今回は、グラフィックデザイナー職で内定を獲得したポートフォリオのご紹介です。就職活動を行っていたのはオンライン選考が一気に増えた2020年。ポートフォリオを印刷することは一度もなかったそうです。
すっきり見やすく、おしゃれなポートフォリオを早速見てみましょう!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE
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新井田 萌さん
成安造形大学グラフィックデザインコース 2021年3月卒業予定
PICK UP!ポートフォリオのこだわり
ポートフォリオのなかで特にこだわった部分を教えていただきました。
“私にできること”が詰まった作品を冒頭に
新井田さん:私は“自分が持っているスキルごと”にポートフォリオページを編集していて、一番最初の作品ではほぼ全てのスキルを使った作品を載せました。
面接で詳細に説明できる作品は1つか2つと聞いていたので、最初の作品を見てもらえれば大体のことは理解してもらえるようにしようと考えました。元の制作物に加え、他のスキルも使用した制作物もブラッシュアップとして加え、今の形になりました。
説明がメインのページでも情報は最小限に
新井田さん:余白の多いレイアウトで「少し読んでみよう」と思わせ、相手からの質問を自然と引き出せるよう意識しました。
全体のトンマナは揃えつつ、作品ごとのデザインも意識する
新井田さん:一つの作品であるということを示すために全体のトーンは統一しつつも、レイアウトはあえて固定せず、見ていて飽きないポートフォリオを意識しました。面接時にテキストが読まれることはほとんど無いのでテキストはあまり主張せず、ビジュアルメインでのアピールを心がけました。
退屈しないように、ときにはアクセントを
新井田さん:直前までのUI/UXページで平面的なビジュアルが続いた後なので、少しアクセントをつけるために遊び心としてブックカバーに使ったイラストを不規則にちりばめました。
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ポートフォリオ一問一答
●このポートフォリオを提出した業界
デザイン事務所
●コンセプト
性格、作風、制作に対する姿勢など、自分自身をそのまま伝えるポートフォリオ
●ポートフォリオの構成
- 表紙
- 自己紹介
- 目次
- 企画デザイン
- AR
- UI/UXデザイン
- ブックデザイン
- ポスター
- 空間デザイン
- 自主制作
- クライアントワーク等
- 裏表紙
●制作時期
3年生の2月ごろ〜4年生の5月ごろ(ブラッシュアップを含めて)
●制作プロセス
- 作品をピックアップ
- 作品をブラッシュアップ
- レイアウト、ページ配分など検討
- データ制作
- 試し刷り
- ポートフォリオ全体を数回ブラッシュアップ
●制作に使用したソフト
Illustrator、Photoshop、InDesign
●印刷 / 製本方法
基本的にすべてオンライン選考のため、本印刷はなし
●サイズ / ページ数
A3 / 44ページ
●制作にかかった費用
試作で3000円程度
●制作するうえで参考にしたもの
先輩のポートフォリオ、ポートフォリオ百科、雑誌、同年代のポートフォリオ、
Pinterest
●ViViViTページとの使い分け
新井田さん:ポートフォリオ制作に入る前に、一度それぞれの作品と自分の考えをまとめるためにViViViTを利用しました。その後ViViViTに投稿した作品を要約してポートフォリオにまとめていったので、スムーズに制作を進めることができました。
●制作中にアドバイスをもらった人
・キャリアサポートセンターの方
・友人
・先生
・ビビビット展のブース訪問者
・志望企業のデザイナーさん
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
新井田さん:私のポートフォリオ制作はブラッシュアップの積み重ねでした。作品のブラッシュアップに始まり、ポートフォリオ全体のブラッシュアップも就活中に何度もしました。ポートフォリオを作る前は一度で完璧なポートフォリオを作らなければいけないと思い焦っていましたが、先輩や同年代のポートフォリオを見たり、アドバイスや刺激をもらいながら、少しずつポートフォリオが完成していきました。
簡単なものでもいいのでとにかく一度作ってみて、そこから理想に近づけていくことが一番の近道だと思います。自分のポートフォリオを見た人に、自分自身がそのまま伝わるような魅力的なポートフォリオが出来るよう、頑張ってください!
はたらくビビビット編集部より
新井田さんのポートフォリオは、情報の強弱がはっきりしていて、作品について質問しやすいポートフォリオだと感じました。冒頭の作品は最もページ数が多いですが、ただ作品のすべてを詳細に説明しているというわけではありません。例えば制作プロセスは、全体像を見せた後一部をピックアップしています。このように“作者はこの作品のどこを注目してほしいのか。そこを通してなにをアピールしたいのか”が明確だと、採用側も「作品のココを質問すれば、その回答から作者の考えていることを深く知れるだろうな。」と予想しやすくなります。
自分が話したいことばかり質問してくれる面接だったら、自己アピールしやすいですよね。ポートフォリオの情報設計次第では、それが叶うこともあるはずです。採用側・求職者双方にとって親切な“質問しやすいポートフォリオ”で、スムーズな選考を目指しましょう。
新井田さん、ありがとうございました!
新井田さんも活用した!ViViViTでポートフォリオをつくってみる
(2021.2.2)
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア