お茶を飲むときのペットボトル、お酒の瓶ボトル、缶コーヒー……なにかを飲むときにその飲料が入った“容器”に触れる機会は、日常生活の中に多くあります。そんな飲料を保持するためのボトル、実は様々な形や種類があって、デザイン性に溢れているジャンルであるということをご存知でしょうか。そこで今回は、世界で実際に販売されていたことがある、一風変わった飲料ボトルについてご紹介していきたいと思います。
編集・執筆 /YAMADA, AYUPY GOTO
●飲料ボトルで一般的なもの
日常の中で触れるの確立が高いものは、やはりペットボトルなのではないでしょうか。また、お酒を良く飲む方は350mlのアルミ缶であったり、ビンであったり、それぞれのライフスタイルの中で違いはあるかと思いますが、コンビ二やスーパーで簡単に購入できるものがほとんどだとだと思います。
ペットボトルが日本で初登場したのは、1977年のキッコーマン醤油だったそうです。そこから、瓶が主流だった飲料メーカーがこぞってペットボトルにチェンジしたのだとか。未だに、旅館や歴史ある飲食店でオレンジジュースやコーラを頼むと、瓶が出てきたりしますよね。ペットボトル登場以前は瓶入りが主流であったことがなんとなく感じとれます。
★コカ・コーラのボトル変遷と伝統性
コカ・コーラに関しては、瓶に根強い人気があり未だに両方販売されています。
https://www.sideriver.com/lightning/coca-cola/01.html
発売当初は薬瓶のような形で現在とはかなり違ったものになっていますが、徐々に現在の形に近いものへと変化してきました。ペットボトルの形も瓶に寄せられていることがわかります。現在のあのフォルムから、微妙に変化はあるものの、基盤にある形は長く受け継がれています。
ペットボトルのデザイン
ペットボトルの形はお茶や水、スポーツドリンク等の無炭酸のものは形に限定されることはありませんが、炭酸飲料は膨張の問題から丸みのある円形タイプに限定されます。
ペットボトルにはデザインより利便性を重視した印象がありましたが、過去10年と現在のペットボトルの姿形を比べてみると、ものすごい進化を遂げていることがわかります。
最近のものは、ねじりを加えたり線が入ったりとペットボトルとしての機能だけでなくデザインとしての遊び心の要素もよく見受けられるようになりました。
スリムになったり、装飾が加わったことにより、500mlよりも容量が少なくなっている可能性もありそうですが……(笑)
●世界の変わった飲料ボトルたち
では、いくつかピックアップしてご紹介したいと思います。
★ブランドとメーカーのコラボ!
ブランドイメージを持ったハイセンスなボトル
ディサローノ アマレット
http://www.team-lens.com/heartstrings/2015/october/2015_1007.html
「ディサローノ アマレット」は、ビターアーモンド(杏の核)とバニラビーンズから抽出したエッセンスを使用したイタリア発のリキュール。サントリーから発売されていますが、イタリアのファッションブランドとコラボレーションをし、“デザインボトル”を限定数発売する企画を何回か行っています。
そして、この「ディサローノ アマレット」は有名ブランド、第一弾は2013年にモスキーノと、2014年にはヴェルサーチそして2015年にはロベルト カヴァリとコラボ。
6000本限定で発売したものです。
http://www.team-lens.com/heartstrings/2015/october/2015_1007.html
・(中央)2013年 コラボ第一弾 モスキーノ
ハートの総柄でキュートさとスタイリッシュさを併せ持ったデザイン。
モスキーノらしさも存分に出ています。
・(左)2014年 コラボ第二弾 ヴェルサーチ
ヴェルサーチのインテリアアクセサリーブランド「ヴェルサーチ ホーム コレクション」をモチーフにしており、上品でたっぷりとしたゴージャス感が魅力的なデザインになっています。
・(右)2015年 コラボ第三弾 ロベルト カヴァリ
アニマル柄で華やか。蓋のゴールドとも相性抜群です。
どんなシーンにも合いそうな洗練されたデザインです。
ディサローノ アマレット本来のイメージとデザインを崩す事無く、さらに新しいイメージを上手く重ねられたコラボレーションで双方の良さが引き立っています。
コカ・コーラ
http://www.thedieline.com/blog/2012/3/8/coca-colas-tribute-to-fashion.html
デザイナーズ・コカコーラ瓶です。有名ファッションデザイナーとのコラボ。
