大切なのは”思いやり”?ポートフォリオ見直しチェックポイント

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ポートフォリオを制作する際、一度作って完成ではなく、何度も見直しを重ねてブラッシュアップをしていくことが基本となっています。今回は、ポートフォリオの基本となる「見やすさ」を作るためのポイントについてご紹介します。ポートフォリオを制作して自分で見直す際に、ぜひ参考していただきたいです!
編集・執筆 /YOSHIKO INOUE, AYUPY GOTO

● はじめに
就活用ポートフォリオで大事なのは第一に”見やすさ”

まず、就活用ポートフォリオを作る際に、見る人はどんな人なのかをイメージしてみましょう。就活用のポートフォリオを見るのは、志望する会社のクリエイター職の方や、人事の方だと考えられます。実際に制作をしている方もいれば制作には関わっていない方の場合もありますが、どちらにせよ「自分のことをまったく知らない相手」だということは確かです。
そのため、自分を知った友人や、自分用の作品記録集を作る時とは、違う意識で制作する必要があります。
誰でも、初めて会う人には好印象を持ってもらいたいと考えるため、雑な態度をとったり不親切な対応はしませんよね。
それと同様で、就活用のポートフォリオを制作する際も、「相手にとって見やすく伝わりやすいポートフォリオは何か」という視点で丁寧に作ることが大切なようです。

● 具体的に
一度つくったらここを見なおそう!ポイントは、”そろえる”

① キャプションの文字サイズとフォント

キャプションとは、作品のそばに書かれている、タイトルや素材など作品情報のことです。キャプションの文字サイズとフォントは、なるべく全ページ揃えたほうが良いです。文字のサイズやフォントがページによって違うと、単純に読みにくいだけでなく、冊子として全体的にごちゃついた印象になりがちです。また、飾り文字のフォントだと作品より目立ってしまい、ばらついた印象になる恐れもあるので気をつけてください。自分の作品やポートフォリオの全体感を踏まえ、キーとなるフォントを選びましょう。

② 作品の向き

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作品の構図とは、作品の縦位置と横位置が揃っているかどうかです。ポートフォリオが縦構図の場合、片面1ページで横構図の作品を見せようとすると作品が小さくなってしまいます。しかし、読む人の視点になると、冊子をめくっていく流れで突然向きが変わると少し戸惑います。デザイン上のねらいが特別にない場合は、避けたほうがベターと思います。
また、縦構図のポートフォリオで横構図作品を配置する際は、見開きで大きく見せるという方法があります。ページの流れが単調になったタイミングで入れると、見る側を飽きさせない効果が期待できます。ページのさかい目がうまく合うように気をつけてレイアウトしましょう。

③ 作品・キャプションの高さ

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見開きで2つの作品を配置する場合、作品やキャプションの高さは揃えましょう。制作の始めにレイアウトの見本を作り、そこに当てはめていくと作りやすいかもしれません。ページ数(ノンブル)を付ける場合も、同じく位置は揃えましょう。ノンブルをつけると、もくじでジャンルごとにページ数を振れて、見る側に対して親切です。ただ、業界や会社別に作品の順番やポートフォリオの内容を変える場合、データの作品が簡単に変更できなくなってしまいます。新たにノンブルを割り当てるという作業は急ぎの場合に大きくタイムロスしてしまう可能性もあります。ノンブルは必須事項ではないので、自分のポートフォリオの使い方に合わせてつけるか判断しましょう。

● その他
志望業界や業種に合わせて内容をチェック

ポートフォリオをつくったら、志望する企業の人事になったつもりで「自分の会社で活躍できる人を見つけるにはどんな作品を見たいか?」を意識して見直しましょう。その際にチェックするポイントとして、以下の点も参考にしてみてください。

① 作品の幅は広がりがあるか?

例えばゲーム業界のイラストレーターを志望する場合、特定(例えば若い女の子のイラスト)のジャンルだけでなく、老若男女の人物や動物、植物、建物など載せて”作品の幅”をアピールしましょう。好きなものや得意なものだけ載せる方が自分の自信にはなりますが、企業側は「この人は他のジャンルはどのくらい描けるのだろう?」と疑問に思います。あまり描かないジャンルの作品を載せるのは気が進まないかもしれませんが、得意な作品と合わせて載せると「不得意なジャンルはまだ未熟だけど、練習すれば得意なジャンルくらいに描けるようになるだろうな」と、成長性を見込んでもらえるかもしれません。

② 作品が実際に商品化した場面が想像できるか?

企業の方は就活ポートフォリオを見て、「その人の作品がうちの会社の商品だったらどうなるのか」ということをおそらく考えているでしょう。そのため、商品化のイメージがわきやすいページがあると親切です。
ブランディング系の課題や、グッズをつくるなどの活動があれば積極的に載せると良いと思います。そういったものがなくても、Tシャツやカバンの形に自分の作品を当て込むなどの方法があります。
ゲーム系志望の場合は、スマートフォンの形に当て込み、ボタンなどまわりの部品もデザインしてゲーム画面を仮想で作ってみることをおすすめします。一つのイラストからキャラクターや設定を展開し、世界観を自分でデザインしてみましょう。

● 最後に
基本をふまえてデザインに遊びを!楽しんでつくろう

就活で使うポートフォリオには正解はありません。自分の志望する業界や会社によって、求められていることは少しずつ違っているからです。そのため、今回ご紹介したポイントをおさえれば絶対に成功するわけではありませんが、常に見る人の立場になり、丁寧な気持ちでポートフォリオをつくるようにしましょう。
また、自分がつくったポートフォリオを見なおす際は、自分がかけた手間や時間のことは一旦忘れ、フラットな気持ちで見ることが大事です。なぜなら、「こんなに時間をかけたんだから!」という気持ちがあると、ポートフォリオを見る目にフィルターがかかってしまうからです。企業の方は、30分でつくったポートフォリオも3ヶ月かけたポートフォリオも、始めは同じ目線で見ます。ただ、見直し0のポートフォリオとブラッシュアップを繰り返したポートフォリオは、仕上がりに明らかな違いがあります。
基本を押さえたら、ぜひいろんな工夫を試してみてください。自分自身もデザインを楽しみながら、納得のいくポートフォリオに仕上げたいですね!

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(2016.4.28)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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