最近とても暑い日が続いていますね。なんと、今月8日に群馬県館林市は36.5度の最高気温を記録しました。また、環境省からは熱中症の危険があるので、日中は運動を控えるよう注意が出ている地区もあるようです。普段、私たちはクーラーをつけたり、扇風機をつけたりして暑さを凌ぐことが多いですが、この夏はスマホで涼むという、ユニークな過ごし方をするのはいかがでしょうか。スマホの使い方も一工夫すれば、人の「感覚」に訴える体験ができるのです。今回は「手軽」に「楽しく」、涼むことができるスマホアプリを5つご紹介します。
編集・執筆 /OSARAGI, AYUPY GOTO
目次
- 1.夏といえば……
- 2.スマホで夏を手軽に涼む!
- 3.夏を乗り切るスマホアプリ
- 4.最後に
1.夏といえば……
夏といえば、海、スイカ割り、風鈴、お祭りなど、「涼む」ための風物詩が目白押しです。
海水浴は万国共通の涼むための方法ですが、興味深いことに「風鈴」は日本人ならではの涼むアイテムなのです。それは日本がまだクーラーなどがなかった頃、日本人は風鈴の音を聞くことに涼しんでいました。透明なガラスでできた風鈴が風で揺れ、「チリン」という音が聞こえることで「涼しい」と感じるようになっていったのです。そもそも「風鈴=涼しい」と脳で認知ができないと成せないことで、「想像力」がないと涼しいとは思えないのですね。
私たちは「知覚」を通じて色々な感覚を持ちます。「寒い」「暑い」といった感覚は視覚や聴覚などの「知覚」を通じて伝わってくるものです。したがって、その経験に基づいた「知覚」を刺激すれば「涼しい」と感じることも可能になります!
2.スマホで夏を手軽に涼む!
スマホを利用すれば、知覚を程よく刺激し、手軽に涼むことができます。その秘密は2つあります。
一つ目は「スマホのテクノロジー」です。スマホは視覚を刺激する画像(動画)、聴覚を刺激する音を表現することができ、手軽に操作できます。それに加え、スマホにはたくさんのセンサーが入っています。スマホにはバイブレーション、照度センサー(明るさ)、近接センサー(距離)、GPSセンサー(位置)、ジャイロセンサー (傾き)、加速度センサー (慣性)の大体6個のセンサーが含まれているのです。よって、これらのセンサーをアプリに持ち込むことで、さらに没入感を得られ、体験を濃くすることができます。
二つ目は「利用者」です。LINEは7月24日、2017年4月に全国で実施したインターネットの利用環境に関する調査結果*1を発表しました。なんと15〜59歳の「スマホ利用者」は89%に登り、その中で「スマホのみ」の利用者は全体の46%を占めました。そして、10代に限ると「スマホのみ」の利用者は76%にも登るのです。それだけどの世代にとっても、スマホは人々の生活に溶け込み、身近に利用されているといえます。
*1……参考:http://news.mynavi.jp/news/2017/07/24/272/
これら2つの理由から、スマホを使わずして涼しくならないのはもったいないということです。
スマホから伝達される情報によって自らの知覚を刺激し、涼しくなりましょう!
3.夏を乗り切るスマホアプリ
それでは早速、暑い夏を涼しくしてくれるユニークなアプリを5つ紹介したいと思います。*2私(Mayu Osaragi)が実際に使用し、「涼しさ」をどれくらい感じられたかも記録していきます。
*2……今回ご紹介するのはiOSアプリのみ。
風鈴-Japanese Wind Chime-
音を聞くだけで涼しい!4つの音色と風鈴の揺れ
このアプリはpickles inc.が開発した「風鈴の音を聴き、涼むことができるアプリ」です。4種類の形と音が異なる風鈴を見て、聞くことができ、風情を感じることもできます。風鈴が鳴ることで風が吹いているかのような錯覚を覚えます。
普段携帯できない「風鈴」を場所を選ばず、どこでも持っていけるのがいい点ですね。
お昼寝タイム時に風鈴の音を鳴らしておくと、すぐに寝れそうです。
涼しさバロメータ
★★★☆☆
「風鈴-Japanese Wind Chime-」をダウンロードする
桜金魚すくい
iPhoneがポイに変身する?美しい波紋とリアルな金魚
このアプリは、GIGA-RENSYA Inc.が開発した「美しい金魚と波紋を眺め、涼しさとともに和を感じるアプリ」です。驚くことに、全15種類の多彩な金魚がおり、リアルで美しい仕上がりになっています。そして、すごい!と思った点は「傾き操作」ができることです。iPhone本体を「ポイ」として扱い、本物の金魚すくいのように楽しむことができます。ポイを水の中に入れる際の「ポチャッ」という音も涼しげでとても癒される要素の一つですね。
また、「イージー」「リアル」といったモードを選んで遊ぶことができ、「リアル」ではまるで生きている金魚がスマホの中にいるような動きをします。その上、格段に掬うのが難しくなり、ポイもすぐに破れてしまいます。この点に開発者のこだわりを感じました!
