「福利厚生」という言葉を聞いたことがありますか?福利厚生は大きく二種類に分類され、法律で定められているもの、企業が独自に定めているものがあります。企業が独自に定める福利厚生制度は様々な種類があり、企業を選定する際にチェックすべきポイントのひとつとなっています。これを機に理解を深めて、企業選びに役立てましょう。
編集・執筆 / MAMI INUZUKA, AYUPY GOTO
目次
- 1.福利厚生とは
- 2.一般的な福利厚生の例
- 3.カフェテリアプラン
- 4.ユニークな福利厚生
- 4.最後に
1.福利厚生とは
- 福利厚生とは
福利厚生とは、企業から従業員へ支給される給料以外の報酬のことをいいます。
福利厚生は法律で定められている法定福利厚生と、企業が独自に定める法定外福利厚生の二種類に分類されます。
- 何のために導入されているのか
福利厚生は企業が労働力の確保や定着、勤労意欲を向上させることを目的として導入されています。福利厚生が充実していることで、働く側は安心して働くことができ、しっかり能力を発揮することができます。
2.一般的な福利厚生の例
・法定福利厚生
- ・社会保険料の負担
- ・児童手当拠出(きょしゅつ)金
社会保険とは、企業に入ると強制的に加入させられる以下のような補償制度のことをいいます。介護保険は40歳以上が加入することになっていますが、それ以外は会社に入社した際に加入することとなります。労災保険は全額、その他は半額が会社の負担となります。
社会保険の例
・雇用保険 ・健康保険 ・介護保険 ・労災保険 ・厚生年金保険
子供がいるいないに関わらず、給料の0.15%が児童手当の財源の一部として収められます。これは事業主が払うものであり、働く側の負担はありません。
児童手当
国・地方公共団体から子育てをしている世帯へ支給される手当のことです。0~3歳未満までは1万5000円、3歳〜小学校修了までは第一子と第二子は1万円、第三子以降は1万5000円、中学生は一律1万円が一月分の支給額となります。
・法定外福利厚生
- ・住宅手当、家賃補助
- ・交通費
- ・家族手当
- ・健康診断補助
- ・社員食堂
家賃や持ち家のローン返済の一部を企業が負担する制度です。平均補助額は月1~2万円程度となります。
通勤にかかる費用を企業が負担する制度です。
扶養家族がいる場合に、配偶者には月1万円、子供には一人につき8千円など言ったように、生活補助として支給されます。扶養手当とも言います。金額や支給条件はは企業によって異なります。
健康診断や、人間ドックの費用を会社が負担する制度です。
専用の食堂が設けられ、費用の一部が会社負担となるため通常より安く利用できる制度。無料で利用できる企業もあります。社員の健康維持という役目も担っています。
3.カフェテリアプラン
会社が用意した福利厚生の中から、自分が好きなものを選択するというカフェテリアプランという制度が導入されている会社もあります。
各自が持ち点(ポイント)を与えられ、その範囲内で自分に合ったものを選ぶことができます。したがって、しっかりと福利厚生の恩恵を得ることができます。
4.ユニークな福利厚生
近年、企業が独自のユニークな福利厚生を取り入れることも多くなってきました。実際どういった福利厚生があるのか、一部の制度をご紹介いたします。
1.GMOインターネット株式会社
おひるねスペース GMO Siesta
午後の作業効率アップのために20分程度のお昼寝を社員に推奨しており、12時半~13時半の間、会議室を仮眠スペースとして開放し、誰でも気軽にお昼寝ができるようになっています。
2.UNITED株式会社
朝Go!飯
毎週月曜日に朝ご飯を無料提供される制度です。朝ご飯を食べること、社員同士が朝から気持ち良く挨拶を交わすことができ、オフからオンへの切り替えを図っています。
3.株式会社 Eyes, JAPAN
フリービタミン制度
朝食を抜いて血糖値が下がっている人が多いGeekのために、バナナやオレンジ等が常備されています。 フルーツを食べて血糖値を上げ、頭をすっきりとさせて仕事に臨めます。
4.株式会社ゆめみ
野菜支給制度
仕事に集中するあまり食事を簡単に済ませるメンバーに対して、”健康への意識を少しでも高めてもらいたい"という想いから立ち上げられた制度です。毎月一回農家で採れた新鮮な野菜が会社に届き、メンバーへ手渡しされます。
4.Sansan株式会社
Know me!(のーみー)
他部署の日頃深く関わったことのないメンバーとの懇親会費用を補助する制度です。会社から1人3000円が支給され、他部署で過去に飲みにいったことがない3人と飲むことができます。
5.株式会社クックパッド
まかない
社員が会社に支給された食材を使用し、会社のキッチンで料理をして、食事をとることができる制度です。ユーザーが投稿したクックパッドのレシピを見ながらランチを作るのが日常の光景となっているようです。
5.最後に
今回ご紹介した福利厚生は、企業で働く上での働きやすさやモチベーションへとつながるため、重要であると言えます。また、社員の声から新たな福利厚生制度が生まれていく企業もあるので、どのようにして制度が決まるのか、というポイントも気にしてみると企業選びの際に役立つのではないでしょうか。
(2016.2.15)
著者
犬塚茉実
名古屋市立大学 芸術工学部所属。デザイン系の学科に所属していますが、Webデザインは独学で勉強中。Web上での人と人とのつながりに感動する日々です。現在はアメリカのシアトルでビジネス留学をしています。好きなものはコーヒーとタイ料理!
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