年齢関係なく出会う人と友達になる、私らしい仕事の見つけ方|人間 デザイナー 社領エミさん

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「就職活動や面接が苦手」「でも就職先はみつけたい…」そんなふうに思う人も少なくないと思います。今回お話を伺った株式会社人間のデザイナーのえみさんも同じような考えを持つ一人の学生でした。そんなえみさんがどうやって働く場所を見つけたのか、就活に悩む学生にとってヒントが詰まったインタビューになっています。編集・執筆 / AYUPY GOTO

社領 エミしゃりょう えみ

Designer

京都精華大学 デザイン学部 デジタルクリエイションコース卒業。

株式会社人間 デザイナー。アプリやWEBサービスのデザインを行う。

詳しいプロフィール

大道具の制作や掃除もやります、まだまだ新人なので!

― “人間”って面白い社名ですよね。どのようなお仕事をしている会社なのでしょうか。

社領さん:大阪にある制作会社です。社名からなんとなく察していただけたかと思いますが、私の会社は面白いことがしたい制作会社です。企業理念にも『面白くて 変なことを 考えている』とありますが、世の中にない面白い企画ができたらと、WEBサイト制作やプロモーション企画、イベント企画など、いろんなことに挑戦しています。「関西って面白い人多そう」とよく言われるんですが、意外とアホなことする会社が少ないので、貴重な”関西のアホ会社”と呼ばれる位置にしがみついています。笑

― 具体的にどのようなお仕事を担当しているのでしょうか?

社領さん:様々な仕事をします。例えば、弊社と株式会社ニッセンさんでは、一般の方々とニッセンさんとの距離を縮めるといった趣旨で『ちょっと待って!ニッセン部』というWEBメディアを運営しています。
またイベントですと、アドテック東京の公式カンファレンスに呼ばれなかった人間達が、公式カンファレンスだと思って勝手にしゃべるアホなイベント「アホテック東京」を主催したり。

1_アホテック東京

アホテック東京 2013 / 舞台に登場するえみさん

― 黒マントの方の下から顔を出しているのは、もしかして社領さんですか?

社領さん:そうですね、身体を張った仕事もあります。

― すごいですね(笑)。えみさんは、人間ではWEBデザイナーとして働いていると伺っていたのですが、日頃はどのような業務を行っているのですか?

社領さん:WEBデザイナー…という肩書きではありますが、任せてもらっている業務は様々です。少人数の会社ということもあって、いろんな業務をそれぞれが兼任して動かないと仕事が回りません。なので、実際デザインの仕事は半分くらいですね。
例えば、イベントを主催することがよくあるのですが、その時は大道具を作ったりしますし、自社グッズを作る時はアイデアを出したりもします。最近はメディアの仕事が増えて、ライターとして記事も書きます。先ほど紹介した「ちょっと待って!ニッセン部」では、「バストサイズ意識調査!Hカップになってみた」という企画を考えて記事にしました。梱包や掃除などもやりますよ。新人なので、今は勉強期間だと思ってなんでもやっています。早く社会人らしくなりたいと思っています。

3_Hカップ

ちょっと待って!ニッセン部/“バストサイズ意識調査!Hカップになってみた”イメージ写真

知らない人とは働きたくない。自分のワガママから発見した、「出会う人と友達になる」という仕事の探し方。

― 大学生の頃はどのように過ごされていたのですか?

社領さん:1〜2年生の頃は熱中して頑張るものを見つけられなかったので、バイトするか寝るかでしたね。笑
3〜4年生の時のゼミで立ち上げたプロデュース団体「チョモララ」に所属してからは、団体の活動を主に色んなことに積極的に取り組むようになりました。
チョモララは本当に楽しかったです。10人ほどの団体だったのですが、アーティストの個展や、ライブイベントのプロデュースなど、色んな活動をしましたよ。

― 今デザイナーとして働かれていると思いますが、デザインの勉強はされていたのですか?

社領さん:デザイン学部にいたのですが、デザインは学生の時ほとんどやっていなかったです。笑 イラストレーターの使い方もわからなくて、どうしても課題で作らないといけないときは、パスの使い方から友達に教えてもらったりしていました。

― そうなのですね(笑)では、どうやってデザイナーになったのですか?