暑い中、人を待っているようなスキマ時間にプレイしてはいかがでしょうか。
涼しさバロメータ
★★★★★
iBeer FREE
iPhoneでゴクゴクビールを飲もう!?
このアプリはHottrixが開発した「まるで本当のグラスに入ったビールを飲んでいるかのような体験ができるアプリ」です。
夏といえばやはり、キンキンに冷えたビールでしょう!ビールのシュワシュワ〜という音やiPhoneに注がれたビールのグラフィックも本物そのもの。また、傾けるとビールが減り、飲み終わるとゲップをします(笑)。もっとも驚いたのはiPhoneから他のiPhoneへビールを注ぐこともできる点です。
残念ながら、実際に飲むことはできません。けれども、このアプリがあれば友達とビールで乾杯をし、ほろ酔い気分で涼めますね!ビールを飲むことができない子供たちはこのアプリを通して擬似体験ができるので夢中になるそうです。
涼しさバロメータ
★★★☆☆
米里の色と音
気分はまるで田舎のおばあちゃんの家
このアプリはTakumi Shirakawaさんが開発した「静かな東北の農村である米里の夏の風景写真と環境音を鑑賞し、田舎の空気感を擬似体験できるアプリ」です。夏になると祖父母の住む地方に帰省をする方も多いのではないでしょうか。収録されている音は小川のせせらぎの音、セミが鳴く声、雨の音……などなどバリエーションは豊富です。また、田舎の風景スライドショーとともに涼しい音色を楽しむことができるので、よりその場にいるような感覚にさせてくれます。
なかなか忙しくて帰郷できない都会人にはもってこいのアプリです!
東京で過ごす夜はなかなか暑いので、寝る前にこのアプリの音色を聞けば、涼しく眠りにつけそうですね。
涼しさバロメータ
★★★★☆
実録!怖い話
あなたの知らない怖い話が700話以上収録!
このアプリはThomson Inc.が開発した「身の毛もよだつ怖い話で冷やっとするアプリ」です。夏といえば「怪談」ですが、その怪談を手軽に片手で楽しむことができます。このアプリの目玉は毎週話が更新され、700話以上の怖い話を収録しているところです。また、ユーザの実体験が投稿され、読んでも書いてもゾォ〜っとすることができます。投稿された実体験は妙にリアリティがあって鳥肌ものです。他にも心霊スポットやホラー映画などもあり、充実したコンテツとなっています。
「怖い話」のコーナーは文章のみですが、それが逆に想像力を引き立ててくれます。真夜中に友達と怖い話の読み聞かせをして涼んでみるのも楽しいかもしれません……。
涼しさバロメータ
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「実録!怖い話」をダウンロードする*9歳以下の子供には不適切な内容が含まれます。
4.最後に
現在、スマホアプリには「感覚に訴える」要素を取り入れたアプリが増えているように思います。それはセンサーが内蔵されていたり、動画やインターネットの接続が容易になったりしていることで、スマホで「できること」が増えたからです。また、生活の中に占める「スマホ」の使用率が増え、簡単に「癒されたい」と思う人々の需要が高まっているともいえます。
今回はセンサーを用いたアプリの紹介を一部しましたが、まだまだセンサーを利用した体験ができるアプリは少ないと思います。スマホの持つテクノロジーで「人々の癒し」につながるアプリが今後も増えていくといいですね。そして、今回の内容は「ユーザーを没入させるにはどうすればいいか」というデザインのヒントにもつながります。ぜひ、実際にアプリを利用し、暑い夏に「涼しさ」を感じてください。
(2017.7.27)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア