、一つの手じゃないですけど、普段から「こういうジャンルが好きなんですよね」という話を人に話しておくのは良いと思います。

― 男性のデザイナーさんが、女性向けのサービスやプロダクトを担当するようなこともあるのでしょうか。

リュウさん:そうですね。私が今ちょうど「ティーン女子向けのデザイン開発」を担当していますが、ティーン女子を理解するために、その年代の読む雑誌を読んだり、雑貨屋を巡ったり、「今こういうのが人気なんだ」っていうのを自分の中で積み立てて、制作に挑んでいます。あまり性別は関係ないですね。

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― ライセンス部門は、今どのようなスキルを持った学生を求めているのでしょうか。

シュウヘイさん:ライセンス事業本部が勝負するのは、サンリオショップのお客さんだけじゃない一般市場というところなので、広告代理店と同じように、キャラクターをデザインモチーフとして考えて、グラフィックデザインやディレクションができる人がいると助かります。そして、指示された仕事だけに真面目に取り組む人よりは「それだったらこういう風にしたほうがいいんじゃないでしょうか」と提案できるタイプの人のほうが、ライセンスには向いていると思います。それからスキルでいうと、デザインができるというのはもちろんなのですが、多種多様な企業さんと関わることになるので、これだけ出来れば大丈夫というスキルは特にないんですよね。ゲームだったら任せろだとか、ブランドにすごく詳しいとか、語学が堪能とか、料理が得意とか、デザイン以外の能力や特性が一つや二つあると、それがいつか役立つスキルになっていくのだと思います。

― サンリオの採用試験の際に、どういったところを見ていますか。

シュウヘイさん:ライセンス事業本部が求めているデザイナーを選考する場合ですが、ポートフォリオに必ずしもキャラクターがいないといけないわけではなくて、このデザインを作った人がサンリオのキャラクターを手がけたらどんな風になるんだろう……と、興味を持たせるような作品があるとすごく良いです。あと、作品やポートフォリオの作りが丁寧な方が良いですね。たまに作品が良くてもポートフォリオのノリが剥がれていたり、作品が素晴らしいのにそれを説明するタイトルや説明文の書体の選びまで意識が回ってなかったり、デザイナーとして細かい部分まで気を配って制作できてないと、残念だと思ってしまいますね。ライセンスの仕事は、企業に向けてのプレゼンテーションが非常に多いセクションなので、少なくとも自分の作品のプレゼンテーションがきちんと出来る人がいいですね。

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― 学生時代に経験して欲しいことはありますか。

ヒキチさん:英語ですね。私の仕事は、海外のデザイナーさんと交流することが多々あるのですが、私は全然英語ができなくて、誰かに間に立って通訳してもらわないと話が出来ないので、英語のスキルを早いうちに身につけておけば、もっと密な話や雑談ができて、仕事がもっと楽しくなったのではないかと思います。身につけて無駄になるスキルじゃないと思うので、今のうちに学んでおいて損はないですね。

シュウヘイさん:IllustratorやPhotoshopなど、デザインまわりのスキルを持っていることは、入社した後だと出来て当たり前になってきます。ツールが使えることは個性にはならないのです。なのでそれ以外の、プラスαとなる自分の持ち味を出せるように、好きなものや趣味を持っていると、デザイン業界に入った時にその人の個性として強みにできるポイントになる思います。就活で忙しいとは思いますが、個性を磨くことは大事にしてほしいですね。

― みなさんの今後の目標を教えていただけますか。

シュウヘイさん:面白いと思ってもらえること、自身が面白いと思えることにチャレンジしていきたいと思っています。面白いの定義は、今までやってなかったものを作り出したり、十分だと思われていた仕事を10倍の労力をかけてやってみたり、誰も進んだことのない雪道に初めて足跡を残すように、世の中にとって初めての体験を沢山生み出していきたいです。

リュウさん:今は「ぐでたま」と「SHOW BY ROCK!!」の仕事を担当することが多いので、ライセンスデザイナーの立場として、もっと多くの人たちに、商品に触れてもらえるようなデザインを提案していきたいです。また、そうした経験を活かし“キャラクター育成”に強いデザイナーになれればと思っています。

