みなさんはリモートワークという言葉を知っていますか?自宅やカフェなど、会社から離れて自分が集中しやすい場所で作業できる働き方です。今回は、そんなインターネットが普及した時代に生まれたリモートワークについてご紹介していきます。
編集・執筆 / tamachanz, AYUPY GOTO
イラスト / Miyagi Takumi
- リモートワークって何?
- あるリモートワーカーの1日
- リモートワークを取り入れている企業
- 給与形態について
- ノマドワークとの違い
- 最後に
1.リモートワークって何?
リモートワークとは、オフィスへ出社せず自宅やコワーキングスペースなどの、会社から離れた場所で業務を行う働き方のことです。自宅にいながら作業ができるので、フリーランサーのように職場が複数ある人や育児をしながら働く人、職場と自宅が遠い人にとっては便利な働き方です。同様の意味に、「テレワーク」という言葉もあります。
2. あるリモートワーカーの1日
自宅で作業をするリモートワーカーのとある1日のスケジュールを見てみましょう。
例:子育てをしながらWebデザイナーとして働くAさん
8:00〜10:00 起床/朝食/育児
10:00 作業開始
16:00 作業終了
16:00〜18:00 自由・家事
18:00〜19:00 支度
19:00〜21:30 晩ごはん
21:30〜22:30 お風呂
00:30 就寝
上記のスケジュールを見てみると、通常であれば往復の通勤時間にあたる時間を、育児の時間にしています。時間を効率的に使えるだけでなく、往復の交通費を節約することもできますね。
好きな場所で作業ができるので、その日のコンディションにあった場所を選べます。男女関係なく、年齢が上がるに連れてライフスタイルは変化していきます。リモートワークでは、自分のライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができるのです。
3.リモートワークを取り入れている企業
今回ご紹介したリモートワークを取り入れている企業は、日本にどれくらいあるのでしょうか。2018年現在はまだ少ないですが、近年は増加傾向にあります。
ここで、リモートワークを一部導入している企業を紹介します。
▽株式会社リクルートホールディングス
求人広告、人材派遣、人材紹介、販売促進などのサービスを手掛ける企業です。
人と仕事を結びつけるサービスを幅広く展開し、リクルートが持つ高い専門性を駆使してリクルートグループの経営・事業を横断的に促進しています。
リクルートでは2016年1月より、雇用形態にかかわらず、全従業員を対象とした「上限日数のないリモートワーク」を本格導入しています。社内にはビジネスチャットやクラウドストレージ、TV会議が用いられているので、情報共有を素早く行うことができます。
参照:https://recruit-holdings.co.jp/news_data/release/2015/1224_16416.html
▽株式会社キャスター
「リモートワークを当たり前にする」をモットーに、オンラインアシスタントというビジネスを展開している会社です。リモートワークを専門にしているので、海外からでも事業にコミットすることができます。
株式会社キャスターが最も力を入れている事業のCaster.Bizでは、秘書業務などバックオフィス業務をリモートワークで行う「オンラインアシスタント」という仕組みを提供しています。
▽株式会社CINRA(シンラ)
インターネットを軸にしたWEBサイトや広告の制作、メディア運営、イベント企画など、多岐にわたる事業を行なっています。企画・営業・編集、WEBディレクターやフロントエンジニアなどの幅広い職種の方が活躍しているようです。
株式会社CINRAでは、1ヶ月の試験導入を経て2017年後半から「フリー出社制度」を取り入れています。こちらの記事では、導入した際の様子について代表の杉浦さんが語っています。
リモートワークを導入している企業は、「slack」や「チャットワーク」などのビジネスチャットツールをうまく利用することで情報共有のスピードを速めたり、コミュニケーションの量が多くなる代わりに無駄な雑談が減ったりというメリットががあります。
4.給与形態について
リモートワークを採用している企業の求人を見てみると、職種によって差はあれどリモートワークとオフィスワークの給与の差はあまりないようです。リモートワーク可と書かれている求人は、デザイナーやエンジニアなど仕事の成果が目に見えやすい職業が多く、裁量労働制を取り入れている企業が多いです。上記で紹介した企業の1つであるリクルートも裁量労働制を取り入れており、オフィスワークの社員と給与に差はありません。
- 裁量労働制とは
労働者が雇用者と結ぶ労働形態のひとつです。この制度が適用された場合、労働者は実際の労働時間とは関係なく、あらかじめ定められた時間働いたものとみなされます。追加で残業しても残業代は支払われませんが、想定時間より早く業務を終えても、規定通りの給与を受け取ることができます。また、出勤・退勤時間の制限がないのも特徴です。
全ての職種に適用されるわけではなく、デザイナーやエンジニアなど特定の職種のみ対象となります。
5.ノマドワークとの違い
リモートワークとノマドワークはオフィス外で働くという点で共通しています。厳密な定義は存在しないものの、リモートワークはある企業に会社員として属していながらオフィス外で業務を遂行するという勤務形態です。ノマドワークは企業への所属の有無は問われません。したがって、ノマドワークとは特定の企業に就職せずにオフィス外で委託された業務を遂行するという、個人の仕事スタイルを指します。フリーランスでも固定のオフィスを持って作業している人はノマドワーカーではありません。
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6.最後に
今回は、リモートワークについて紹介しました。自分のライフスタイルに合わせて働き方を選べるため、オフィスワークからリモートワークに憧れている方も多いのではないでしょうか。
海外ではリモートワークを採用している企業は多く、日本にもリモートワークを採用する流れはきています。皆さんのクリエイター人生の中でも、リモートワークという働き方を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
(2018.7.5)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア