プロジェクションマッピングって何?|仕事百科

%e4%bb%95%e4%ba%8b%e7%99%be%e7%a7%91top%e7%94%bb%e5%83%8f-02-%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc

近年、アーティストのライブやイベント等で、世界観を表現する手法として主流になってきたプロジェクションマッピング、みなさんは実物を見たことがありますか?プロジェクションマッピングと一括りでいっても、そのサイズや表現方法、技術などは様々です。今回は、話題となったプロジェクションマッピング作品やプロジェクションマッピングの制作方法、プロジェクションマッピングを仕事にするにはどうすればいいのか?ご紹介したいと思います。編集・執筆 / Tamachanz, AYUPY GOTO
イラスト / Miyagi Takumi

目次

  • 1. プロジェクションマッピングとは
  • 2. 必要なもの
  • 3. 作品例
  • 4. 参考書籍
  • 5. 学べる学校
  • 6.プロジェクションマッピングを仕事にするには
  • 7. 最後に

1. プロジェクションマッピングとは

投影する物体の形状を活かした映像を作り、プロジェクターを使ってその物体に映像作品を投影することです。

ただ投影することとは違い、投影する物体の形状に合わせ、変形させた映像を投影することで、映像が視覚効果をもたらし、実際にその物体が動いているように見えるため、鑑賞者を驚かせたり楽しませたりすることができます。

プロジェクションマッピングを駆使したアート作品は年々増えてきており、技術を身につけてしまえば、アイデア次第で無限の表現をもたらすことができます。

2. 必要なもの

シンデレラ城や東京駅をはじめとする巨大な建物から、真っ白な立方体の箱など、
大小様々な大きさのものに投影するプロジェクションマッピング。
制作を始めるにあたって、最低限購入したほうがいいものをご紹介します。

  • ●パソコン
  • WindowsやMac、その他でも使用可能です。プロジェクターで投影するための映像作品を専門ツールで作ったり、投影する物体の形状に合わせて編集したりする作業を行います。


  • ●プロジェクター
  • 作った映像を作品の一部となる物体に投影する機械です。
    最近では通信販売サイトAmazonや、中古のものを売っているHARD-OFFなどを利用すれば安く手に入れることができますし、レンタル会社も増えてきているので、購入せず低価格で一時的にプロジェクターをレンタルすることもできます。

    プロジェクターはものによって、出力できる光の明るさが様々ですが、教室1つ分くらいの広さなら、2000lm(ルーミン)以上の明るさが出せる機能がついていると良いでしょう。

    投影する物体が比較的小さければ、家庭用プロジェクターを使用しても大丈夫です。


  • ●HDMIケーブル
  • パソコンとプロジェクターを繋げる役割をします。

    ケーブルを選ぶときには、プロジェクターの設営環境である距離、処理速度の速さを考慮して購入することをお勧めします。


  • ●画像処理ソフト
  • 投影する映像作品を制作するために必要となるのが、画像処理ソフト。Adobe IllustratorやAdobe After Effects、MadMapperなどのプロジェクションマッピング用の画像処理ソフトを使用することはもちろんのこと、「初めてだからあまりお金はかけたくない」という人には、無料で使える編集ソフトがあるので、そちらも検討してみてください。

3. 作品例

次に、制作を進める上で参考になるような、プロジェクションマッピングを使用した作品を紹介します。
プロジェクションマッピングを使って自分が何を表現したいのか想像しつつ、様々な参考作品をインプットしていくことで、自分の作品アイデアに繋げてみてください。

・ INORI-PRAYER

 

2人組ダンスユニット「AyaBanbi」の顔面にプロジェクションマッピングを行なった作品です。静止物ではなく、動く顔に映像をバチっと合わせるのは極めて難しいことなので、非常に高度なマッピング作品だと思います。

・Le Petit Chef

こちらは、小さなシェフがテーブルの上で料理をするという可愛らしい作品です。料理が運ばれてくるまでの、長い待ち時間を退屈にさせない工夫がされています。

・GIRL  MADE  IN  LOWRYS  FARM

こちらの作品は真っ白な服や持っているものに、可愛らしいマッピングがたくさん投影されていて、清潔感がある愛らしい画面になっています。

・Perfume Live at SXSW

プロジェクションマッピングをライブやMVに積極的に使っているアーティストとして、とても有名なのがアイドルグループ「Perfume」です。彼女たちのそろったダンスに加えて投影されるマッピングは、彼女たちの魅力を最大限に引き出す役割をしています。

