憧れのイラストレーターを目指すには 〜学生のうちからイラストの仕事をもらうコツ〜

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イラストレーターという仕事は、多くの学生が憧れる職業だと思います。イラストレーターという職業に就くには、必要な学歴や資格はなく、決まったルートもありません。なので、どう頑張ればイラストレーターの仕事ができるのか、不安に思う方、悩まれる方も多いのではないでしょうか。そんな皆さんの良い参考になるよう、今回は学生のうちからイラストレーターとしてお仕事をしている2人にインタビューしてきました。編集・執筆 / FUMIE HINO, AYUPY GOTO

● イラストレーターという仕事

まず初めに、どのような方法でイラストレーターになれるかを理解しなくてはいけません。学校を卒業後、すぐに独立してイラストレーターになる方は少なく、一度デザイナー職に就き、ある程度経験を積んでから独立する方が多いです。卒業してからすぐに独立するにも、収入もなく経験もなく、準備が整っていないのでとても難しいです。

イラストレーターの仕事は、スキルがあるのはもちろんですが、まず自分を売り込むほどのコミュニケーション能力が必要だと思います。人脈によって仕事が決まることが多い業界でもあります。

そしてイラストレーターというのはイラストを描くことが仕事ですが、自分の好きな絵を描けばいいというものではありません。イラストレーターとしてとても重要なのは、人に頼まれた絵を描くということです。依頼してくれた相手が望んだ絵を描くことがイラストレーターの仕事です。いやだ!好きな絵が描きたい!という方は、趣味で描けばいいのです。仕事ということを忘れてはいけません。

● 在学中にイラストの仕事をもらうには

その一方で、卒業後にそのまま独立してイラストレーターになる方もいます。その方々は、だいたい在学中に既にイラストの仕事をもらったりしています。でも在学中にどうやって仕事をもらえばいいんだろう…と思う方も多いと思います。
そこで、実際にいまイラストのお仕事をしている学生のMASAKI SAAYAさんとながべさんにお話を伺いました。

MASAKI SAAYA

武蔵野美術大学 大学院造形研究科修士課程美術専攻版画コース在籍。
オリジナルグッズの制作・販売をはじめ、書籍・雑誌の挿絵や写真加工アプリPopcam、papelookのスタンプ、webマガジンでイラストコラムの連載を手掛けるなど、多方面で活動しています。
HP:http://saayamm.flavors.me Twitter:@MASAKISAAYA

ながべ

武蔵野美術大学 日本画学科在籍。
イラストや漫画を描いています。
動物・獣人、またはそれらをモチーフとした人外をよく主題に描いています。
2014  ふゅーじょんぷろだくと/SEIHEKI 108 TYPE 2ページ執筆
2015 3月 月刊アクション「ニヴァウァと斎藤」連載中
同年  5月 「部長はオネエ」単行本刊行
Twitter:@mucknagabe


Q:イラストの仕事を初めてもらったきっかけを教えてください。

SAAYAさん:学部生の時に自身のHPで掲載していた作品を、デザイナーさんに気に入って頂き連絡をもらった、はじめてのお仕事として書籍の表紙・挿絵のお仕事を頂きました。

ながべさん:2013年5月ごろに、イラストSNSサイトで絵(漫画)を載せていたところ、それを見た編集部様から雑誌で漫画を執筆してみないかとお誘いのメールを頂き、連載をさせて頂くことになりました。
もともと自分で一からキャラクターや物語を考えて、絵や漫画を描く創作活動が好きで描いた絵をいろんな人に見てほしいと思い、pixivやtwitterなどのSNSサイトに載せていたので、その絵がそのまま仕事になることに当時は大変感動したことを今でも覚えています。

Q:イラストの仕事をもらうために工夫していることなどがあれば教えてください。

SAAYAさん:ポートフォリオの持ち込みや、個展の開催・展示会やイベントに参加したりしています。またオリジナルのグッズの販売もしています。SNSも積極的に活用しています。

ながべさん:工夫というわけではありませんが、作家活動を展開することかなと思います。インターネットや展示、イベントなどを通して発信し、「この人はこんな作品を描いているのだな」と知ってもらえるよう努力をしています。近年では特に、twitterの反響がそのまま仕事に直結するケースが増えてきているので、それらを利用して積極的に作家性をアピールすることが仕事につながるのではないでしょうか。
その一環で、コミュニティーを広げることも大事です。イベントでイラスト集をつくって販売したり、グッズをつくったり、展示を企画したり、コンペに参加したり、活動する幅をひろげたり、または、作家や責任者などいろいろな人と交流し人脈もひろげたりと、より多くの人に自分を知ってもらえるよう常日ごろ心掛けています。

Q:イラストを仕事にしたい学生に簡単なメッセージをお願いします。

SAAYAさん:自由に使える時間が沢山ある今を大切に、好きなことはもちろん苦手なことや少しでも気になったことにはどんどんチャレンジしていって下さい。続けていくことで、きっと何かに繋がると思います。一緒に頑張っていきましょう…!

ながべさん:上記の質問でも挙げましたが、「自分の魅力をアピールする作品」と、「アピールするための機会をつくりだす」ことが大事です。イラストにかかわらず仕事は人のつながりから生まれるものですので、まずはきっかけをつくり出すために積極的に外に働きかけ、コミュニティーを広げていってください。機会が生まれたら、そこでようやく自分を売り込むことができますので自分の作品を用意して、自分の魅力をアピールしてください。
もちろん、魅力をより強く効率よく行うためには描画力を磨いたりたくさん絵を描いたり、またはコミュニケーション能力やプレゼン力を鍛えたりするなどいろいろ必要になりますが、力があっても機会がなければ仕事はいつまでたってもやってきません。
少しでもチャンスを得るために、幅広く活動をして自分を発信し続けて、もしチャンスがやってきたら逃さないように確実に応えていけるよう準備をしていって欲しいです。
イラストを仕事にするためには大切なことが他にもたくさんありますが、特にこの2つが重要だと僕は思います。

MASAKI SAAYA2

ながべ2

SAAYAさん、ながべさん、お忙しい中インタビューを受けてくださってありがとうございました!

お二人とも、仕事をもらうために在学中からSNSやイベントなどを利用して自分の作品を売り込むこと、どんどんチャレンジし続けていくことなどの行動をしていたのですね。

とても参考になりました!

● お仕事紹介

MASAKI SAAYAさん

MASAKI SAAYA3

『CLEAR MAGAZINE』vol.3
ROCKET BOOKS(2014年8月発売)
連載に掲載されたカットイラスト


MASAKI SAAYA4

コラージュアプリpapelookにて
配信中のスタンプ(一部)
2015年7月現在11セットのスタンプと
2種類の背景セットを配信中


ながべさん

ニヴァウァ01話_053-0704ニヴァウァ01話_053-0703

月刊アクションにて
『ニヴァウァと斎藤』連載中


● 最後に

いかがでしょうか?卒業してからすぐにイラストの仕事をしたい!という方は是非参考にしてください。最近では、クラウドソーシングと呼ばれるITサービスに登録して、イラストの仕事をもらうという方法もあります。そういったサービスもたくさんあるので、調べてみるといいかもしれませんね!
一度就職してからイラストレーターになるとしても、卒業してすぐイラストレーターになるとしても、自分から行動を起こさなきゃ仕事はもらえません。前向きにがんばりましょう!

(2016.12.7)

著者

日野文恵

武蔵野美術大学 デザイン情報学科所属。 イラストを描くことと可愛いものが好き。 趣味はゲーム実況プレイ動画をひたすら観ることです。 works:http://hinofu.tumblr.com/

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