ヒキチさん:色々な人にもっと持ちたいと思ってもらえるような「ミスターメン リトルミス」のかっこいい商品を作って、日本でも知名度を上げて、キャラクターを成長させていきたいです。「なんかこのキャラクター良いね、かっこいいから買ったけどサンリオなんだ!」「サンリオって可愛いだけじゃないんだね」って言ってもらえるように広げていくのが目標です。

― 最後に、サンリオを受けようと思っている学生に向けてメッセージをお願いします。

ヒキチさん:私がサンリオを受けた時代は学内選考だったんです。会社が大学に来て、試験をやってくれる形式で「来てくれるのだったらチャレンジしようかな」といった気持ちで、移動しないで済むお得感からエントリーしてみたのですが、それで結果内定をもらえたんですよね。もちろんエントリーした後は、一生懸命課題に取り組んだりしたのですが、基本的に自分に自信がない人間なので、学内選考がなかったら「自分には無理だろう」と諦めて、サンリオを受けなかったと思うんです。でも、結果的に入ることができたので、自信がなくても、得意だと思っていなくても、少しでも興味があったら受けてみるというのが、一番大切なんじゃないかと思います。自分では苦手だ・自信がないと思っていても、その力を見て決めるのは企業側なので、将来後悔しないためにも、興味があったらぜひ受けてみてほしいです。

リュウさん:就職活動で忙しくても、近くのいろんな人と話す時間をつくってほしいです。就活してる時ってどうしても、自分の弱さに目が行きがちなんですけど、友達や先生、企業の人にポートフォリオを見てもらって意見をもらってみると、自身の意外な才能や強みに気付けたりします。私がサンリオを受けたきっかけも、先輩から「サンリオ向いてるんじゃないの」って言われたことがきっかけだったんです。先輩に意見をもらったことで、そういう道もあるんだということに初めて気付いてサンリオを受けたので、人と話をするだけでも何かしら発見があると思います。
あとは入ってから気付いたのですが、「サンリオ」と聞くと女の子っぽい仕事のイメージがあると思うのですが、ライセンス事業本部の仕事は特にいろんな業界の企業さんと一緒に仕事をするので、性別関係なく楽しめる仕事が沢山経験できて、意外と面白いんですよ。最初は私がサンリオに入ったら何をするんだろうと思ったこともありましたが、男女関係無く、「男性だからこそ活躍できる仕事」も沢山あります。

シュウヘイさん:学生のうちは自分のこの作品が素晴らしいんだ!こういう風にやってくんだ!とあんまり自身の判断で決めうちをせずに、いろんな可能性を引き出すために様々な表現にチャレンジしてほしいです。自分が思っていなかった魅力というものは、企業側が見つけてくれるケースも非常に多いので、幅広い作品を見せていただきたいと思っています。

― ライセンス事業本部では、視野を広く持ち、個性を大切にしたクリエイターを求めているようです。性別関係無く活躍できる環境が整っている「サンリオ」。自身で可能性を狭めず、少しでも興味があれば是非サンリオのクリエイター職にエントリーしてみてはいかがでしょうか。
インタビュー【前半】では、ライセンス事業本部の仕事内容や取り組みについて詳しくお話しいただいているので、読まれていない方は是非チェックしてみてくださいね!

サンリオ ライセンス事業本部のお仕事インタビュー【前編はこちら】
 
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Ⓒ 2013, 2016 SANRIO
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※選考方法等は、取材当時のものです。本年の採用につきましては、サンリオの募集要項を必ずご確認ください。
(2016.2)

Ayupy Goto

著者紹介

後藤あゆみAyupy Goto

はたらくビビビット編集長。 フリーランスで“『ツクル』を仕事にしたい未来の子供たちのために。”を、コンセプトとして活動。クリエイター支援、スタートアップ支援を行っています。おばあちゃんになるまでに美術館をつくるのが夢です 。
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