「BtoB」という言葉をご存知ですか? 志望企業を調べていると、会社の説明欄などでも目にすることが増えてくるかもしれません。BtoB企業は一般的に優良企業が多く、なおかつ狙い目と言われることが多いです。とはいっても、実際どのような特徴があるのかわからなくては候補に入れようがありません。この記事ではBtoB企業がどのように魅力的なのかを就活生の目線からまとめています。
編集・執筆 / ASAMI KIMURA, AYUPY GOTO
目次
- 1. BtoBとは
- 2. 取引先が異なると何が違うのか?
- 3. 就活生から見たBtoB企業の魅力
- 4. クリエイティブなBtoBの仕事例
- 5. 最後に
1. BtoBとは
世の中にはたくさんの会社があり、それぞれの会社は様々な事業や商取引(商売)を行っています。会社の事業を大まかに分類しようとするときには、「取り引きする相手が誰か」ということにより会社の種類を大別する方法があります。
そのように、取引先に注目して会社を分けた呼び方のひとつがBtoBです。
BtoBとは、Business to Businessの略です。企業(法人)を相手にして事業や商取引を行う会社のことを、BtoB企業と呼びます。時折、toを2(two)に置き換えてB2Bと書かれることもあります。
取引先による呼び方には、他にも以下のようなものがあります。
- BtoC (Business to Consumer) 企業:一般消費者相手
- BtoG (Business to Government) 企業:行政相手
- BtoE (Business to Employee) 企業:従業員相手
この中でも、BtoBとよく比較の対象になるのがBtoCです。BtoC企業は一般の消費者向けにサービスや商品を提供している企業です。私たちが普段TVCMなどを通して知っている企業の多くはBtoC企業ということになります。
2. 取引先が異なると何が違うのか?
では、取引先が異なると会社のどのようなところが違ってくるのでしょうか?
一般的に、以下の様な差があると考えられます。
- 1. 扱う商品が異なる
- 2. 仕事がお金になるまでの時間に差がある
- 3. マーケティング方法が違う
- 4. 企業ブランドへの意識
1. 扱う商品が異なる
BtoC企業の扱う商品はエンドユーザーに向けた完成ですが、BtoB企業の扱う商品は取引先の企業が販売する商品の素材だったり、会社内で使われるためのツールである傾向があります。
2. 仕事がお金になるまでの時間に差がある
BtoB企業では、取引先の要望に沿った製品やサービスを納品した時点で報酬を得ることができます。一方BtoC企業では、作ったものを売りだしたタイミングではどれだけの成果が上がるかわかりません。ユーザーの声を聞きつつ、商品などを改善していくことが求められます。
3. マーケティング方法が違う
BtoB企業では、自社の仕事の優れている点を論理的に顧客に訴えること商取引を成立させます。なぜならば目の前の担当者に決定権があるわけではなく、会社の中の複数の意思決定者を納得させる必要があるからです。対してBtoC企業では、一時的でも一般消費者の感情に直接アプローチできれば充分購買に繋げることができます。このような違いを踏まえると当然製品やサービスの性質も異なってきます。
4. 企業ブランドへの意識の有無
BtoB企業にとってブランド力はあまり重要にされていません。広告もあまりなく、私たちが知っているBtoB企業をすぐに思い浮かべられないのがその証拠です。例え企業ブランドがなくても、その商品の良さをきちんとわかってもらうことができれば取り引きが成立するからです。しかし、BtoC企業にとってはブランド力というものが大事です。まさにそれが商品の印象を演出し、一般消費者の購買意欲に繋がるからです。
3. 就活生から見たBtoB企業の魅力
BtoC企業に比べるとどうしても影の存在になってしまいがちですが、実はBtoB企業を受けることには次のような良い点があるのです。
- ・安定している優良企業がたくさんある
- ・BtoC企業に比べて競争率が低い
・安定している優良企業がたくさんある
企業を相手にする取引では一度取り引きが成立すれば長期間の関わりになるため、安定した業績を上げることができます。こういった会社は優良企業であると言えるでしょう。日本にはこういった会社がたくさんあります。
・BtoC企業に比べて競争率が低い
TVCMを流していて知名度の高い会社はそれだけ就活生も集まりやすく、必然的に倍率が高くなります。それとは逆にBtoB企業にはなかなか就活生が流れず、相対的に競争倍率が低くなるのです。業績に波の出やすいBtoC企業のように、採用人数が激しく変化することもありません。それに「知名度が低い=大企業ではない」というわけではなく、名前を聞いたことがないような会社でも、ある製品においては世界的なシェアを占める大企業なこともあるのです。
4. クリエイティブなBtoBの仕事例
クリエイティブ系にもBtoBにあたる仕事はたくさんあります。先に説明した特徴の中でも特に意識すべきなのは、一般消費者に直接売り出すものを制作するのではなく、クライアントに納品するためのものを制作するという点です。例えばクリエイティブ系には以下のような仕事があります。
例:デザイン制作会社
― 取引先のメーカーから依頼を受け、要望に合わせて商品のパッケージデザインを行う。
例:ゲーム会社
ー ゲームの企画やシナリオ等を受け取ってグラフィック等を作りこみ、取引先に納品する。
例:広告代理店
ー 取引先商品の売り上げを向上させられるような広告・イベントなどを企画し、提案する。
とにかく「作る」ということ自体が好きでたくさんの制作がしたいという人、お仕事をくださっているお客様(クライアント)の要望を形にするのが好きな人には適しているでしょう。
こういったお仕事をしたいと思っている人もたくさんいるのではないでしょうか。
ただ、BtoB企業は少し見つけにくいかもしれません。コーポレートサイトを一つひとつ見つけるのにも苦労します。このような会社を効率的に探す方法としては、合同説明会などのイベントに足を運んで聞いたことのない企業を知ってみたり、クリエイターのための就活支援サービス「ViViViT」のように採用情報の集まるサービスを利用してみるのが良いでしょう。
クリエイターのための就活支援サービス「ViViViT」
5. 最後に
いかがでしたか?
自分が知らなかった業界や企業へ新たに興味を持ってみることは、自分の可能性を広げるためにも重要です。BtoB企業について考えていなかった人は、これを機会に視野に入れてみてください。また、すでにBtoB企業を狙っている人は、どうしてそこが良いと感じたのかを確認してみると、今後の就職活動の役に立つと思います。
(2015.10.28)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア