今回紹介させていただくポートフォリオは、株式会社マーブルでデザイナーとして働く藤澤さんの就活ポートフォリオです。教育大学の美術科に入学した藤澤さん、入学当初はデザインする技術もなく絵にも自信がなかったそうです。では、一体どのようにしてデザインを学び、制作していたのか。京都の人気クリエイティブ企業から内定がでた秘密が詰まっているかもしれません。デザイン事務所への就職を考えている方は、一度ポートフォリオを覗いてみましょう!編集・執筆 / AYUPY GOTO
藤澤 瑞稀ふじさわ みずき
Designer
1991年 広島県出身。
2010年 東京学芸大学美術科に入学。教育について学ぶ傍ら、グラフィックデザイン研究室に所属し、制作活動を行う。担当教諭を通じて、大学をはじめ地域や行政などからのデザイン依頼を請け、プロジェクトのロゴやグッズの制作、キャラクター制作、映像制作などを経験する。
大学での制作活動からデザインの楽しさを知り、そのとき目にしたMarble.coのデザインに惹かれ、デザイナーを目指すことを決意。大学卒業後、2014年にMarble.co入社。印刷物を中心にデザイン業務に携わる。
PICKUP!
まずは、藤澤さんお気に入りのポートフォリオページをご紹介します!
(1)架空のジャム屋さんのパンフレット
藤澤さん:一度マーブルの面接を受けてポートフォリオを見せた時に、“デザインのテイストが偏りすぎ”“文字組ができていない”といアドバイスをいただいたので、指摘された部分を改善して、二次面接のために制作したのがこちらの“架空のジャム屋さん”のパンフレットです。写真もこだわって撮影したり、自分で考えたパッケージを合成して本当に売られている物のように見せたりと、工夫しました。二次面接でこちらを提出して内定をいただいたので思い入れのある作品のひとつです。
(2)gracafe
大学で開催されたグラフィックデザイン研究室の展示にあたり、作品を見せるだけでなく、カフェとしても楽しんでもらおうという企画をしました。そのときのロゴや、カード、コースターなどのグッズ一覧です。
(3)good morning
授業で出された「一人の人物を題材に、媒体を選んで表現する」という課題に対して、私は友人をイメージした本とグッズをセットとして制作しました。友人の人物像を「朝の風や光」に例えて、ビジュアルブックとCD、ポストカードやしおりなど、ストーリーを意識しながら作るということが印象に残っている作品です。
(4)ON
大学の課題で展示イベントを企画・運営することとなり、学生が制作した服や雑貨を販売するギャラリーショップ「ON」を開催しました。チームの中で私はロゴやショップカード、DMなどのツールをデザインしました。
就活ポートフォリオについて、さらに詳しくうかがいました
ポートフォリオの制作方法
自分の制作物を一覧にして、掲載するもの、その中でも制作物の展開が多いものや見てもらいたい作品をピックアップするところからスタート。作品イメージカットの撮影を行い、PCで編集して出力したものを、作品本体も合わせてケースにざっくりと納めました。外のケースも自分で制作しました。
ポートフォリオのこだわり
主なプロジェクトは1枚ずつまとめて、表にイメージビジュアル、裏に作品の詳細を載せました。作品群をそれぞれの世界観が伝わるよう写真におさめる等見せ方にこだわりました。
意識した点
- 直接その場で見てもらうため、少し違う雰囲気にしたいという意識した。
- 一般的なファイル形式ではなく、ケースに詰め込む形にまとめて、一つひとつ手に取って見てもらえるようにした。
掲載した作品内容
ポスター、フライヤー、DM、コースター、商品パッケージ、グッズ、CDパッケージ、パンフレット等
コンセプト
自分の世界観を詰め込んだパックのようなポートフォリオ
サイズ
A3サイズ
使用したソフト
Photoshop、Illustrator
制作した時期
大学4年生の4月末
はたらくビビビット編集部より
手作りのポートフォリオファイルを開くと、色とりどりの作品に驚きました。印刷用紙の選定、用紙を角丸に統一したりと、細かなこだわりが多くて完成度の高いポートフォリオだと思いました。特に印象的だったのは、どの作品も綺麗に写真撮影されているところです。課題や仕事のテーマに合わせた演出を行い、綺麗に写真におさめられていることで、記載されている作品の詳細文を読まなくても、どういったシーンに使うものか、何のために作られたものかイメージすることができました。限られた時間の中で、ポートフォリオ選考をする採用担当にとっても、内容を理解しやすい写真はとてもありがたいと思います。
また、写真を使った表現はデザインの仕事に必須だといってもおかしくないため、学生の時点で写真のクオリティ管理ができているのは一種の強みだと思います。デザイナーを目指す方はぜひ意識してほしいです。
藤澤さんありがとうございました。
(2015.6.1)
著者
後藤あゆみ
はたらくビビビット編集長。 フリーランスで“『ツクル』を仕事にしたい未来の子供たちのために。”を、コンセプトとして活動。クリエイター支援、スタートアップ支援を行っています。おばあちゃんになるまでに美術館をつくるのが夢です 。
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