近年、デジタルイラストが主流となったことで誰もが画材を問わずに様々な色を使えるようになりました。それによって、イラストの配色や表現が多様化し、色彩に着目した面白い技術や遊びが増えてきています。今回は色彩に注目したアプリゲームやAIについてご紹介します。
編集・執筆 / Haruna Kawanabe, AYUPY GOTO
目次
- 1.表現と色彩
- 2.色彩感覚を伸ばす塗り絵アプリ
- 3.AIによる高性能な着色
- 4.最後に
1.表現と色彩
色彩と表現はどんな作品でも一心同体です。色には視覚的な効果もありますが、それぞれに意味があり、連想する光景や物があります。そして個人差はありますが人は大抵、色に対して似た認識を持っています。例えば肌の色は大抵赤みがあり、空は青い、雪は白いといったものです。自由度の高い創作の中にもこのような共通認識があり、認識のパターンがAI(人工知能)のような新しい表現方法の土台を作っています。
それに関わらずクリエイターにとって、色彩は常に意識しなければいけないものです。クリエイターと一般人では認識できる色の数が違うと言われるほど、見ている世界や意識には明確な違いがあります。
無数の色の中から効果的に色を組み合わせ、1つの作品を制作するには高い色彩感覚やスキルが必要となります。そのため、クリエイターが習得すべき壁として色彩が存在する場合もあり、逆にその特殊性に着目した遊びとして親しまれる場合もあります。
2.色彩感覚を伸ばす塗り絵アプリ
ではどうすれば色彩感覚が伸びるのでしょうか。色彩関係の本やサービスが増えていますが、基本知識を頭に入れることはできても身につけるのは難しいと思います。人によって身につく方法は様々、気疲れでなかなかチャレンジが続かない人もいると思います。
そのような時は、塗り絵アプリで自分の得意な色や感覚を掴んでみると良いかもしれません。
大人の塗り絵 Colorgram : ひみつの花園
ラフでかわいい雰囲気のイラストを着色していく塗り絵アプリです。塗るイラストも特徴的な構図や印象的なものが多く、待ち受け用に1枚遊んでみるのもおしゃれで面白いアプリです。
https://itunes.apple.com/jp/app/da-renno-turi-hui-colorgram/id1031454240?mt=8
大人の塗り絵パズル!無料 人気 お絵かき Coloring
同じ色が隣り合わせにならないように、4色の色を塗っていく塗り絵アプリです。塗る色の4色はすでに決まっており、どうやって着色すれば印象的に見えるか、パズルをしながら身につけることができます。
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.officemove.game.nuriepuzzle&hl=ja
3.AIによる高性能な着色
AI(人工知能)とは、人工的にコンピュータ上で人間と同じように学習し、知能を身につけるプログラミングやそれに連なる技術を示します。最近は将棋だけでなく、様々な分野ですごい技術のAIが話題になっています。それはイラストの分野でも同じで、最近では線画を自動で着色するAIが話題になりました。今回は自動で画像に着色を施す高性能なAIについて紹介します。
PaintChainer
2017年の2月頃に話題になった、線画の画像データをアップロードすると、自動で着色するサイトです。柔らかく、淡い水彩画のようなタッチのイラストができます。色を先に指定することでさらにこだわったイラストが完成します。
http://paintschainer.preferred.tech/
ディープネットワーク
モノクロ写真に着色を行うサイトです。古い写真やモノクロ画像に着色を行うことで、普段とは違った表現ができるかもしれません。
注意点としては非営利目的のみ、利用可能となっています。
http://hi.cs.waseda.ac.jp:8082/
4.最後に
本やネットから色彩の知識について学ぶことは簡単ですが、それを身につけるとなると少し話しが変わってきます。今回は遊び気分で色彩感覚を上げるアプリや面白いツールについてご紹介しました。
好きなイラストの色味や着色方法を学んで色彩感覚は身につけるも良いですが、このように違った方法で気軽に色彩感覚を伸ばすのも楽しいかもしれませんね。
(2017.2.15)
著者
川鍋春菜
多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 情報デザインコースに 所属しています。UI/UXやサービスデザインについて勉強しています。 趣味はアニメ、アナログゲーム、デジタルゲームなどなど。
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