社領さん:やってみたらできたという感じでしょうか。卒業した後に、先輩にもらったデザインの仕事で少し勉強しました。
今だとライターのお仕事も多いですが、学生時代にものを書いたり勉強していたわけではないですし、文筆なんてTwitterでつぶやくことしかしていなかったです。変に悩まずに、実践してみるのが1番良いのかもしれません。何ごとも、やればできます。

― 就職や将来の仕事は、いつから意識し始めましたか?

社領さん:4年生になってからですね。気づいたら就職先が決まっている友人が何人かいてびっくりしました。
でも、私は将来何がやりたいとか未来をどう生きたいとか、当時は全くわからなくて…。ただ人と話すのが好きだったので、「とりあえず業界に触れよう!」と思い、WEB業界を中心に色んなイベントに参加していました。そこで楽しくお喋りしていたら、いつのまにか大人の友達がたくさんできていて、遊びやご飯に行く仲になって…その時大人の方達にいろいろ相談に乗ってもらったりもしたんですが、それが就職を意識する良いタイミングだったように思います。
また、そこで良い意味で「大人もただの人間じゃん!」と思えたのは、私の就活にかなり影響しましたね。

― 就職活動はしたのでしょうか?

社領さん:それが、1社も受けてないんです。
スーツ高いなぁ、髪を染めるのもお金かかるなぁ、と思っていたら、面接ラッシュに乗り遅れていました。
面接はおカタいと偏見を持っていて、避けていたのもあります。すごく生意気なのですが、「面接で私の何がわかるねん!」とか言っていましたね。笑
なので、普通の就職活動はしていないんです。普通の面接では私の魅力が伝わらない…とか思っちゃっていたんですよ。その代わり、色んな大人に会って一緒に過ごす時間を多くとっていました。一緒にいて、相手を知って、自分を伝えることがある意味面接かもと思ったので。密接な関係になっても、お互い必要とできるチームを探していました。
ただ、自分でダメだった思っているのは、ポートフォリオを作ってなかったことですね。ポートフォリオは絶対作ったほうがいいですよ!笑 ポートフォリオがあれば、自分は何ができるのか物でアピールできるし、自分が今後なにを作りたいのか何がやりたいのかがはっきりします。ポートフォリオは絶対作ってください。笑

― 普通の就職活動をしない時間、変わりに何かやっていたのですか?

社領さん:就職するとか働くとか、仕事ってどんなものなのかが全くわからなかったので、まずは体験してみようと思い、友人の紹介でインターンに参加していました。
4年生のはじめに制作会社にインターン入社して、週2出勤で2ヶ月間ほど勉強させてもらいました。そこではアイデアの考え方や出し方、クライアントワークで発生する問題をどう解決していくのか教えていただきました。 仕事が終わった後はみんなでゲームしたり、人生相談にのってもらったりして、すごく面白かったですね。
インターンが終わった後、制作会社の代表から、現職の代表を紹介してもらってインターン入社させてもらうことになりました。それが株式会社人間との出会いでした。
人間のインターンでは、イベント運営に参加したり、企業や役所との打ち合わせに同行させてもらったり、自分ひとりでは経験出来ない場に沢山参加させてもらいました。
インターン期間の思い出ですと、バイトの時間がおして、人間の出社時間に間に合わず遅刻することが度々ありまして「遅刻する場合は面白く出社しろ」と言われて、ゾンビメイクで出社したり、遅刻もイベントのようにアイデアを出して実行するのが楽しかったです。
人間のインターンも2ヶ月間だったのですが、インターンが終わった後も、イベントがあれば遊びにいっていました。

― ゾンビメイクすごいですね。人間さんのインターンに行って、そのまま内定…というわけではなかったのですね。卒業する時には進路は決まっていたのですか?