4.参考書籍

これからプロジェクションマッピングを始めてみようと思っている方向けに、いくつか読んでいただきたい本をご紹介します。

●「プロジェクションマッピングの教科書」田中健司(著)

    引用 |https://www.amazon.co.jp/dp/B071F9YVDK/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1 

プロジェクションマッピングの制作から、ビジネスに生かすためのワークフローなどが丁寧に書かれています。
初心者向けというよりは、初心者〜中級者向けだと思います。
プロジェクションマッピングにまず挑戦して見たい方は、ぜひ目を通していただきたい一冊です。

●「プロジェクション・マッピング入門」MASARU OZAKI(著)


引用|https://www.amazon.co.jp/dp/B00KPM5YOA/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

プロジェクションマッピング入門と書かれてはいますが、映像編集ソフトを使い慣れていない人にとっては難しいと思います。この本を読む前に、一通りAdobe After Effectに使い慣れておくと、スムーズに理解できるでしょう。

●「これからはじめるプロジェクションマッピング」藤川 佑介 (著)


引用|https://www.amazon.co.jp/これからはじめるプロジェクションマッピング-藤川-佑介/dp/4839952116/ref=tmm_pap_title_0?_encoding=UTF8&qid=1505973444&sr=1-1

GrandVJ、VideoMapperを使用したプロジェクションマッピングのやり方が丁寧に解説されています。
わかりやすく、機材以外はあまり費用がかからないようになっているので、気軽に読んで始めることができると思います。

5.学べる学校

 
・日本工学院
・デジタルハリウッド大学
・日本電子専門学校
・北海道ハイテクノロジー専門学校
・九州技術教育専門学校
・千葉工業大学
・宝塚大学
・京都精華大学
・HAL名古屋
・北上コンピューターアカデミー

今はCG、3Dモデリングなど技術手動なので、情報工学系の大学や、専門学校が中心ですが、最近は武蔵野美術大学の芸術祭の最終日のプロジェクションマッピングであったり、多摩美術大学の学生有志によるプロジェクションマッピング作品が《プロジェクションマッピングアワード》で優秀賞を受賞しているなど、各美術大学でもプロジェクションマッピングを利用した取り組みが広まってきています。<br ?-->また、上記の学校以外にも、最近では、高校生のうちから独学で映像制作を習得している学生たちがいたり、建築を学ぶ学生が精巧なプロジェクションマッピング作品を作っていたりと、様々な分野の人たちが多種多様で素敵な映像作品を作っています。したがって、どの学校で学ぶかという以上に、自分で作ったものを公開したり、調べてみたりと、積極的に制作に励むことが大事だと思います。

6. プロジェクションマッピングを仕事にするには

●プロジェクションマッピングを扱う企業
Rhizomatiks Research
チームラボ
NAKED Inc.
株式会社タケナカ
株式会社アクティブデザイン
株式会社ピクス

プロジェクションマッピング専門の企業は多くはありませんが、MVや空間演出の手段として、プロジェクションマッピングを利用するといった映像系の企業は多いです。映像制作全般に興味がある人は、企業ページをぜひご覧ください!

7.最後に

プロジェクションマッピングは、関連書籍も比較的少なく、3Dモデリングや画像処理ソフトの使用、機材の管理など、始めるには少し荷が重いと感じるかもしれません。しかし、企業のプロモーションとしても主流になってきているので、まずは身近にある物に作った映像を映し出してみたり、素敵な参考作品を見たりと、気軽に映像制作の楽しさを味わってみてください。

(2017.10.11)

著者

たまちゃんズ

多摩美術大学でメディアアートを学んでいる1年生です。 趣味は何も書かれていない紙を眺めることです。

記事一覧へ

ポートフォリオでデザインチームとつながろう

ポートフォリオをつくる

作品を投稿してデザインチームとつながる日本最大のマッチングプラットフォーム。もちろん、ポートフォリオのみの活用も可能です。

作成する

デザイナーを採用する

国内最大のデザインプラットフォームで、チームにマッチするデザイナーに声をかけてみませんか?

採用する