VRにAR、インタラクティブアート……芸術の秋、デジタルクリエイティブが大いに盛り上がっています。東京では最新のテクノロジーを使ったクリエイティブなイベントが毎週のように開催されています。
今回は大注目のイベントのひとつ、『dotFes 2017 TOKYO 神田錦町』のイベントレポートをお届け。多方面で活躍しているの企業の最新技術のプレゼンテーションを掻い摘んでお伝えいたします!
編集・執筆 / VIVIVIT MUROUCHI, AYUPY GOTO
dotFesとは?
dotFes(ドットフェス)は、『クスール』と『DeNA』が主催するIT/Web系クリエイティブのデザインとアイデアがプレゼンテーションされるイベントです。多彩なクリエイターやコミュニティ、テクノロジーベンダーなどがブースの出展やワークショップ、子供向けアクティビティ、セミナーを行い、にぎやかで刺激に満ちた「Webクリエイティブの学園祭」のようなコミュニケーションイベントになっています。
2008年にスタートした本イベント、2017年の今回が記念すべき10回目。毎年たくさんのクリエイターを動員しているそうです。出展企業は東京、大阪、仙台から、大企業やデザイン事務所、立ち上げたばかりのベンチャー企業まで、開発したプロダクトを発表しています。
●日本全国のWEBクリエイターが大集合
ということで2017年11月19日に開催された『dotFes 2017 TOKYO 神田錦町』に参加してきました!
会場は神保町駅から徒歩5分の神田錦町 Terrace Square。開始時間に合わせて行ったのですが、既にたくさんの人で溢れていました。クリエイティブイベントなだけあって、オシャレな方が多い印象でした……!
会場には2つのセミナースペースと、1階と2階に分かれた企業の展示ブースがありました。セミナーセッションは合計9回、音楽フェスのように好きなセミナーを選んで行けるようになっています。セミナー発表は「現代のクリエイターの働き方について」という多くの人が気になる内容から、「UnityとAR Kitを活用したアプリの作り方」など技術的なことまで幅広かったです。どのセミナーも立ち見が出ており、大変盛況している様子でした。
●dotFesの醍醐味!メディアアートを体験!
本年のdotFesには10社以上の企業がインスタレーションの展示を行っていました。最新のセンサーを使った体験型ゲームや、アナログとデジタルをかけ合わせた芸術作品などそれぞれの企業が特色を活かした作品を発表。その中から数点ご紹介いたします。
①水槽にいるのはキャベツ!?癒やし効果がスゴイ『やさい水族館』
まず最初にご紹介するのが『やさい水族館』。ふらっと入った展示会場で、スクリーンに投影された美しい水中の映像に惹かれて近づいてみると、そこには魚……ではなく3Dモデリングされたキャベツ!?なかなかの衝撃でしたが、クラゲのようにぷかぷか水中を泳ぐキャベツは気持ち良さそう。よくよく見るとサンゴのようなものはブロッコリー、海藻かと思われたものはネギでした。ここは水族館なのか八百屋なのか……?
大変アナログチックなボタンを押すと、好きなお野菜を呼び出せます。
この作品を作ったのは株式会社AID-DCCのメンバーで結成された「CABETSU」というグループ。「食べ物」をテーマに全力で遊んでいくことを目的とした“ものづくりトリオ”だそうです。これは現代の多忙な人々のために作られた癒し系プロダクトだとかなんとか……。確かに優雅に泳ぐお野菜を見ていると優しい気持ちになれました!
②超シビアなだるまを口説け!『だるまオトす』
展示ブースでもひときわ異彩を放っていたのが『だるまオトす』。ダルマとハンマーがあり、一見普通のダルマ落としに見えるのですが、プレイヤーがオトすのは”ダルマのハート”。そう、だるまを口説き落とさなきゃいけないのです!
タイトルの出オチ感は否めないのですが、それ以上にシステムがしっかりと構築されていたのが印象的でした。ダルマからの質問にハンマーをマイクに見立てて答え、愛を伝えます。そうするとアリかナシかダルマが判定を下すのですが、その判定方法は実は音声だけではないそうです。
制作されたピラミッドフィルムクアドラの方にお話を聞いたところ、目の付近のセンサーで識別するプレイヤーの表情や、声の大きさ、ワードチョイスなども考慮し、人間さながらの基準で判断しているとのことでした。
喋るだるま(イケボ)からは、予想以上に非機械的な言葉が返ってきます。
「俺のどこが好き?」と聞かれ「カッコいい声……?」なんてニヤつきながら返答した結果、「ヘラヘラして言ってんじゃね〜よ!」と振られてしまうところを目撃してしまいました。ダルマ、きびしい〜!
ピラミッドフィルムクアドラさんは他にも『脳波キャッチャー』という作品も展示していて、イベントを大いに盛り上げていました。なんともユニーク!
③直感的なVJ体験!どこでもパーティー会場にしちゃう「P[AR]TY by AWA」
展示エリアでも演出が目立っていたのが『P[AR]TY by AWA』。音楽ストリーミングサービス『AWA』を運営しているサイバーエージェントさんの作品です。
音楽がかかりDJブースが設置されたどことなくパリピ感のある展示ではVRとARを最大限に活かした「VJ体験」ができました。VRを着用してみると、画面に音楽のプレイリストが表示されます。コントローラーを動かし自分が流したい曲を選ぶと音楽に合わせて画面のCGが動き、ボタンを押すとペイントボールのようなエフェクトが発射され爆発します。
観客は連携したアプリを使って、スマホからVJと同じ映像を見ることができます。
サイバーエージェントさんが開発したインスタレーション#PARTYbyAWA を体験?
これが家にあれば、一人カラオケに行くことも減りそうw たのし〜 #dotFes pic.twitter.com/Pu2IzSMxuP— ?AYUPY GOTO? (@ayupys) 2017年11月19日
はたらくビビビット 編集長も『P[AR]TY by AWA』を体験!
空間の見た目は特に変わらないのですが、VRとスマホの画面を通じてプレイヤーと観客は同じ状況を共有できるのです。VRとAR、最新システムを最大限に活用したイケイケなシステムでした!
以上、会場のレポートでした。
他にもランダムでインクアートを作り出すアナログチックな作品や、
実際に体を動かすスポーツ系ゲームの展示もあり、バラエティに飛んだ内容にお腹いっぱいになりました!
●テクノロジーのワクワク感をもっと身近に
プロフェッショナル向けのセミナーだけではなく遊べる体験ブースなどもあるので、エンジニアからちょっと珍しいことに興味がある人まで楽しめる素敵なイベントです。ファミリーで行けるテクノロジー系クリエイティブイベントは貴重です。
来年も開催予定のdotFes。最新のテクノロジーやメディアアートに興味がある方は、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
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(2017.11.28)
著者
はたらくビビビット
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