モスキーノ(Moschino)、ドナテラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)、アンジェラ・ミッソーニ(Angela Missoni)、アルベルタ・フェレッティ(Alberto Ferreti)、コンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)、エトロ(Etro)という名だたるデザイナーの作品が並びました。
「Tribute to Fashion」というチャリティーイベントに出展され、販売ではなく展示でしたが、コカ・コーラの見慣れたフォルムが様々なブランドのファッションをまとった、とても個性的な作品になっています。
★変形!個性的な形が印象的
STUDER swiss gold vodka
http://www.vonsalis-wein.ch/Spirituosen-Valentin/Schweizer-Vodka/Studer-Swiss-Gold-Vodka-40.html
高山をイメージしたガラスのボトルです。
ウォッカの中を本物の金が舞う、スノードームのような美しさ。飲んでしまうのが勿体ない程、飾っておきたくなる一品です。
リモンチェッロ
http://www.limonelimone.jp/?mode=cate&cbid=1514658&csid=0&page=2
レモンの皮から造られる南イタリアの伝統酒。
ふたりの絵付け師がひとつずつ手描きした愛らしい小瓶に詰まっています。形は15種類とバリエーションが豊富。
SPINE VODKA
“骨まで染みる”、強さを表現したウォッカのボトル。
透明な外枠の中に、黄色い透明な骨型オブジェが入っている斬新なデザイン。強くまっすぐなメッセージ性と、他にない個性が同時に伝わるボトルです。
★世界にひとつ、ナンバリング付きのデザインボトル
http://fashionpost.jp/fashion/fashion-news-event/6501
こちらは2012年に販売され、現在販売されていませんが、35種類のカラーと51種類の図案を組み合わせることによって、約400万本もの世界にひとつだけのオリジナルボトルの製造を実現しました。
製造の行程がまとまった映像
★ミネラルウォーター
ミネラルウォーターも国内外で様々な種類のものがありますが、そのボトルもまた幅広いデザインで展開されています。
特に海外製品はミネラルウォーターのボトルがデザイン性の高いものが多く、店頭に並んでいると思わず手に取りたくなります。
エビアン
日本でも販売されており、良く目にする機会があるこちらのブランド。
通常のボトルも洗練されたデザインですが、デザイナーとコラボしたデザイナーズ・モデル、そして年1度変わったデザインで販売されていた、イヤーボトルというものも数量限定で存在しています。
デザイナーズ・モデル
1993年から2005年までの間、毎年でていたイヤーボトル
(左)2005年 / (中央)2000年 / (左)1994年
何年かごとに形が変わっていっています。
初代の形はノーマルのものに近く、しずく型から、2005年はエビアンのモチーフでもあるアルプスの山々のような形に。
どの形も魅力的で飲み終わっても飾っておきたくなりますね。
SOLAN DE CABRAS
http://www.lacia.com/en/our-work/solan-de-cabras/
青いボトルが美しく印象的なソラン・デ・カブラス。スペインのブランドです。
こちらも多くのブランドやデザイナーとコラボしており、この青いレギュラーボトルをベースとしたデザイナーズ・ボトルが度々発信されているので、興味のある方は是非チェックしてみて下さい。
OGO
http://fashion-design-library.com
丸いフォルムがかわいらしく、珍しい形状。
オランダ生まれの高濃度酸素水です。飲むにも飾るにも、持ち歩くにも嬉しい一品。
水のクリアさ、清潔さのイメージも良く伝わりますね。
●さいごに
今回ご紹介したものはごく一部で、世界には沢山の面白いボトル、美しいボトルが存在しています。
第一に飲料は、飲みたいものを飲むために購入すると思います。しかし、こういった一風変わったデザインのボトルを飾ること、手に持つことをメインとしていつもと違った角度から見てみると、面白いアイテムが見つかるのではないでしょうか。また、デザイナーズボトルやメモリアルボトルなどは期間限定が多いので、欲しい!と感じたら一期一会だと思って手に入れてみるのも良いかと思います。世界の素敵な飲料ボトル、興味があれば是非探してみてください!
(2016.10.6)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア