IT業界関連のイベントを調べたとき、ハッカソン、アイデアソンというような言葉が出てきたことはありませんか?みんなで何かを作ったり考えたりすることが好きな人には、ぜひ知ってほしい言葉です。今回は改めて“ハッカソン”について、詳しく紹介したいと思います!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE, AYUPY GOTO
目次
- 1. ハッカソンとは
- 2. ハッカソンの始まりと日本での展開
- 3. ハッカソンに参加する
- -ハッカソンのチーム編成
- -どんなハッカソンに参加する?
- 4. 当日の流れ
- -ハッカソンとアイデアソン
- 5. 最後に
1. ハッカソンとは
ハッカソンとは、エンジニアやデザイナーなどがチームを結成し、提示されたテーマに沿って指定の時間内にサービスを開発し、出来を競い合うコンペ型のイベントです。
この言葉は、「Hack」(ハードウェアやソフトウェアのエンジニアリング)と「Marathon(マラソン)」の2つの言葉が掛け合さって作られました。開催期間は最短24時間~最長1週間ほどで、1チームは3~5人で構成されます。開催規模にもよりますが、ハッカソンの優勝がきっかけで支援金を得て起業したり、ハッカソンで知り合った仲間と新たなビジネス展開が始まったりするなど参加することに多くのメリットがあります。
ハッカソンのもともとの定義としては
・短期集中
・エンジニアやデザイナーの共同作業
・サービスの開発を行う
が挙げられますが、現在日本ではIT業界にとどまらずさまざまな場でハッカソンが活用されています。そのため、日本においては
・短期集中
・共同作業
・新たな◯◯の開発を行う
という点が定義として残っていると考えられます。
今回は、IT業界におけるハッカソンについて紹介していきます。
2.ハッカソンの始まりと日本での展開
ハッカソンは、アメリカのIT企業サン・マイクロシステムズのマーケティングチームによって1999年頃から使用され始めたと言われています。
2000年半ばから一気に普及し始めると、企業やベンチャーキャピタルは新しいソフトウェアの開発や技術革新の場としてハッカソンに注目するようになりました。新たな投資の場となったハッカソンからは、その後グループメッセージングアプリGroupMeなどの主要企業が誕生するようになりました。
日本では、2013年頃相次いで大きなハッカソンが開催されたことから広がりを見せました。もともとはソフトウェア技術を競い合ったりアピールする場であったハッカソンですが、3Dプリンタなど最新技術をを用いてハードウェアを開発するハードウェアハッカソンも開催されています。また、日本では前述の通りIT業界以外に地域振興や賞品開発の場でハッカソンが活用され、盛り上がりを見せています。
3. ハッカソンに参加する
-ハッカソンのチーム編成
ハッカソンに参加したいと思ったら、まず自分がどんな役割で参加するか考えましょう。
ハッカソンのチーム編成は、一般的にエンジニア・デザイナー・プランナーの最低3役から構成されます。そのため、グループで参加することが条件の場合、3人以上の仲間を見つけてからでないと参加することができません。しかし大抵の場合個人参加が可能となっているので、その場で仲間を見つけ開発まで行うことができます。またチームビルディングはアイスブレイクやワークショップを交えて行われることが多く、条件のマッチした仲間とチームをつくることが可能です。
-どんなハッカソンに参加する?
開催規模もテーマもさまざまなハッカソンが開催されています。自分の条件に合わせて探してみましょう。テーマの見方は、大きく次の二つに分けられます。
①開発に使うツールや条件を指定したテーマ
ex)「3Dプリンタを用いて新しいプロダクトを考えてください」
これはハードウェアハッカソンのテーマとなりますが、開発に使うツールとして3Dプリンタを指定しています。
こういったテーマであれば、ファッションシーンで活用するプロダクトでもビジネスシーンで活用するプロダクトでも、開発に3Dプリンタを使用していれば問題ありません。
その他、①に分類されるのは「FacebookのAPIを使って新しいサービスを開発してください」などのテーマです。
②サービスを活用するシーンを指定したテーマ
ex)「最新のテクノロジーを利用して、音楽をより楽しくする新サービスを考えよう!」
こちらは開発ツールは指定されていませんが、「音楽をより楽しくする新サービス」という活用シーンを指定したテーマです。その他、②に分類されるのは「『快適な学習環境』をテーマに新しいソフトウェアを開発しよう」といったものなどです。
その他探すポイントとして、
・協賛企業、賞で選ぶ
上記の①では、協賛企業の商品を開発ツールに指定する場合があります。また、大きなスポンサーがついているハッカソンほど注目度や賞が大きいと考えられます。起業のステップアップにしたい場合などは、こういった部分に注目するのもおすすめです。
・審査員で選ぶ
開催テーマによって、さまざまな分野の人が審査員として登壇しています。特に「音楽」「ファッション」などカルチャーに関するテーマでは、その分野の著名人が審査員となる場合が多いので、憧れの人にハッカソンを通じてアピールできる機会とも言えます。
・「ハッカソン_◯◯」で検索する
◯◯には、自分の好きなジャンルや気になるワードを入れましょう。自分の得意分野の方が、アイデアを考えやすいかもしれません。逆に、自分が普段触れない分野を選ぶことで、チームの中で自分の専門分野の力を発揮できるとも考えられます。
4.当日の流れ
開発の前にアイデアソンやチームビルディングなどを行う場合は、開催期間が2日以上となるのが一般的です。
その場合の例として、以下のような流れが考えられます。
<1日目>
集合→チーム分け→アイデア出しワークショップ(×1〜2)→アイデア発表
<2日目>
アイスブレイク→開発→中間発表→成果発表→表彰
開催期間が2日より短い場合は、
集合→チーム分け→開発→中間発表→成果発表→表彰
といった流れになるのが一般的です。
あるハッカソンでは開催時間を23時から次の日の夕方までと設定し、その間の食事は主催者側からピザやエナジードリンクなどが振る舞われたそうです。
そのようにくだけた雰囲気でアイデアを練っていく様子も、ハッカソンの特徴と言えるでしょう。
-ハッカソンとアイデアソン
前述のアイデアソンとは「Idea」と「Marathon」を掛け合せた言葉で、新たなアイデアやビジネスモデルの構築をハッカソンのように短期間で行うイベントのことです。ハッカソンの企画会議やハッカソンの予選と位置づけ、1日目に開催されることが多いです。
5.最後に
いかがでしたか?
企業が「企業内ハッカソン」として合宿のように開催するなど、クリエイター職につくと耳にしたり実際に参加することが多くなるかと思います。もちろん、学生も参加可能なハッカソンはたくさん開催されています。共同作業を通して得る仲間や人脈から、その後のチャンスが広がることが期待できますね!
(2015.7.24)
はたらくビビビット
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