社領さん:卒業する時は進路が決まっていませんでした。ですが、大学の先輩がデザイン制作のお仕事をくださったり、仲良くしていただいていた制作会社さんでアルバイトしたりして働いていました。卒業後はいろんなバイトを掛け持ちして仕事をつないでいました。

― 制作会社の掛け持ち大変そうですね…。

社領さん:ただ、もう少し稼ぎが必要だと思ったときに、人間がデザイナーのアルバイトを募集するという話を聞いたので、卒業後にバイトでデザインしたフライヤーを提出したら、採用してもらえることになりました。
それからバイトとして通っていたのですが、ある時飲み屋で代表に「(社員として)入るのか入らへんのか?」と聞かれて、もちろん私は「入りたいです!!!」と答えて、そしたら社員として入社させて頂けることになりました。笑
卒業してから5ヶ月後の9月のことでした。

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「絶対面白い事を考えないといけない」その瞬間が楽しい

― WEB制作会社に入りたいとは思っていたのですか?

社領さん:仲良い人がWEB系の人ばかりだったので、自分はWEB業界があっていると思っていました。誰と働きたいかで、働く業界も決めました。

― 実際デザイナーとして入社してみていかがでしたか?

社領さん:バイトでデザインもやっていたので、特に違和感はなかったです。
今は、将来的には企画職につきたいと思っていますが、最初は何もできないので、とにかくスキルをつけて稼げるようになりたいと思っています。あと、企画職になってもプロジェクトの中でデザイナーに仕事を依頼することは必ずあるので、今デザイナー職について学んで理解しておくのは、今後すごくためになると思っています。いつかプロジェクトマネージャーとして仕事を任せてもらえるように頑張りたいです。

― 人間さんでデザイナーとして働ける、良い点は何がありますか?

社領さん:私がイチから関わっているわけではありませんが、自社で商品を作れるのは魅力の一つだと思います。また、面白い企画をデザインでどういうふうに魅力的に見せれるか、考えたり作ったりが楽しいですね。どんなにアイデアが良くても、アウトプットするデザインのクオリティが低いと見てもらえないですし、面白いデザインにしないと会社の価値が下がっちゃうので、気をつけています。

― 会社の魅力ってどういうところだと思いますか。

社領さん:人間は、面白いことをしようとしている個性的な会社なので、ブランディングがすごく重要で、面白くなかったらイメージが悪くなるので、つねに面白いものを作らないといけないという責任が大変ではありますが、それがやり甲斐でもあります。「絶対に面白い事を考えないといけない」瞬間があるところが、勉強になりますし楽しいです。
あと、社員も6人なので仲も良いですし団結力があります。選ばれた6人という感じで、1人1人が仕事をもらえるような個性を活かした体制にもしようとしています。

― 将来どうなりたいとか、夢や目標はありますか?

社領さん:企画立案・実行できる人になりたいです。私自身仕事とプライベートを完全に分けることができないタイプなので、仕事をしながらなりたい自分に近づけるといいなと思っています。
ただ、仕事命っていう人ではなくて、たのしい面白おばさんになりたいですね。

― 社領さんなら、なれると信じています(笑)最後に学生にメッセージをお願いします。

社領さん:もし、いま私みたいに将来がはっきりしない事で悩んでいる子がいたら、大人に沢山会ってほしいなと思います。「こういう人になりたい」と思える、素敵な憧れの人を見つけると、今後自分自身がどう頑張ればいいかわかりやすくなるんじゃないでしょうか。就活の時期はどうしても給与や福利厚生に目が行きがちですが、自分の人生ですので、「どんな素敵な大人になっていたいか」を忘れずにいてくれればなと。そのためには、”一緒のチームで働く人”というのもとても大切だと思います。
また、クリエイティブ系は仕事と私生活を切り離すことができないと思うので、より一層会社を決める方法が大事になってくるんじゃないでしょうか。誰と働くか、どんな人になりたいかを大事にして、就活という枠にとらわれずに自分のペースで未来を決めてください。

株式会社人間 コーポレートサイト

(2015.5.30)

著者

後藤あゆみ

はたらくビビビット編集長。 フリーランスで“『ツクル』を仕事にしたい未来の子供たちのために。”を、コンセプトとして活動。クリエイター支援、スタートアップ支援を行っています。おばあちゃんになるまでに美術館をつくるのが夢です 。

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